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(13)生活リズム

 身体からだにバイオリズムといわれる一定の繰り返しリズムがあるように、日常の生活の中にもそうした同じパターンの繰り返しがある。それが邪魔されたり出来なくなると、人は戸惑ったり、調子が狂ったりすることになる。出来ないと、心が落ちつかず、残り時間が少ないのにそれでも! とやってしまう訳だ。詳細は心理学者の方にたずねないと分からないが、これは日々の生活リズムを取りもどそう! とする深層心理の働きではないか? と思える。

 毎週、決めた日はなかったが、ほぼ決まったパターンが定着していた葉牡丹はぼたんは、その日も同じように買い物に出ることにした。ところが、いざ目的の店へ着いてみると、財布を忘れていることに気がついた。そんなことは今までになかった! と自分に腹が立った葉牡丹だったが、忘れた以上、買い物は出来ない。家からこの店までは数Kmあったから、別の日にしてもよかったのだが、葉牡丹は、それでも! と意気込んで家まで財布を取りに戻った。週末に買い物をする・・という見えない生活リズムが、いつの間にか葉牡丹の心の奥底に定着していたのだ。

 無事に買い物を終えて家に戻った葉牡丹だったが、いざ、昼食にしよう! と意気込んだとき、買い忘れた醤油の小瓶のことを思い出さなくてもいいのに思い出してしまった。思い出せば、居てもたっても居られない葉牡丹である。電子レンジでチン! して、湯気ゆげを立てる美味うまそうなパスタを目の前にしながら、それでも! と、葉牡丹はハングリー精神で買い足しに出た。

 時間は遅くなり、パスは冷えたものの、それでも葉牡丹の心は満たされた。パスタをふたたび、チン! し、葉牡丹は満足げにパスタをすすった。それでも、やり遂げた葉牡丹の達成感は大きかった。

 それでも! と生活リズムでやる行為は、本人に達成感が起これば、それでいい訳である。^^


                  完

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