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三人目の勇者  作者: N氏
帝立勇者育成学園篇
5/5

再集合!

感じる…体の奥底から沸き上がる

俺の力じゃない何か。

それは凄まじい力の奔流。

レンは知らず知らず額に冷や汗を流していた

その力の奔流は奥底からレンの体の隅々迄行き渡り


その力を解放せんと、レンの体の中で暴れ回る。

レンが必死になって力を抑え様としていると


「ほう~…まさか、躊躇無く神器を外す奴が居るとはな!」愉快そうに担任の角刈りが、笑いながら近付いて来る。


担任はふむ…だが良い実験体になるな…と呟いた後

「レン抑えなくて良い、体をリラックスさせろ。」

レンに指示を出す。


レンは力を抑えながらも、信用が出来ず思わず早口になって聞き返す。

「え?ほっ、本当に大丈夫なんですか?」

担任は頷き、ほらっさっさとしろ!と言わんばかりにレンを見る。


数瞬考えたレンだが、元からの楽観的な思考故に

あっさりと思考を放棄して

「じゃあ……。行きます!」

レンが体に流れる力の抑えを外した瞬間…


キンッっと金属同士を叩き付ける様な高音が鳴った後、レンの体から勢い良く光が漏れだす。

レンは驚きながらも、力の流れに逆らわず、全身に光が行き渡るのを眺めていた。


光がレンを包み込んだ後、最初の勢いは

無くなっており、今は体全体から光を

湯気の様に放出させている。


レンは自身の体を観察する様に

視線を体のあちこちに飛ばす。

すると横から、パンッパンッ手を叩く音が聞こえ


「全員注目しろ!

これが女神の祝福を解放した姿だ。

今は力の操作が分かっていないので、この様に常に放出しているが、操作は簡単だ。

初等部の時、魔力知覚訓練をやったな?

あの時と基本は同じだ。

体全体に行き渡る様にイメージしろ。

ちなみにこの状態で放って置くと、魔力切れと同じで気絶する、全員注意して行う様に。」


言った後しばらくレンの状態を観察し

レン、お前は大丈夫そうだな。と最後に呟いた。


担任は皆の注目を再度集め、クラスメイト達に向けてアドバイスする。その後全員外してみろと言い

少し周囲の者と距離を取って行う様にと

注意を重ねて指示を出し、元の場所に戻って行った。


コツを聞いたレンは、魔力知覚訓練の要領で力を操り、力を体に馴染ませる様

徐々に力を支配下に置いていく。


目を閉じ集中しようとすると

辺りから高音と力を感じる。

恐らく皆が神器を外し始めたのだろう。


力を完全に支配下に置いた頃

周囲のクラスメイト達も、解放が終わったらしく

自らの力に緊張しつつも

その顔には若干の余裕の表情が出始めていた。


そう言えばカイト、ジュリ、ローナは

どんな感じだ…?

見知った顔なので直ぐに発見するレン。


カイトはいつも通りだな、なんか難しい顔でぶつぶつ考察している。


ジュリは成功の嬉しさからかぴょんぴょん

小さく跳ねて、ローナに自慢をしている。

そんなジュリを見たローナが

落ち着きなさいと嗜めていた。


ほっと一息付く、これで失敗したりしたら、どんな事が起きるか分かんないもんな~。

まぁ力は馴染んでるらしいし、仮に失敗しても大事にはなんないよな?


「大丈夫か!?アリア落ち着け!」

担任の角刈りがなんか焦ってるな。

声の方向に目を向けてみると


「アッ、あのっわ、私、普通に、はっ外しただけなんです!」テンパっているアリアと、凄まじい光が立ち上っていた。


「分かっている!よし…ゆっくりだ。ゆっくりと息を吸って吐け。そして手を握るんだ。」

手をアリアの手の上に起き、魔力知覚と一緒だ。と優しく諭す角刈り。


「はっはひ!」っと全く落ち着かないアリアに対し、「目を閉じろゆっくりと力が、体全体を巡るイメージをしろ。」ふーふーっとどうにか落ち着きを取り戻し始めるアリア。


少し経つと徐々に、他のクラスメイト達と同じ様に光が落ち着く。

「フゥー、多少びっくりしたぞ。だが良い経験になったな。」と安堵の声を上げ


驚きからか自然と注目していたクラスメイト達に

「今の様に女神の祝福は、扱う者の感情や体調等で取り扱いが難しくなる。決して、この力を軽んじらない様にしろ。」


まぁ仮に…と続け

「突発的に暴走しても、そこも魔力知覚とほぼ一緒だ。外部から直接魔力で抑える。」

だが、生徒同士では余りやるなよ?事故の元だ。

と締め括る。


「よし、全員解放は済んだな?では呼んだ順番で前に来い、そして四人で1グループとして固まれ。」


一騒動有ったが、どうやらようやく次に移るらしい。最初は自己紹介だけかと思ったが…

グループ決めなんかもするのか。


次々にグループが出来始めだし、

「レン・グリンガム、前へ」おっ!呼ばれたな!

前へ行きながら何となくカイトを探してみると

此方を見ていたので

口パクで先に行くぜ?と言い密かに笑い合う。


「次は~…カイト・マクレーン」呼ばれたカイトが苦笑しながら歩いて来て「久しぶりだね?」

小声で話し掛けてきたので

「随分久しぶりだな?」と言い軽く

ハイタッチして、同じグループになったのを喜ぶ。


担任は手に持った、書類を捲りながら

「残り二名が~ジュリ・アディンセル。

それとローナ・ワイアットだ、以上四名は、彼方の方で待機しろ。」

指差しながら空いたスペースに誘導する。


待機場所に行きながら「カイトが呼ばれた時点で予測出来たな。」「ハハッ、またこの四人だね?」

レンとカイトが話していると


「これは完全に奇跡ね!これから楽しみだわ!」「う~ん意図的にではないでしょうか?一応前衛と後衛のバランスは考慮しているみたいですが…」

ジュリはまた奇跡奇跡と騒ぎ

ローナは嬉しいのは嬉しいが、何故?と疑問顔だ。


こそこそと話し合って居ると

グループ分けが終わり

「全員呼ばれたな?諸君の中等部での成績と、前衛後衛のバランス。更にそれが整えば交友関係も考慮して、グループを学園側で用意した。」


担任が分けられたグループを眺めながら話す。


「今居るグループメンバーは、今後何か行動する際一心同体だ。共に力を磨き、共に飯を食い、共に帝国を守る。」


担任は、まぁ云わば仲間だな!っと言い笑っていた。

ちらとジュリを見る、仲間…!良い響きね!

何故か盛り上がってた。

仲間とか大好きだもんなお前…。


すると担任はさらりと爆弾発言をする。

「じゃ、早速グループでの共同作業だ。

15分間力を確認した後に

1グループずつこの俺と模擬戦をする。

以上解散!」


担任の名前を出すタイミングを完全に逃した…

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