序_9 侵入者はゾンビですか?
「今の音…ガラスですかね。」
「誰か他に人がいるのでしょうか?」
「居たらわざわざ部屋を分ける意味がわからない。恐らく侵入者だ。説明書通りだとすれば…。」
「細菌に感染して変異した人間…、いや、ここはあえてゾンビと呼びましょうか。」
「えー?人間ってゾンビになったん?」
「元人間より、ゾンビって呼んだ方が出会った時躊躇無く戦える。」
「わあぉ、物騒ー。」
どうやらこの建物にゾンビ(仮称)が侵入したみたいだ。にしてもこの建物の警備緩くないか?普通侵入があれば警報なりなんなり作動すればいいのに…。
「じゃあ半分に別れて行きますか」
「あぁそうだな…皆集まってれ」
タカハシさんがいつの間にかリーダーポジになってる。まぁいいや、自分が変わりたい訳じゃないし。
「集まったな…それじゃあ今から二班に別れて行動する。」
「えー先程、音のした場所に行く班は僕とタカハシさんとササキさんで…。」
なぜか選ばれた…。草刈り機は戦力になりますか?僕、帰っていいですか?…ダメだよね。
「あとの3人はこの部屋で待機していてください」
「は?なんで?」
いいな、自分も待機が良かった。オリコトが反論する意味がわからない。素直に残ればいいのに…、嫌なら代わって。
「話し合いの結果です。相手が友好的な可能性は限りなく低いですし、出会えば戦闘は避けられないでしょう。その時は恐らく通路での戦闘になりますから、皆で纏まってたら戦い難いです。」
「女ばっかりだよ?」
「それは武器のバランスを選んだ結果だ。このメンバーの中で狭い通路での戦闘に向いているのは俺とカサハラの武器だ。あとナカタの武器でも出来るが…。」
「じゃあ、キョドキのこしてユリちゃんじゃだめなん?」
「だが!その場合は敵がこちらに来たとき戦闘にむかないリルと戦力が不明なササキをカバーしながらオリコトが戦う事になる」
ちゃんと意味があったんだ。てっきりこういうのは男の仕事とかって体育会系な考えかなと思ってたよ。
「あー、そうね。まぁキョドキわかんないもんねー…」
「だからこのメンバーなんだわかってくれ好きな人と離れるのは辛いかも知れないが」
「わか…ってそんなんじゃないし‼」
やめろ!オリコトとはそんな関係じゃないし、そんな関係になる気もない‼
「まぁまぁそんな訳でこのメンバーで行きます意見はありませんか?」
「あのーそれなら僕は行かなくても…」
「リルちゃんに代わりに行けと?
そこまでのヘタレではないですよね?」
「は、はい!い…行きます…」
冗談じゃないですかー。一応きいてみただけですよ…。まぁ残ってもいいなら残ったけど。