序_6 ショック
この武器を作ったやつはやっぱりイカれてる。だって草刈り機だ。まぁ棒のついたチェーンソーとも捉えられるが…。
せめてチェーンソーを…、もしくはバールかスコップとか対ゾンビ用の武器が良かった。まぁまだ人類がゾンビになったのかは確認してないけども。
箱の中にあった説明書によると、この武器の正式な名前は【特殊形状武器 型式【刈払】】だそうだ。
特殊形式武器シリーズのNo.1らしいので、これみたいな変なのが他にもあるって事だろう。自分だけじゃないと知って安心した自分は悪くない。
回転する部分(刈刃というらしい)は色々と種類があり、状況により取り替えられるそうだ。まぁ草刈り機なのに変化は無いけど…。
そして動力は電気とガソリンのハイブリッド。これも半永久的に補給する必要が無いみたいだ。
あと、ピンチなら鈍器としても使える。どうでもいいけど。
「おーい!」
自分の専用武器が草刈り機という現実に悲観していると、カプセルの外から呼び掛ける声が聞こえた。
おそらく僕と同じ様にカプセルで眠っていた人だろう。カプセルの中からは外が見えないが、他に人がいるとわかっただけでちょっと安心した。
「俺!高橋賢太って言うんだ!よかったら出てきてみんなで自己紹介しないか?同じ被験者同士、仲良くしようぜ!」
いきなり仲間意識をもつのは難しいが、他にやることもないのも事実。どうせ今出なくても後ですることになると思うし、とりあえずその案に乗るか。
あ、でもその前に服を着ないと。下着とその上に羽織るコートを…。
少しすーすーするがそのうち慣れるだろう。