序_10 廊下を進むよ どこまでも
「それ便利だな」
「はい…原理としては全く別物なんですが…」
僕は今暗い通路を進んでる。
先頭をカサハラさんその横に高橋タカハシさん。僕は一番後ろにいる。
後ろから敵が来ないといいんだが…。
「あの…さっきから気になってたんですけどスタングレネードってなんなんですか?」
ずっと疑問に思っていたので、ついきいてみた。
「え?まぁ知らない人は知らないか…」
そんな、知るわけないだろ!世の中、全員高卒(最近はそれも減って大卒が増えてるけど)とは限らないんだぞ!中卒なめんな‼
と思ったが当然いえるわけもなく…。
「スタングレネードっていうのはですね。テレビや映画とかでもよく出てくる、テロリストとか立て籠りとかでよく使われる爆弾ですよ。
あの強力な閃光と爆音を出す爆弾です。敵の視力と聴力を一時的に奪って安全に鎮圧することができます。」
「なるほど…」
なるほど、さすがインテリ。伊達に勉強してない訳じゃないんだな。
確かにそれならアニメでみたことがあるぞ。
「確か何かを科学反応さして爆発するはずじゃなかったか?」
「マグネシウムとアンモニウム等ですね。
なのでこのようにライトとしては使えないはずなんですけど…」
そう言えばさっき言ってたな。よく見ると確かに懐中電灯みたいに光ってる…。
まぁ便利ならいいじゃない。
「まぁ寝てる間に技術革新があったんだろう細かいことは気にするな」
「ですね」
そんな話をしながら通路を進んで来た。迷子にならないように高橋さんが小刀で壁に印を付けてる。
そして僕はなにもしてない…。無力…!!!
いや、現場監督という大事なお仕事をしています。
「にしても広いですね」
「だな歩きながらってのもあるがかれこれ30分くらいは歩いてるぞ」
「分かれ道もたくさんありましたし高橋さんが印付けてなかったら本当に迷子になってましたよ」
「気にするな…っとちょっと来てくれ」
「「?」」
「足下を見てくれ」
「ガラスですか…よく見たらこの窓が割れてますよ」
「やはり入って来てたか」
「で…でも、会いませんでしたよ?また出ていったんじゃないですか?音もしないし」
「だといいけど、入れ違いになってるとしたら…」
「「「きゃーーー‼」」」」
遠くで声がした
「やっぱり…!戻るぞ3人が危ない‼」
「はい‼…タカハシさんこれを…ササキさんも、突入後は先に入った人が投げ込んでください!!」
戻ろうとしたらカサハラさんからスタングレネードを預かった。だが、自分が一番足が遅かった…。
そして部屋に入ると、一足遅かった…。もう全てが終わった後だった…。