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*Story1
「おー瞬‼また優勝したらしいなっ!すげーなぁ」
隣にいる背の高いやつは高嶋瞬という。
文武両道おまけに容姿端麗、俺とは全然正反対な幼なじみ。
こいつとは家が近くてよくお互いの家に行き来した仲だ。
瞬は昔から何でも出来て昔から無口な…クールという感じだった。もちろんモテる。尋常じゃないくらいモテる。バレンタインに学校の半分の女子から貰ってたっけ?
俺は母さんに貰ったやつと友チョコとかいうやつだけ。
「あぁ、まぁ市の大会ならな」
瞬はサッカー部のキャプテンで表彰式があるたびに彼の名前が呼ばれる。そのたびにトロフィーと表彰状と大きな拍手が送られるのだ。
それとは逆に美術部の俺、高野勇翔は表彰状どころかたいした成績も納められていなかった。
「いやでも凄いぜ、瞬みたいに才能があればなぁ」
「才能なんてねぇよ」
突然だが、俺は瞬が好きだ。
物心がついたときからずっと……
あれは小学4年の頃だろうか---