ある女神の言葉
今回は短いです。
取りあえずクエストという存在自体を特殊能力にしてみるかというふとした思い付きから夜中からここまで思いつくまま書いてみました。
推敲が一度も無いですが書き直すとたぶん未完結で止まる。
ある神がやって来た。彼は聞いた。
『女神様直々に奇跡を授ければ良いじゃない?』 と
『勇者様達はそれじゃ駄目なんですよ』
女神はそう答えた。
実のところ四人の勇者は資質は他の30人よりはるかに高いんです。でも代わりに目に見える形で奇跡は可能な限り、起こさない。勇者自身の手で困難を切り抜けてもらわないといけないんです。
その点30人の『協力者』は元々世界を救う中心的な人物ではない。基本的に各地に点在して時々で勇者を手助けする、ゲストキャラクターという物でしょうか。まあ基本その地域の事件が解決したら仲間として同行して勇者一行の人数はその度に増えていくんでしょうが。でも中心じゃないんです。だからある程度奇天烈じみた能力でも持っていても良いんです。
まあ中心になれないのは単純に彼らでは人を率いる魅力が勇者達より格段に劣っているからです。基本的に人が良くてでも魅力は少ない。そういう人物を意図的に集めたのは私ですけどね。
神に代償なく与えられた不相応な力を持つ者より、人は人自身の力で立ち向かう人間を最後には支持します。だから最後は四人がこの世界の人に力を借りて世界を救うんです。
ただ、そんな三十人の中にも能力に優劣はありますよ。最優はきっと自覚は無いでしょうが『クエスト手帳』の六原鍛冶、でしょう。最も与えられる恩恵が大きいんです。何しろ世界に、勇者の助けになる可能性がもっとも高いですから。クエスト、と言う名のしてほしい事を提示することで事情は理解できてはいないでしょうがその行動が最も勇者の助けになる、そういう能力ですから。
だから与えられる恩恵も大きい。それに彼はネットゲーマーですから基本的に隠しクエストと言う文字には弱いんです。だからそれをそれとなく提示しておけば見過ごせずに何だかんだでこなしてしまう。この律義さは好ましいと同時に力です。目的を成し遂げようとするある意味では強い意志でしょう。
操り人形? 確かにそれは否定できません。その言葉に嘘は無いでしょう。
ですが、形はそうだとしてもきっと間違いなく彼は世界を助ける最も大きな力になります。
……心が折れる可能性だけが心配です。ちょっと打たれ弱いですからね。まあそこはクエスト、と言う形でフォローしますよ。ええ、馬鹿な子ほど可愛いという地球の言葉もありますし、ね。