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クリアリズム  作者:
1/3

第1話 透明な想い。

初作品です。

まだまだうまく書くことはできませんが、沢山の人に読んでいただきたいです♪


「もし透明人間になれたら何がしたい?」


そんな会話、誰もが一度はしたことがあるのではないだろうか。

私は今真剣に考えていた。


-----------------------------------------------------------------------------



今日は私の通う学校の終業式。明日から冬休みだ。



「あゆ!一緒に帰ろっ」親友の優奈が笑顔でこちらに駆けてくる。

優奈が帰ろうと言ってくるのは久しぶりのことだった。



「大沢くん大丈夫なの?」



優奈は彼氏が出来て以来、ずっと私とは帰らなかった。

そして実は私も優奈の彼氏、大沢和樹くんのことが・・・。



「久々にあゆと帰りたくなっちゃった!今から昼ごはん食べ行かない?」



笑顔を向ける優奈に罪悪感を抱く。

まさか、親友の彼氏を好きになるなんて。



優奈は去年、高1の頃から大沢くんが好きだった。応援してるうちに私も好きになっていた。



でも、あくまで私の大沢くんへの思いは透明な水のようなもので。

私は誰にもバレることなく心の奥底で大沢くんを想っていた。



積極的にアプローチする優奈の影みたいだ。



そして3ヶ月前2人は付き合い始め、内心とても辛かった。

「優奈から告白した」という事実だけが私にとってのせめてもの救いだった。



「あゆ・・・都合悪い?」


黙り込んでいた私の姿を見て優奈は心配そうに言った。



「あ、ううん!駅前のファミレスでいい?」

私は微妙な作り笑いをした。





_________________





「でねぇ!和樹ったらおかしいのー!!」

優奈から大沢くんに関する話を聞いていると、胸がちくっとする。




別れればいいのに。




そんなことを思う自分に気がつき、すごく自分が嫌になる。



優奈のこと大好きなはずなのに、気がつくといつも「振られればいい」とか考えてしまう。

こんな自分消えちゃえばいいのに・・・。




「あゆ・・・。具合悪い?送っていこうか?」

優奈が私の顔を覗き込んでいる。



ほら。こんなに優しい優奈に対して私はなんて事を。



「ううん、全然平気!」

なんでだろう、涙がこぼれそうになった。




____________________




結局今日は帰ることになって優奈はバスに乗っていった。




歩いていると商店街に差し掛る。

(そういえば、風邪薬もうないんだっけ。)



親に頼まれていた風邪薬を買いに、商店街の並びにあるドラッグストアに向かった。



「いらっしゃいませ。」

清潔感のある店員が私に微笑みかける。






久々に来たドラッグストアの棚の上には新商品や面白い商品がたくさんあった。



(こんな風にドラッグストアの商品をちゃんと見るの初めてだなぁ・・・。)

暇を持て余した私は、意味もなく店内をぶらぶらしていた。



棚を隅々まで見ていると、端の方にキラっと光る箱を見つけた。



その商品は「クリアリズム」と書かれている。

箱の素材は特殊なセロファンのようなもので、角度を変えるたびにいろんな色に光って見えた。




その商品に興味を持った私は箱の裏側を読んでみた。





内容量・・・・48錠

効能・・・・・・身体の一時的な透明化

用法用量・・必要時に1回4錠を目安に水やぬるま湯と一緒にお飲みください。

注意・・・・・・15歳未満は服用しないでください。

        説明書をよく読み正しく服用してください。





「し、身体の一時的な透明化!?」



つまり、透明人間になる薬ってこと?








「もし透明人間になれたら何がしたい?」




そんな会話、誰もが一度はしたことはあるのではないだろうか。


私は頼まれていた風邪薬のことなんてすっかり忘れて、真剣に考えていた。






第2話につづく


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