表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信キャンセル界隈のワイ、ダンジョン探索でストレス解消してただけで最強に  作者: 御手々ぽんた


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/78

第44話 小休止

「思水さん、それで今回の討伐目標のウブメなんですが、どうやって探しましょう」


 俺たちは朱坂ダンジョンに入って数時間後、上層と中層の間の階層で小休止をしていた。


 朱坂ダンジョンは未踏領域が大きくて、探査スキルのない俺たちのパーティーからすると、進むのは、どうしても一進一退にならざるを得なかったのだ。


 それでも数時間で上層を抜けれたので、当初の予定から大きく逸脱してはいない。


 世間は三連休一日目で、一応、俺も暦通りに休める。

 橘さんの方も学校は当然お休みだし、管理機構からの依頼ということで、親御さんの了解は取れましたと、満面の笑みで言っていた。


「はい、コーヒー。あと、コーヒーフレッシュ。砂糖はなしだよね」

「ありがとうございます──美味しい」


 簡易コンロで沸かしたお湯で作ったインスタントコーヒーに市販のコーヒーフレッシュだ。

 言って、味はまあ大したことはないのだが、遠足で食べるお弁当が美味しいようなものだろう。


「ほら、待ってる間に、甘いものも少し食べときな……」

「──うーん、わかりました。じゃあ、少しだけ……はぁ、幸せです」


 とろけそうな顔で、お菓子をつまむ橘さん。とても美味しそうに食べる姿は、見ているこちらまでホッコリしてしまう。


「それは良かった。それで、ウブメだっけ」


 今回、ダンジョン管理機構から依頼された徘徊型エリアボスにして、世界に三体しかいないとされる特別個体の一、ウブメ。

 話では大型の鳥のモンスターらしい。


 かつて朱坂ダンジョンが領域拡大を起こした際に地上へと現れ、被害をもたらした、らしい。

 ただ、場所が場所だけに、ほとんど報道されることはなく、一部のアングラなネットで憶測が激しく飛び交ったのだとか。


 俺は橘さんがそういうのもチェックしているのは少し意外だった。


「徘徊型だから、どこにいるかはわからないけど、基本的には魔素の濃い下層に居ると思うんだよね」


 俺は手早く簡易コンロでソーセージを焼きながら答える。


「はい。確かに思水さんの足でしたら下層を縦横無尽に駆け回れますもんね」

「いやー、さすがに、そこまでではないけど。よし、出来た。はい、ホットドッグ。ケチャップとマスタードは、これ」

「良い匂い──とても美味しそうです! あの、このケチャップとマスタードはどうやって使うんですか?」

「あー、じゃあちょっとホットドッグ持ってて。かけてあげるから」


 個包装になっていて二つ折りにすると中身が出るのだが、使ったことがないらしい。まあ、慣れないとこぼすかもだしなと、かわりにかけてあげる。


「いくよ、動かないようにね」

「え、あっ。はいっ」

「ほら」

「わぁ、凄い! こんなところから出るんですね! うわ、いっぱいかかってます。こんなに出るんだ」

「まあ、一個で一回分だしね。ほら、食べよ」

「──美味しい。この前、車で食べたのも美味しいと思ったんですが、これはそれ以上ですっ」

「それは良かった。ちょっとソーセージを奮発したからね」


 小声で笑いなが、ホットドッグを食べていく俺たち。

 初めて橘さんとともにダンジョンで過ごす小休止は、和やかに時が過ぎていくのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ちょこちょこ台詞だけ抜き取ると若干センシティブな会話になるの草 もっとお願いします
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ