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村と武器屋

「お、リアようやく村が見えたぞ」

「ほんとだー!むらだねー!」


「村に入る約束覚えてるか?」


「えとね!絶対マントを取らない!お兄ちゃんと離れない!」


「よし!いいぞ。えらいえらい」

頭を撫でてやると嬉しそうにしてて可愛い。


ようやく人里に着いたなぁ。

村の手前で馬を引きながら歩く。村って言うと失礼そうだけど町って言うと物足りない感じだ、木の塀で囲まれてて門番もいるし意外に物々しい。



「こんにちは、町に入るのにお金はかかりますか?」


「おいおい、こんな村にそんなものあるわけ無いだろ」

笑いながら話してくれる意外に話しやすい人だ。


「ありがとうございます。村に宿はありますか?」


「真っ直ぐ言って左に酒場と冒険者ギルドと宿が一緒になってる所があるからそこに行きな。」


「ありがとうございます。またわからない事を聞くかもしれないのでこれ受け取って下さい」


「おっ、銀貨かエール代ありがとな。わからない事があればまた聞けよ坊主っ」


「ヘルトです。よろしくお願いします」


「おう、ヘルト俺はダニーだまたな」



5軒程先に酒場兼ギルドあった。厩にも裏にあるので先に馬を停めておく。

スイングドアを開けて中に入ると昼間からエールを飲んでるガラの悪い人達と奥のカウンターに緑色の髪の綺麗な女性がいたのでカウンターに向かう。


「あら、可愛い子じゃない何しに来たんだい?」


「ヘルトです。ダニーさんに宿があるって聞いたので来たんですが二人部屋空きはありますか?後、厩に馬を停めてます。」


「私はタニタ、ダニーの紹介かい。なら1日銀貨1枚食事は別だけどいいかい?」


「じゃあ、一週間お願いします。ここら辺に鍛冶屋とか武器屋ってありますか?」

銀貨7枚渡し、それとは別一枚銀貨を渡す。


「いい子だね、鍵はこれ2階に上がって一番奥の左側だ。武器屋のうるさい爺さんは出て左に行って右側の一番奥だ」


挨拶をして部屋に行き荷物を下ろして二人で座る。


「リア、静かにしてて偉かったぞ。少し休んで鍛冶屋と服屋に行くが疲れただろうし寝てるか?」


「疲れてないよ!リアも行きたい!」


「なら一緒に行くか、これ食べるか?」

干し肉を3枚あげる。


リアの主人が多少お金持ってて小金貨6枚と銀貨40枚あるからこの村で少しゆっくりしようと思う。

俺は知識だけで頭でっかちだから迷宮都市に行くまでに人に慣れといた方がいいしな。

リアには奴隷以外の事を色々教えながら受け入れ先も探さないとなあ。オークの大量の武器の処分もしたりまあまあ忙しくなりそうだ。

ってか、リアの食い意地は本当に凄いな木みたいに硬い干し肉もう食べ終わってんのか。


「よし、リア行くかっ!」


「うん!」


タニタさんに教えてもらった通り真っ直ぐ武器屋に向かうと剣の看板の店が見えた。

スイングドアを開けて入ると壁という壁に武器があって、壁についた棚にも大量の武器がある。

店を見回すとカウンターの脇に鼻のでかい筋肉隆々の樽の様な爺さんが鞘を調整しながら座っていて鋭い目つきで一瞥してきた。


「何しにきた」


「少し見せてもらいます」


「ふん、勝手にしろ」


なんて人だろ、商売っ気が無いというか職人というかこんなので儲かるのか。


左側の棚にある片手剣を手に取る。やはり職人の武器は凄いな。僕が適当に作る物と全く違う。

情報開示したいけどバレたら滅茶苦茶怒られそうだよなぁ。


「おい!」

心を読まれた気がしてビクッと肩が跳ね上がる。


「腰に佩ているナイフを見せてみろ!」

睨まれたので警戒する。

「大丈夫だ何もせん早く貸してみろ!」

鞘ごと渡すとナイフを引き抜き食い入る様にみて一通り見終わると返される。


「ちょっとこっちにこい!」

返事も聞かずに奥に行ってしまう。


「おい!!早くこい!!」

この人は奥の倉庫に行くと山になった大量の石がある。

鋭い目つきで

「おい、ここの鉄鉱石から不純物を取り除け!」


「え?」


「嬢ちゃんはここに座って干し肉でも食ってろ!」


「え、じゃない!やり方は鉄鉱石から不純物を取り除くのではなく不純物から鉄を取り除くんだぞ!」


ええ!?ってか、リア早速嬉しそうに食べてるし!もう逃げられないだろ!しかも大量にもらってやがる!


てか、爺さんもういないし・・・


全力で食べてるリアを見て諦めて鉄鉱石の山の横に座りながら鉄鉱石を確認する。

大体鉄は4割ぐらいか。


「おい!魔力は強めに込めろよ!」

奥から怒鳴り声が聞こえてくるいちいち声がデカい。

もううるさいなあ!全力でやればいいんだろ!

ってか、出来ないと思わないのかよ!


悔しいから不純物が一切残らない様に全力で魔力を込め不純物から鉄のみを抽出する。

単純作業は嫌いじゃないからこの作業を延々と繰り返すと段々楽しくなってきた。

全力で魔力は込めるものの消費魔力は大した事ないので疲れは少ない。


チラッと見るとリアは何故か今度は果実水を飲んでる。


樽4個分終わった所で爺さんの叫び声が聞こえる。

「坊主!こっちにこい!」


店に戻ると「見て、いいぞ」と言われた。

これは情報開示していいのか?

チラッと爺さんを見るがまた鞘と剣のガードの調整している。

とりあえず興味のある武器から情報開示していく。

武器の構成要素と形をトレースして行く。

やはり、職人の武器は凄い。桁違いだ。


一通り終わり爺さんに話しかける。

「ありがとうございます。えっと」

「ダンだ、明日の朝また来い」


うん。凄い爺さんだな。


武器屋で時間取られ過ぎたのでまだ客のいない酒場に戻りタニタさんに銀貨一枚で夕食を頼んで座っていると大量に出てきた。


銀貨一枚は多いのか・・・。

俺もリアも世間を知らな過ぎるのが問題なんだよな。


美味くもまずくもない食事を食べながらギルドの受付を軽く見て少し考える。

最初は迷宮都市に入ってからギルド登録しようと考えてたけど、リアの為にすぐにでも登録したいんだよな、奴隷の扱いが分からな過ぎて難しい。


明日爺さんに聞いてみてるか。

「リア美味しいか?」

「うん!すごく美味しい!」

テーブルから頭だけ出してモリモリ食べてる。


とりあえず今日は爺さんに振り回されたけど爺さんのおかげで切り札が切り札として使える算段がついたのが大きいな。

多分としか言えないが田舎の割に武器が良質な感じがあるんだよな特注で武器も作りたいし生意気と言われそうだけど明日頼んでみようかな。


って、やっぱりリアは凄いなあんなにあったのにほとんど食べてる。

「お腹いっぱいになったか?」

「うん!まだ食べられるけどお腹いっぱいだよ!」


やっぱりリアは凄いな。

爺さんの所でもかなり食べてただろ。

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