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奴隷の子供



ーーガサッ



音を立てない様にナイフを抜き素早く身構える。


足音からするとゴブリン二匹か。

木陰から覗く。


まだ気がついてないな、一丁前に木の槍か。

10歩って所か、一気に距離詰めて殺すか。


「ダブル」


一気に飛び出し間合いを詰め、そのまま背中から心臓を突き刺し素早くもう攻撃態勢の一匹を見る。


突き出して来た槍を前に出ながら避けて首を裂きながら抜ける。


他の気配はないのを確認しながら息を吐き出す。

手間をかけたく無いから身体強化で一気に倒したけど必要無かったかな。


ゴブリンって倒しても意味ないから嫌いなんだよなぁ。

水魔法でナイフを流しながら一人ごちる。


「移動するか」


太陽の位置を確認して東へ歩くする。彼此、3日歩いたけどほんと何にもないよなあ。


干し肉を噛みながら昼まで歩いた頃に道が見えた。


やっと普通の道が歩ける・・・。もはや野生児だったから森を歩くのは当たり前だったけどやっぱり楽だからな。


一時間ほど歩くと先から叫び声と戦闘音が聞こえた。


傾斜の緩い道を駆け上がり視界が開けると同時にオークに一人やられるのと馬車の手前で子供が一人腰を抜かしてるのが見えた。


まずい

「トリプル」


一気に駆け抜ける。他にオーク1と男が横になってる。

間に合え‼︎


クソッ、オークが女の子に向け斧を持ち上げる。

地面が割れるほど強く踏み抜き飛ぶ。


そのまま空中ですり抜けざまにナイフで首を裂き切り滑る様に着地する。

ーーグッ、腹から喉にでる様な声が漏れる。

トリプルの反動がきつい。


もう一匹が一気に詰めて来て剣を横に凪払う。


伏せて避け、そのまま右にかける様に足を切りつけ。

そのまま反対に飛び出しオークのガラ空きの腹を切り裂く。

脂肪が多すぎて致命傷が与えられない。


一足飛びでさっきのオークの斧を拾う。

力押しでやるか。


「トリプル」


斧をの持ち手が軋むほど力を入れて両手で強化も含めて本気でぶん投げる。

オークが剣で多少反応するが少し軌道が逸れた程度で頭に突き刺さりそのまま首が折れて倒れた。


クソッ、反動で足と腕がやばい。


体が辛いが男が死んでるのを確認し、馬一匹死んで横向きになってる馬車の先を確認する。


唖然とした。

オークの死体が大量にあり奴隷の首輪をつけた獣人の男性が一人死んでいた。

まさか、一人でこんなにやったのか?


お母さんお母さんと泣く声が聞こえた。 


戻ると女の子が女性にもたれかかり泣いている。

ーードクン、

一瞬割れる様な頭痛でえずくきガクンと膝をついてしまった。

クソッなんなんだ。


「傷はないか?」

銀髪の銀の瞳の獣人の女の子は泣きながら首を振る。

この子も奴隷か・・・


すぐ移動しないと不味いので男の財布袋、大量のオークと獣人の武器などを素早く回収して指輪に収納していく。


女の子はいつのまにか後ろにいて

「お父さん」と泣いていた。

獣人の男の人はこの子の父親だったのか。


クソッ!!!もっと早く移動してたら母親だけでも助けられたかもしれないのに!

いつのまにか女の子を胸に抱き寄せて「ごめん、間に合わなくてごめん」と俺も泣いてしまった。



少しして、血の匂いで魔物が集まっても不味いので女の子に埋葬していいか聞き道の脇に地魔法で穴を開けて埋葬し。無名の墓標を作っておいた。


一緒に行くか聞き

「そろそろいくがお別れはいいか?」


「うん、お兄ちゃんありがとう」


「村か街まで乗せていこう」


一頭の馬は死んでいたがもう一頭は生きていたので準備をして、女の子にフード付きの俺のマントを着させてる。

前に乗せて抱える様に移動した。

一応乗馬は出来たが鞍と鐙無しは初めてだったが意外と乗れた。




夕方になってもまだ何も見えてこないので野営の準備と食事の準備をする。

馬車に食料や売り物の塩などがあったから回収しておいた物とボアの肉を使ってシチューを作る。


僕の胸ぐらいの身長の女の子を座らせてシチューが出来るまでまつ。


「君の名前は?」


「リアーナ」


「ならリアでいいかい?」


色々聞いてみた。

小さいし、薄汚れて、ガリガリだから6歳くらいだと思ったら9歳だった。

奴隷の人間の母と獣人の父がいてもう一人の男はすぐ殴るご主人様と言っていた。

お父さんは獅子の獣人で凄く強いんだよと言っていたからかなり強い戦闘奴隷だったんだろうな。一人で家族を守りながらオーク15体も倒すなんて普通出来る事じゃないからな。


シチューが出来たのでよそってあげる。

お腹をぐーぐー鳴らしながら

「食べていいの?」

って聞いてくるから熱いから気をつけて食べなと言ったが、一瞬で食べ切った。

もっと食べるか聞いたらもっと食べるというから足りなくなりそうだから堅パンと干し肉も大量に出してあげた。

こんな美味しいの初めて食べたって幸せそうに喜んでる。

奴隷の食事は想像出来ないな。村長の所にいた時よりひどそうだ。


なんか、大量に食べてるの見ると師匠の事を思い出すな・・・。


奴隷の事を師匠に詳しく聞いておくべきだったと後悔した。主人のいない奴隷の扱いや首輪の処理方法がわからないしリアに聞いても全くわからなかった。


当面、奴隷という事を隠しながらリアの受け入れ先を探して生活するしかないな。


リアはまだ鋭い牙で干し肉噛んでる。まだ食うのか。

堅パンはシチューにつけて食うと美味いぞと教えて残りの汁だけを入れてやる。


うーむ、僕自体子供の癖に子供の世話をする余裕なんてないがこのままに出来ないもんな・・・。

今日は地魔法使いすぎだけどもう少しだけ頑張るか。

普段はやらないが小さい風呂を作り、お湯を入れる。


キリが無さそうなので食事を終わらせて体を洗いなさいといい。

先生にもらった泡の出る木の実を潰して頭を洗い、子供っぽいから気にせず体も洗ってやる。

風呂が滅茶苦茶に汚れてるな。最後に頭から流してやり布を渡す。


綺麗にしてあげたら銀髪の頭の上に耳の生えた可愛い女の子になった。


そろそろ寝ようかと言って布を二枚敷き二人で横になるがずっとこっちを見ているので一緒に寝るかというと「うん」ていうから抱き寄せて寝かしつけてあげた。


師匠と出会った時を思い出してしまった。


オークがあんなにも大量に纏まっている事なんてあるのかと考えながら僕も寝た。

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