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二十話 愚神・外神③

遅くなって申し訳ありません……めっちゃ難産だった……途中で全然筆が進まなくなってめっちゃ困った……しかも文字数クッソ増えたし……


けれどまぁ、この話で今章ラストですので、多少はね?

「……『神造体』、それと『神造魔力炉』に関しては大体のことが分かったな」


 

 疲れが隠せていない表情のバラクエルは、はぁ、とため息を漏らした。


 『神造体』の性能は、一言で言い表すなら『非凡』、これに尽きる。腕力脚力走力持久力視力聴力反射神経等々、そのどれもがその能力に特化した種族と同等かそれ以上という規格外っぷりにはバラクエルも啞然とするしかなかった。


 そして、『神造魔力炉』。アディアとアリアの体内に生成されたこれは、最上級魔法を連発して息切れすらしないほどの魔力保有量と魔力生成量を誇っており、更には生成される魔力もより純度の高いモノになっている。それに伴い、瞬間魔力放出の方も増強されていた。今の二人が放つ『魔弾』(魔力適用法遠距離単体攻撃が基礎)の威力は上級魔法に匹敵するだろう。


 なお、体内に生成されたと言っても現体(マテリアルボディ)ではなく、幽体(スピリチュアルボディ)の変化なので、妙な臓器が増えたりはしていない。


 つまるところ、転生したアディアとアリアは、身体魔力両方に置いて非常識極まりない存在になっているというわけである。


 この事実にバラクエルは……内心で頭を抱えた。



(う、うーん。配下の能力が高いのは嬉しいっちゃ嬉しんだけど……それにしたってこれはなぁ……。いや、二人に何か問題があるとかじゃなくて、わたしが二人の主としてやっていけるかが不安なんだよなぁ……)



 今はまだ、バラクエルの方が強い。『九曜の大魔女』と呼ばれるほど卓越した魔法の腕。三年にわたって自分を襲撃してきた魔物や魔族を退けてきた戦闘経験。そこに魔王の秘法が加われば、彼女を倒すことが可能な存在は非常に少なくなる。


 けれど、アディアとアリアはそんなバラクエルに『基礎能力のみ』で迫っているのだ。無論、ちょっとやそっとの修行で抜かれるとはバラクエルは思っていない。けれど、年単位で修練を重ねたら……そのころにはもう、バラクエルは二人の足元にも及ばなくなっているだろう。優れた観察眼があるが故に、バラクエルはそのことをはっきりと自覚していた。


 けれど、『そんなこと』で双子を恐れたりするバラクエルではない。


 

(力で抜かれた途端、下克上……みたいなことにはならんだろうが、トップであるわたしが配下に負けるとかこう……魔王として示しが付かないではないか! ええい、こうなれば特訓だ! それしかあるまい! 鍛錬の量を増やし、苦手だからと疎かにしていた近接戦闘の方も磨いてだな……)


 

 配下の方が強くなる? なら、それよりも早く自分が強くなればいい! と意気込むバラクエル。こういうところからも人の好さが伺える魔王様であった。


 

「魔王様、残りの秘法の試しはどういたしますか?」



 自分の主が内心で更なる力をつけることを決心しているなど露とも知らぬアディアが、手を上げながらそう質問した。アディアとアリアの秘法は『神造体』と『神造魔力炉』以外に、まだ未確認のモノが三つずつ残っている。


 アディアが『神威』、『神話魔導:空』、『創造』。


 アリアが『神位』、『神話魔導:天』、『神智』。


 名前からは想像の付きにくい秘法たち。バラクエルの指示で『神話魔導』に関しては後回しにする事が決まっているので、それ以外の四つを確認しなくてはいけない。



「ああ、そうか。まだ残ってるんだったな……うん、ちょっと考えないようにしてたけど大丈夫だ。それらの確認もしてしまおう。あと、さっきも言ったが『神話魔導』についてはまた今度だ。お前たちに魔法を教える時に一緒にやるからな。それじゃあまずは……残っている秘法について、分かっていることを教えてくれるか?」


「分かりました。ではまず私から。『神威』は『その力に神の威光が宿る』で、『創造』は『望む万物を無より創り出す』です」


「ワタシの『神位』は『その力は神の位に在りしモノ』で、『神智』は『望む情報を瞬時に知る』ですわ」


「……言葉から推測するに、どちらも発動型の秘法だな。まずアディアの『神威』とアリアの『神位』だが、これはどちらも似た性質付与の秘法だと思う。魔力とはまた別の力による強化増幅、或いは特殊効果の付与を行えるようになる、といった感じだろうな。視線一つ、指先の動き一つに『魅了』が宿る淫魔族の『魅惑行動』が近いか……。ただ、『神の威光』だの『神の位』だの物騒な言葉が付いていることを考えると、どんな効果が付くか分からないのが怖いんだよなぁ……」



 と、頭を抱えながら言うバラクエルの懸念は、ものの見事に的中することになる。


 「取り合えずなんか適当に使ってみろ。規模は最小で」というざっくりとした指示のもと、アディアが右手の人差し指を対象に定めて『神威』を発動。すると、見た目には変化がなかったが、指の周りだけ『圧』が大きくなる。まるでそこだけ空間の密度が増したかのよう。


 アディアはその指を近くに木に「こつん」と軽くぶつけてみる。本当に触れただけの、表皮に傷を付けることさえ敵わないそれは、当たり前だが木を割ることも粉砕することもせず、半ば当然のように一瞬で壊死させた。より正確に言うなら、アディアが指を触れさせた場所から『黒』が侵蝕をはじめ、あっという間に木の全体を覆い、幹も根も枝も葉も何もかもを塵に変えたのだ。


 この結果に、張本人であるアディアだけでなく、側で見ていたバラクエルとアリアも驚愕の表情を浮かべた。



「……これは?」


「お、お兄様? 一体何をしたんですの?」


「わ、私にも良く分からないのですが……あ、でも、何となくですが、『神威』を使用した指や魔力に変わったところが無かったような……」


「……では、魔法が勝手に発動したとかですの?」


「魔力を消費していないので、それもないかと」



 自分でもうまく言葉に出来ないのか、あやふやな表現をするアディア。アリアと二人で困ったように首を傾げている。



(……強化でも、魔法でもない? じゃあ今アディアの指に纏わりついていた力は一体『何』に使われた? 身体能力を強化したでも、魔法のように何かしらの現象になったわけではない……となると、あの力が干渉したのはもっと別の『ナニカ』? うーむ、情報が足りないんだよなぁ)



 バラクエルも思考を働かせるが、答えらしき答えは出ない。


 そのまま三人で「うーん」と唸ること数分。



「うむ! 今は情報不足で分からん! なので考えるのは止め! 終わり! 次行くぞ次!!」


「「はい!!」」



 魔王とその配下は、考えるのをやめた!


 

「残りはアディアの『創造』と、アリアの『神智』だろ? ……なぁ、聞く限りだとこの二つもトンデモない感じなんだが……何が出来そうだ?」



 これまでのアレコレから双子の秘法に過剰な警戒心を抱いているバラクエルは、片手に防御魔法の準備をしながら二人に尋ねた。魔王様の脳内演算は、今いる森が大爆発で消し飛ぶという予測を叩きだしていた。


 「爆発……ふっ、よかろう。わたしの『六色の爆裂(ヘキサ・バースト)』とどちらが上か試してやろう」と何やら物騒な魔法をもう片方の手に浮かべ始めるバラクエルを後目に、自分の内に宿る秘法に意識を向ける。


 秘法を使う感覚を何となくであるが掴み始めているアディアとアリア。魔力とはまた違った力が自分の中に存在していると認識し、それを表層に持ってくるような感覚。


 熱いモノがこみ上げてくるような感触と共に、頭の中に秘法の使い方は浮かんでくる。


 アディアの『創造』は、『望む万物を無より創り出す』秘法。故に、何かしら望むモノがないといけない。


 アリアの『神智』は、『望む情報を瞬時に知る』秘法。故に、何かしら知りたいモノが必要となる。


 しかし、ここでちょっとした問題が発生する。


 アディアとアリアはつい昨日までスラム暮らしの孤児の身であった。贅沢とは無縁も無縁。『普通の』や『一般的な』と頭に付くような生活にも程遠く、貧乏や貧相を通り越して悲惨な生き方をしていた二人には、物欲や知識欲といった本能に基づかない欲がこれっぽっちも存在していなかった。


 故に、『望むモノ』と言われても何も思い浮かばないのだ。


 困ったアディアとアリアが「「望むモノ……望むモノ……」」と悩んでいると、ふと視線がバラクエルの方へと泳いだ。


 二人から少し離れたところで両手に一つずつ魔法を構え、アントイーターの威嚇時のポーズで警戒している魔王の姿を視界に収めた途端、二人の頭にまったく同じ思いが浮かび上がってくる。


 ――――この力を、魔王様のお役に立つように使いたい。


 まったく同じことを考えた二人は、視線だけで意思確認をすると、迅速に行動を開始した。


 

「アリア!」


「はい! お兄様!」



 まず動くのはアリア。兄の合図に元気よく答えた彼女は、そっと瞳を閉じて己の内に意識を集中させる。


 そして、そこに宿る秘法に呼びかけ、その権能を行使する。

 


「――『神智』よ、暴きなさい」



 その声と同時に開かれた真紅の瞳が妖しく輝きを放った。『外神』の大いなる力がこの世全ての情報を掌握し、望んだ知識をアリアに献上した。



「……よく分かりました」



 頭の中に流れ込んできた情報を全て読み取ったアリアはそうつぶやくと、さっと視線を兄に向けた。



「お兄様! 『渡します』わよ!」



 再度、アリアの瞳が輝き、今手に入れた情報の中で必要なモノだけを『闇属性魔法を使って』、兄へと届けた。


 いきなり使えないはずの魔法を行使したアリアに、バラクエルが「は?」と間抜けた声を上げた。



「……ッ! なるほど、了解です!」



 アディアは頭に直接情報を流し込まれる感覚に一瞬だけ顔をしかめるも、すぐに瞳を閉じて己の内の秘法に意識を向け、それを行使する。



「――『創造』よ、(うつろ)(うつつ)と化せ」



 その言葉が口にされた瞬間、アディアの側に今まで影も形もなかった『モノ』が、唐突に姿を現した。



「……は?」



 現れた『モノ』を見て、バラクエルがもう一度、気の抜けた間抜け声を上げる。


 それは、森の中という今のシチュエーションにあまりにも似つかわしくない『モノ』だった。


 華美にならない程度に装飾が施された艶やかな黒色のテーブルセット。テーブルの上には皿に乗ったパンケーキが黄金色の蜂蜜で飾られていた。その隣には、並々とコーヒーが注がれたマグカップに、ミルクと砂糖の入ったポットが置いてある。


 バラクエルは待機していた魔法を破棄しながら、あんぐりと口を開いた。森の中に今にでも午後の休憩と洒落込めそうな一式が突然現れたこと、そして……。



「蜂蜜たっぷりのパンケーキと、コーヒー……? どちらもわたしの好物……だと!?」



 それらが、自身の好みにぴったりと当てはまっていることに、驚愕を隠せなかったのだ。


 しばらく停止していたバラクエルは、ハッとして我に返ると同時に、残像が出るほどの速度で双子の方に顔を向けた。



「こ、これ……! お、お前ら! 何をどうしたんだ!? というか、なんで知って……!」


「ワタシが『神智』で探らせていただきました」


「そして、その情報をもとに『創造』で作り出したのがこちらです」


「「どうぞ魔王様、召し上がってください」」



 さらりと答えた双子は、笑みを浮かべてぺこりと一礼。寸分の狂いもなく揃った美しい礼と、二人の無邪気な笑顔に、バラクエルは毒気を抜かれてしまう。


 そして、無言でテーブルに着き、用意されていたフォークでパンケーキを切り分け、それを口に含んだ。


 

「あむ……むぐむぐ……ごくん。こ、これは…………味も触感もしないだと!? コーヒーは……こちらも味はない……しかも暖かくもなければ冷たくもなく、かといって温いわけでもない……え、ちょっ、まて!? 今わたし何を食べて飲んだんだ!? え!?」


「「……あれ?」」


「絶対に何かを口にして飲み込んだはずなのに、何一つ感じなかったせいで何を食べたのかまるで分からなかった……え、怖い。素直に怖いぞ……?」



 わなわなと慄くバラクエルに、きょとんとした顔で首を傾げるアディアとアリア。


 魔王様のために秘法を使いたい

 ↓

 そう言えば朝ごはんから何も食べてなかったよね

 ↓ 

 もうお昼過ぎだし、魔王様もお腹空いてかも……

 ↓

 そうだ、魔王様の好きな食べ物を調べて作れば良いんじゃないかな?


 ……という思考で『神智』と『創造』を駆使した双子。


 まずアリアが『神智』で『魔王様の好物』と『上流階級の茶会用テーブルセット』と『情報伝達の魔法』について調べ上げ。


 アリアから情報を受け取ったアディアが、それを『創造』で作り上げた。というわけだ。


 だが、パンケーキとコーヒーなんぞ食べたこともない二人は、姿形を完璧に再現すれど、味や触感にまで気が回らなかった。そうして完成したのが、魔王を恐怖に陥れた『名状しがたきパンケーキのようなモノ』と『名状しがたきコーヒーのようなモノ』である。



「……アリア、どうやら私たちの作ったものは、魔王様が食べるに相応しくない出来だったようです」


「……そうですわねお兄様。ワタシたちはゴミを創ったみたいですわ。とりあえず、魔王様に失礼なことをしてしまった処分を受ける前に、ゴミは処分してしまいましょうか」


「ええ、この世に欠片も残しません。最大火力の『魔砲』で芥子粒にしてやりましょう」


「「なので魔王様、少々離れていていただいてよろしいでしょうか?」」


「待て待て待て、落ち込んだ感じで気軽に破壊行為に走ろうとするな」



 魔王の様子から自分たちの行いが失敗に終わったことを悟った双子は、しょんぼりとした表情で物騒なことを言う。手のひらに魔力を貯め始めたのを見て、急いで止めにかかるバラクエル。



「ですが魔王様……魔王様にゴミを食べさせるなど、命を以て償う必要のある大罪。私への罰はもちろんのことですが、廃棄物をそのままにしておくわけにはいきません」


「魔王様に大変不快な思いをさせてしまい、本当に申し訳ございません……どんな罰でも受けますが、まずはその廃棄物を破壊させてくださいませ」


「ちょっとは破壊衝動を抑えようとしろ? な?」



 何が何でも『名状しがたきパンケーキのようなモノ』と『名状しがたきコーヒーのようなモノ』を破壊したいらしい。自分の失敗の象徴のような存在をそのままにしておきたくないという気持ちは察せたが、それにしても少し反応が過剰な気がすると、内心で疑問に思うバラクエル。


 しかし、その疑問もアディアとアリアの表情をよく見ればあっさり氷解する。眉は顰められ、口は僅かにへの字を描き、耳に朱が差している。それが示す感情は己の不甲斐なさに対する怒りと失敗に対しての羞恥。もっと簡単に言えば、目論見が上手くいかなくて拗ねているのである。


 子供らしからぬ真似をしでかしてばかりだった双子の、年相応な表情を見た魔王は、クスリと苦笑を漏らした。そして、徐に皿に残った『名状しがたきパンケーキのようなモノ』を口に放り込み、『名状しがたきコーヒーのようなモノ』でそれを流し込んだ。


 あまりにもあっさりと敢行されたそれに、双子は止めるために動くことも出来ず、ただ驚きの声を上げた。



「「ま、魔王様!?」」


「んくっ、んくっ……ごくん。……うわぁ、なんというか、人として決定的に間違ったことをしてしまったような気がしてきたぞ……? 一応食事という満たされるための行為をしたというのに、虚無感しか覚えることが出来ないとか……」


「じゃあなんでわざわざ食べたんですか!? お腹壊しちゃいますよ!?」


「ぺっ、してください! ぺっ!」


「わたしは目につくもの全部口に入れようとする赤子か何かか!? ……それに!」



 最後の言を強めの声音で放ったバラクエルは椅子から立ち上がると、双子の方に近寄ると、二人の頭に手を伸ばした。


 叩かれる――そう思ったのか、双子は反射的に目を閉じた。けれど、二人に訪れたのは衝撃でも痛みでもなく、優しく髪を撫でる感触。


 驚いて目を開けば、現れるのは悪戯が成功した子供のような笑みを浮かべた、バラクエルの顔。その瞳に双子が思っていたような怒りはなく、それとは真逆の慈愛で満ち満ちていた。



「――――お前たち、なんだその呆けた顔は。わたしが、配下の厚意を無下にして、気に入らなければ怒り散らすような狭量な魔王だとでも言うつもりか? ……お前たちがわたしのためを思ってアレを作ってくれたのは分かっている。ありがとうな」


「で、ですが、私は失敗して……」


「出来たのも廃棄物でしたし……」


「うん、あんまり廃棄物言うな? それだとわたしが廃棄物食べたみたいになるからな? ……って、そうじゃなくて。失敗? はん、最初から何もかも上手く行くなんて考えるなよ。なんだって初めは失敗するんだ。成功ってのは、失敗をいくつも重ねた先にあるものなんだぞ?」



 バラクエルは双子の頭を撫でていた手を離すと、指を伸ばして二人の額をちょんっと突いた。そして、浮かべる笑みを無邪気で明るい大輪の花のようなものに変化させ、さらなる言葉を紡ぐ。双子は今のバラクエルが纏う慈愛と威厳に満ちた雰囲気に完全に飲まれていた。



「だから、そう落ち込むな。今回失敗しても、また次がある。次失敗したらその次また頑張ればいい。焦らずにちょっとずつ上手くなっていけばそれでいいんだ。わたしはちゃんと待っててやるからさ。美味しいパンケーキ、期待しているぞ?」



 最後のおどけたように言ったバラクエル。その姿を無言で見つめていたアディアとアリアは――ぽろぽろと両の眼から涙を零した。



「うぇ!? ちょ、どうした!? な、なんで泣いている!? わ、わたしか? わたしが何かしたのか!? ……ハッ! も、もしかしておでこ突いたのが痛かったのか!?」



 突然泣き出した双子に、途端におろおろとするバラクエル。慈愛と威厳に満ちた姿はほんの一瞬しか持たなかったようだ。


 「治療魔法! 治療マホーウ!」とあわあわしているバラクエルにそうじゃないと告げ、涙を拭ったアディアとアリアはくすりと微笑むと、主に向かって胸に手を当てて深く深く頭を下げた。



「「仰せのままに、魔王様。これから精進させていただきます」」


「お、おう? ……まぁ、頑張れよ」


「「はいっ!」」



 少し戸惑った様子を見せたものの、バラクエルは優し気に囁き、頭を上げた双子と微笑みあうのだった。







「……ところで、魔王様」


「ん? どうした、アリア」


「いえ、ワタシの『神智』なのですが……ワタシとお兄様の秘法の性能をこれで先に調べておけばよかったな、と」


「「…………あ」」 

読んでくださりありがとうございます!

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