表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

プロローグ

 私は何処へ向かっているのだろうか。

 歩いているのだろうか、それとも走っているのだろうか。

 飛んでいるのだろうか、それとも落ちているのだろうか。

 あるいは何か得たいの知れないモノに呑み込まれているのだろうか。

 そのどれもがそうであるようにも思われるしそうでないようにも思われる。


 そもそも此処には光がない。

 そもそも此処には音がない。

 そもそも此処には臭いもない。



 そんなわけのわからぬ此処だ。


 こんなわけのわからぬ此処で私はいったい何をしているのか。


 こんなわけのわからぬ此処で私はいったいナニモノなのか。



 私にあるのはただただ漠然とした、例えるなら直感のような、思い込みのような、確信のような数少ない情報だけだ。


 私は何処かへ向かっていたのだということ。

 私であったものは私ではなくなりかけているということ。

 私には使命があり、その為にナニモノかにならなければいけないのだということ。


 永遠のような、一瞬のような時の流れに身を委ねるうちに。

 暗闇の中の私は、朝日のような灯りを見付ける。


 吸い込まれる。

 吸い込まれる。

 吸い込まれる。


 落ちていく。

 堕ちていく。

 墜ちていく。


 私はそのかけがえのない救いのような灯りが

 何故だか無性に怖かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ