表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

締まらない宣言

本当にお久しぶりです!作者のweed0eです。

最近かなり忙しくなり投稿が遅くなりました。

本来ならストックを二本くらい作ってから投稿しようと、当初考えていましたが無理でした(泣)


ですので次回がいつ投稿できるかわかりませんが次回も投稿出来るよう頑張ります!


と、今回の話の前書きで次回の話をするのも可笑しいですね。

では4話目です!どうぞ!

 寿丞の予想通りな内容。

 それは。


「玄獣が攻めてきた?」

 それは大方、寿丞の予想通りであった。

 しかし、その先が予想外であった。


「ロッキーとその上位種⁉しかも500体⁉」

 寿丞の大声に夕南がビクリと反応する。

 それに対して謝意を示すと、話を続けた。


「結界は?結界の前に集めてまとめて倒せば良いんじゃないのか?」

「その結界に異常が。というより結界が消えたんだよ」

「……おいおい、なんだよそりゃあ」

 結界が消える。本来、このリューン地区を覆う特殊な結界に、そういう事は起きない。

 例え術者が病気であったとしても効力が消えることがない、長のみが使える特別な結界。

 消えるのは術者が死んだ時。

 しかし、不知火は生きている。


「だからこそ異常事態なんだ」

「……それで俺に話が回って来たのか」

 寿丞も師匠である朧月と同様に、玄獣を狩ることを生業としており、その実績もありアシュワーク魔導技術学園への入学が決まったのである。

 その為、寿丞が率いる少数精鋭部隊すらある。


「あぁ、そうだ。学園に行くお前を頼るのもと思ったが」

「いいさ。ここは俺の故郷だ。こんな危機的状況を見逃せるかよ」

 そう告げた寿丞。

 その顔に迷いはなく、やる気に道溢れている。


「すまないな」

「気にするな。案内してくれ」

「にぃ?」

 すぐさま向かおうとする寿丞に夕南が話かけた。


「……どこか行くの?」

「あぁ。仕事になってしまってな」

 申し訳なそうに告げると、夕南は寂しそうに俯きながら呟く。


「……やだ」

「俺も正直行きたくねぇ」

「なら?」

 行かないと言う選択肢をとるのか と希望に満ちた表情を見せる夕南に、目線を合わせてあやすように話かける。


「でもな、もしここで何もしなかったらみんなが危険になる。……それにお前もな。俺はさ、夕南。お前を守りたいんだよ。みんなも含めてな」

「………やだ」

 寿丞の発言を聞いて少し悩むも拒否する発言をした夕南。


「……大丈夫だ。すぐ戻る。約束だ」

「……約束破ったら?」

「その時は夕南の好きにしてくれ」

 そういうと立ち上がり、夕南を抱き抱えてから白蓮に話かけた。


「百蓮。行くぞ」

「あぁ。」

「風魅。夕南を預けて参戦してくれ」

 この中で、夕南が最も信頼を寄せるのが寿丞だが、その次に信頼するのが風魅である。

 寿丞が抱き抱えてる状態から風魅に預けると夕南はしがみつきながら寿丞の方を見つめる。


「さて、行くか」

()は用意してある」

 白蓮が寿丞にそう告げると、寿丞は頷き、風魅の方を見る。

 いや、正確には夕南の方を見た。

 そして、風魅に近づくと夕南の頭をわしゃわしゃと撫でる。


「行ってくるぜ」

 こう言い、にかっと笑う。

 夕南は微かに笑うとこう言った。


「いってらっしゃい……にぃ」





□□ リューン地区の居住区の外部出入口 ■■


 リューン地区に入る為に作られた3つの大きな出入口の一つであるこの入り口。

 いつもならリューン地区へと物見山に来る者などで溢れかえっているここも、非常事態宣言が出されたことで物見山客は一人としていない。

 その代わり五芒星の刺繍が織り込まれたコートを着た集団が集まっている。

 その集団の先頭に一人の男が立つ。


「この危機的状況に、集まってくれたこと。感謝する」


 その男は先ほど寿丞を呼び出した、白蓮 その人である。

 五芒星のコートの集団。虎楼組ころうぐみの白織衆を束ねる彼が言葉を発するとざわついた空気が一新される。


 彼が束ねる白織衆は強者が集まり、一目置かれる集団であり、このリューン地区では知らぬ者など皆無とされるほど有名である。

 普段ならば彼らを一目見ようと人でごった返すが非常事態により、皆避難所へと隠れている。

 寿丞が溺愛する夕南もそこにいるはずである。


「このリューン地区の長であり、オレの父である不知火が存命にも関わらず、結界が消え謀ったかの如く玄獣が大量に押し寄せた。だが我々は誇りある強者つわもの揃いの街、リューン地区の住人だ。こんな困難すらもはね除け、我々を支える技術者や民を守ろうではないか!」


 長の息子たる悠然とした言葉は集まった部隊員、総勢200人の心を一つにした。


「そしてもう一人、我が友にしてリューン地区が誇る朧月が弟子、ヒデツグにも一言貰いたい」


 背中に白の五芒星の刺繍を施した黒いコートを着た寿丞が白蓮の横に並び立つ。

 そして少しニヤっとしながら話出した。


「紹介された寿丞だ。まぁ、長々と話すつもりはない。長話なんて敬愛する不知火さんの有難い説法だけで十分。そうだろ?」


 そう問いかける寿丞の言葉にちらほらと笑い声が上がる。

 その光景を数秒、ニヤリとした表情で見た後、表情を引き締めた。

 周りも寿丞の姿を見て、気を引き締めたのか笑い声がピタリと止む。


「俺はこの街が大好きだ。皆も知っている通り、俺は表界からこの裏界に来た。最初は師匠と不知火さんに拾われ、色んな事を教わり、色んな人達と触れあって来た。その中で家族の、そして友達の暖かさを知った。だからこそ俺は胸を張って言える。このリューン地区が俺の故郷だと。そして故郷であるこの街を守りたい。皆もそう思うだろ?」


 その言葉に、集まった群衆から同意の言葉が上がる。


「だから戦おう。そして守ろう。この故郷を」


 歓声が上がる。そして寿丞はリューン地区に向かう500の玄獣に向き合い、宣言した。


「でもって、玄獣ども。俺のかわいい妹に手を出したら。百万回死んだって許さねぇ。覚えておけよゴラァ!」


 と、締まらない宣言をした。

 その発言に風魅は頭を抱えたとか抱えなかったとか。


「行くぞ、ロッキー殲滅作戦。開始だ」

いかがでしたかね。

楽しんでもらえたのならいいのですが……

次回はバトル展開を予定しております!

ロッキーやその上位種との戦い。ロッキーとはなんぞや?みたいなのを書いて行こうと思います。

2話冒頭でさらっと触れた力も出てきます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ