SPY
いつも通りのTwitterの産物です。
気づいたら、7000字超えてた……。ちょっと長めですが、読んでいただけたら幸いです。
「次に赴くのはここだ。」
上官から次の任地を言い渡された。
敵国の激戦区。年端もいかない子供が前線にさらされているような劣悪な環境。
そこにスパイとして送り込むには大人よりも、同じ年端もいかない成人していないの俺のほうが適任だというのが上の見解なのだろう。
なんとも思わなくなった。
スパイとして戦場に送り出されるようになってもう何年になるだろうか。
各地で人を裏切って、信頼している体を見せた仲間だと言ってくれた人間を殺して、いつしか俺の心の中は真っ黒になっていた。
精神崩壊しないよりはましか。人を裏切ることも、銃の引き金を引くことも、何とも思わなくなったって考えたら。
「拝命し……」
了解の意を辞令を見ながら示そうと思って口が止まった。
任地、リゼッタ。
俺の生まれ故郷だ。
ここに、送り込むのか?あろうことにも俺をこの街から、アイツから引き剥がしたお前らが?
「どうした、シグ。」
上官が様子を伺った。顔色なんて見なくてもわかる。面白がっている。
俺は顔色を変えずに、上官のほうを見た。
「いえ、失礼しました。拝命します。」
淡々と言うと、上官はさして面白くもなさげに、下がれと命じた。
上官室を出て、俺は忌々しげに舌打ちをした。
リゼッタ。
決して大きな街ではない。治安も悪いし、賃金も安い。
でも、俺が好きな街だった。心が真っ黒になってしまった俺の中にある、唯一の思い出が詰まっているから。
「……仕事、だ。」
あの街に帰るわけじゃない。アイツに、会いに行くわけじゃない。
絆されてはいけない。
「……、アイツを守るためだ。」
俺は被っていた帽子のつばをぐっと下げた。
***
「シグ…だよな?」
再会はすぐだった。彼にとっては恐らく迎えたかったであろう、俺にとっては迎えたくなかった再会。
「……久しぶり。ファラ。」
何年振りかの再会に、ファラはポロポロと泣き出した。
ああ、変わってないな。
自分より一回り小さい体、大きな目、茶色い髪、ちょっと童顔なところ。
よく笑うけど、本当は泣き虫なところ。
俺が大好きなファラだ。
「おま、どこ行ってっ……」
「…盗みがばれたから労働更生してたんだ。ごめんね。ファラには何も言えなかったんだよ。」
俺とファラはスラムの生まれだ。
両親の顔もろくに知らなくて、小さいころから盗みを働いて食いつないでいた。
俺は体があまり丈夫なほうではなかった。風邪をこじらせては寝込んでいたし、体力もあまり持ち合わせていなかった。
だから、盗みを働いていたのはどちらかと言えばファラの方だったのだ。
『大丈夫だよ、シグ。おまえの分も俺が持ってきてやるから。』
『でも……』
俺が申し訳なさそうにファラを見ると、ファラは頭を撫でてくれた。
『シグ、お前の仕事は?』
『っ…かぜを、なおすこと、』
そう言うとファラは満足そうに笑って出て行った。
「ファラがいないときにね、いろいろあったんだ。」
「……体は?体調は大丈夫なのか?」
年を取ってから、風邪をこじらせることはなくなった。が、体が強くなったわけではない。
生活環境が改善され、大事に保護され、諜報部として仕事をするようになったから風邪をひくことがなくなっただけだ。
「風邪はひかなくなったよ。大丈夫。」
そう笑って言うと、ファラは安心したように微笑んだ。
「でも、今日からここで……」
「招集がかかったんだ。僕ものんびり内職ってわけにいかない状況でしょう?」
俺がそう言うと、ファラは悔しそうに眉間にしわを寄せた。
「ファラこそ、軍にいるなんて思っていなかったよ。」
「商売向きじゃないからね、俺は。体力だけが取り柄だからさ。あの後軍に入ったんだ。」
この街を守りたくてさ。
ファラは嬉しそうに笑った。
「この街守ってたら、シグが帰ってこれるだろう?また一緒に暮らせるだろう?だから、軍人になったんだ。」
ああ、痛いなあ。
この眩しさが、笑い方が、言葉が、今の俺には痛かった。
やめてくれよ、そんなこと言われたら、揺らぐ。
「でも、タイミングが悪かったなあ。ごめんな、シグ。お前まで戦場に出すようなことになるとは思ってなかったから。」
「親みたいだよ、ファラ。」
俺は苦笑した。痛みを隠すように。
「でも、また同じ部屋に住めるからさ。結果オーライでしょ。」
「え、同じ部屋なの…?」
ファラがきょとんとした顔になった。
「今日、入隊届と入寮届出したら、ファラと同じ部屋だって言われたよ。」
俺がそう言うと、途端にファラの顔がほころんだ。
***
リゼッタの部隊はファラを中心に明るかった。
「お前がシグか。ファラがしょっちゅう話していたぞ。」
いろんな人が俺に声をかける。
「目つきが悪いけど、すごい美人だってな。」
「えっ…」
「ちょ、やめろよ!!」
ファラが慌てて兵士を止めにかかる。
「恥ずかしいだろ!?」
「何だ、ファラ。照れやがって。」
「確かに美人さんだなあ。」
ファラと俺の周りに人が群がった。
「そんなこと……」
「おい。」
突然、低い声が聞こえた。
振り向くとそこには、少佐のバッジをつけた男が立っていた。
ここの指揮官だ。
「新入りか。」
「はい、シグと言います。」
「……ずいぶん細いな。」
少佐が下品な笑みを浮かべた。
どう取り繕うか、瞬間的に思考して、口を開こうとした時。
「文人なんです。」
ファラが真面目な顔で俺の横に立った。
「文人が細いのは当たり前でしょう、少佐。」
「…そうだな。せいぜい死なないよう気をつけろ。」
辺りがシン、とした。
「ファラ。あの……」
「美人で商人だと人当たりがいいから、慰み者にされやすい。」
悪寒が走った。そんなことが行われているのか。
「だから、新人は文人だと言うようにしている。文人は諜報部や参謀補佐に回されるからな。」
ファラがに、と笑った。
「そうすれば、お前は前線で戦わなくて済む。でも一緒に戦える。」
周りにいた兵士もそうだ、と口をそろえた。
「……ありがとう。これからよろしく頼むよ。」
俺も口角を上げた。
***
ファラは優秀な兵士だった。
1つ小隊を任されていて、機動力に長けていた。
戦闘がない日も訓練は欠かさなかった。
俺は、ファラの訓練をずっと見ていた。
「シグ、訓練見たところで何も面白くないだろう?」
「いや?そうでもないよ。兵士の動きなんて滅多に見られるものじゃないからね。」
訓練を見る機会は滅多にない。それは事実だ。
これもスパイの仕事の一つだ。
「諜報部の幹部が褒めてたよ、シグのこと。」
ファラが笑ってそう言った。
「褒めてた…?」
「頭がよくて、飲み込みが早くていい仕事をするって。」
嬉しそうなファラにまたちくり、と痛みを覚える。
「へえ。それは嬉しいな。頑張らなきゃね。」
何もなかったように、笑う。
「俺も負けてられないなあ。」
「……ファラは、本当に変わらないね。」
気づくと、俺はそんなことを呟いていた。
「シグ…?」
「ああ、いや。安心しただけだよ。」
俺はにこり、と笑った。
「ファラが何も変わらない、明るくて人気者で優しいままで。本当によかったな。」
「……俺もよかったよ。シグが変わらない、俺の知ってるシグで。」
俺はファラの言葉に虚を突かれた。
「かわら、ない?」
「変わらないだろう?見た目もそうだけど、優しくて頭が良くて気配りができる。何にも変わってないよ。」
俺の大好きなシグのまんまだ。
「良かった。死ぬ前にシグにもっかい会えて。」
そう言ったファラは笑ってるけど、どこか悲しそうだった。
「ファラ…」
俺はそんなファラに何も言ってやることができなかった。
***
『近況はどうだ。』
「めぼしい情報は何も。近々南東部に進軍する予定だと」
『愛しの幼馴染には会えたのか。』
ピッチの向こうで自分の上官がにやにやしているのが容易に想像がつく。
俺は眉間にしわを寄せつつ、平静を装った。
「いいえ。会えてません。」
上官を騙すなど、派遣先での裏切りよりも容易なことだ。上官は会えるといいな、と皮肉を返した。
「…また何かありましたらご連絡します。では。」
ピッチを切ってふう、と息を漏らした。
「誰かと、連絡とってた?」
ふと背後から声をかけられて、俺は肩を揺らした。
「っ……ファラ、か。」
全く気配に気づかなかった。俺は小さく息を漏らした。
「シグ…具合、悪そうだぞ?」
ファラが近寄って俺の額に手を当てた。
「っ…大丈夫、だ。」
何でもないよ、と笑った。
「…無理しちゃ、ダメだからな?」
ファラが頭をぽんぽんと撫でた。思わず俺は俯いた。
「……っ、気をつける、ね。」
「何かあったら言えよ。」
部屋の向こうでファラを呼ぶ声が聞こえた。
「呼ばれてるよ。」
「あ、ああ。今行く。」
ファラは再度俺の頭を撫でてから部屋を出て行った。
「……っ……」
俺はその場にしゃがみこんだ。
「ほんと……来るんじゃなかった。」
この地の結末は見えている。これから、俺が所属する部隊が奇襲をかけて殲滅作戦を実行する。
俺のことを陰でいろいろ言っている上官も、それを庇ってくれる兵士も、よくしてくれる人たちも……ファラも、殺される。
「普段なら…こんなことない、のに。」
何の情もわかず、ただ任務を遂行するのに。
ファラに名前を呼ばれて、優しくされるたびに自分の真っ黒な心を綺麗にされているような気がして。
”人間”としての感情が取り戻されているような感覚になる。
「ごめん……本当に、ごめん、」
***
『お前、俺に嘘ついたろ。』
リゼッタでの滞在は思いのほか短く、作戦の実行日が言い渡されたのは割と早いタイミングだった。
「なんの、ことでしょう。」
『幼馴染。』
ねっとりとした声で放たれた単語はこの世界で俺が唯一守りたいものを指していた。
「……作戦には関係ないかと。」
『お前は本当につまらない男だなあ。まあいい。実行日が決まった。』
明日だ。
連絡と実行日の間隔が短い。普段あまりないことに俺は少しだけ驚いた。
「……随分と早いんですね。」
『連絡が遅くなったことは詫びるが、いろいろと事情がある。作戦は予定どうり”A”でいく。いいな。』
作戦A。皆殺しを示す。
「ラジャー。」
『あ、そうそう。』
わざとらしく思い出したかのように上官が話を続けた。
『お前がかわいくて仕方がない幼馴染だが……あれはお前が殺せよ。』
危うく息を呑むところだった。
「……なぜ、でしょう。」
ファラは一介の兵士だ。高い階級でもなければ、注意すべき人物でもない。
なのに。
何故、そこだけ指名しなければならない。
『何故?命令に理由がいるか?』
上官の口癖だった。俺に対してそう言うということは、ただの嫌がらせにすぎない。
「…ラジャー。」
俺は低くそう告げて一方的にピッチを切った。
「……くそが。」
そして、小さく吐き捨てた。
***
その日の晩。
なかなか俺は寝付けなかった。
睡眠はとってもとらなくてもいいような体だが、ファラがうるさいのでここ最近は早めに寝ていたのだが。
どうも寝付けない。
いや、理由はわかりきっている。
わかってはいるのだが。
「シグ……?」
電気もつけずに窓からぼーっと月を眺めていたら、訓練から戻ってきたファラが声をかけた。
「ああ、お帰り。」
「どうした?明日も早いからもう寝ないと。」
「いや…寝付けなくて。」
俺は苦笑した。
「……誰かに何か言われたか?」
「ううん、何も。ファラは心配性だね。」
俺は笑った。
「当たり前だろう!お前に何かあったら困る。」
ファラは至極真面目な顔でそう言った。
「親みたいだよ、だから。」
俺はまた笑った。
「なんだよ、心配してるんだ俺は。」
あまりにおかしくて暫く笑っていると、ファラは拗ねてしまった。
「ごめんごめん、ファラ。拗ねないで。」
「拗ねてない。」
ファラがそっぽを向いた。
俺はファラがいつもしてくれるように、頭をぽんぽんと撫でた。
「な、なんだよ……。」
「いつも僕にしてくれるだろう?お返し。」
俺が笑ってそう言うと、ファラの顔が赤くなった。
……こんな、顔もするのか。と思った。
「シグは、この数年幸せだったか?」
唐突にファラが尋ねた。
「え……?」
「俺はね、地獄だった。シグがいなくなって、街中探してたところに警備隊が俺のところに来て、軍に連れていかれたんだ。俺は、俺の意思じゃなく大人の都合で軍人になった。」
最初に会った時に言ってたことは事実じゃなかったのか。
俺は驚きもせず淡々とそう思った。
「訓練もきつい、大量の飯を食わされて、それでも俺は大きくならなくて何度か叩かれてさあ。地獄だった。けどね、お前がもっと辛い思いをしてるんだとしたら、ここで負けてられない、って思ったんだ。」
ファラはこちらを見ていつものように、にっと笑った。
「頑張って生きて来てよかった。ちゃんとシグに会えたから。」
それはまるで、遺言のようだった。
「やめてよ……死ぬみたいじゃん。」
「あー、そうだな。ごめんごめん。で?」
シグは幸せだった?
その質問にどう答えようか、俺は逡巡した。
「幸せ……ではなかったよ。」
だって俺はあの時、"人間"じゃなくなってしまったのだから。
***
その日も、ファラにいつものように絶対安静を言い渡されて横になっていた。
すると、家の戸をドンドン、と叩く音がした。
ファラは帰ってくるときは、戸を叩かない。
誰だろう?
そう思っていると、戸が蹴破られた。
『いたぞ、おい。』
そこに入って来たのは警備隊。
『コソ泥は貴様か。』
『なんだ、ひょろっこいぞ。』
警棒を片手に2人のガタイのでかい男が俺が横になっていたベッドに近づいて来た。
『泥棒なんて…してない。何の用ですか。』
声を震わせながら、俺は彼らを睨みつけた。
何の効果もないということは心のどこかで分かっていた気がする。
『おーおー、睨みつけて来たぞ。よく見ると美人だなぁ。』
『おい、これ、例の件いけるのでは?』
美人だと言われた瞬間、悪寒が走った。嫌な予感がする。
『お前、いつも一緒にいる相方は?』
『……誰、ですか?』
『しらばっくれたら、そいつを殺すだけだ。』
あの当時はそんな安い脅しに対抗できる語彙力なんて持ち合わせていなかった。
『……ここには、いない。』
『お前らには窃盗の罪がかけられてる。わかるか?盗みの罪だ。処罰が重い罪だ。』
後からわかったことだが、リゼッタには子供に重罰を与える制度はなかった。これも脅しだということに気づいたのは、敵国の諜報部に配属になった後だった。
『……何が、言いたいんですか?』
『…お前をリゼッタから、この家から出て俺たちと一緒に来るか、あの相方を殺すか、2つに1つだ。』
俺がここからいなくなるか、ファラがここからいなくなるか。
どのみち、もう一緒にはいられない。
『聞くまでもないですね。僕がついていきます。』
俺はベッドから降りた。
『聞き分けのいい子供は嫌いじゃないな。』
下品な笑みを浮かべた警備隊は俺の腕を掴んだ。
***
その後に連れていかれたのはスパイ養成学校だった。
そこで待っていたのは地獄だった。
膨大な量の言語を覚えさせられ、数学、物理、歴史、様々な科目を教えられる。
学問だけじゃなく、縄抜けから所謂ハニートラップまで何でもさせられた。
死にたかった。
飲み込みが悪いと鞭を振るわれ、殴られた。飯を抜かれることがあった。
何より。
『お前じゃなくて、あの幼馴染を連れて来るべきだったか。』
この言葉が何よりも応えた。
ファラには……こんなことさせたくない。
気づいたら、諜報部に配属になっていて、気づいたらスパイになっていた。
学校での数年とスパイになって数年。
何をされても、何をしても何も感じなくなった。
ふとした瞬間に、思う。
俺はもう、ファラと同じ"人間"じゃあなくなったのだと。
そう思うと、なぜか無性に泣きたくなった。
***
夜が明けた。
作戦実行日になった。俺が任されたのは、作戦室の殲滅。
こんな餓鬼に、上層部を潰せなどと無茶を言う。
銃に弾を詰めて、作戦室へ向かった。
「遅いぞ、シグ。」
「すみません。」
いつも通りの挨拶を交わす。
「今日の任務は……」
いつも通りのミーティングが始まった直後だった。
外から、銃声が響いた。
始まったか、と心の中で呟く。
「何だ!?何事だ!」
作戦室にいる幹部も突然のことに動揺する。
刹那。
ぱあん、と乾いた音が数発。
俺の左手には銃の姿。
「なっ……シグ!」
「すみません。仕事なので。」
淡々と幹部に銃弾を撃ち込む。
丸腰の彼らを、何の情もなく殺していく。
気づくと残ったのは少佐だけとなった。
「……気づきませんでした。貴方だったんですね。」
彼は、俺を敵国に売った警備隊の男だった。
「やめ、」
「あの時はここと我が国は和平協定を結んでいた。人身売買で今の地位を得た、と。」
「おい……やめ、」
「ファラを軍に引き込んで痛めつけた罰だ。地獄で償ってろよ。」
俺はそう吐き捨てて引き金を引いた。
***
煙と肉の焼けた酷い匂いがする。
久しぶりに諜報部の軍服に袖を通した。
真っ黒な、軍服。
これを着ると、自分の心を無にできる。
これを着ると、自分が裏切り者だとまざまざと突きつけられる。
「……さて。」
俺は銃に弾を2発だけ込めた。
1発はファラを撃つ用。
もう1発は。
その確認をして、ふと本で読んだフレーズを思い出した。
"スパイは命を落としてはならない。"
あの本、好きだったなぁ。と場違いなことを考えた。
あれは確か、スパイが死んだら、矛盾が起きてしまう。と言うような意味合いだった気がする。
俺にその心配は無用だった。
スラム生まれは戸籍が存在しない。軍所属の記録も捏造されているから、公式な記録に俺の名前はない。家族もいなければ、敵国に知り合いも存在しない。任地先でも名前を変えていた。
"シグ"という男は、記録上存在していないのだ。
だから、何も問題ない。
問題があったとしても敵国には何の思い入れもない。敵国内に親しい人間もいない。
1つだけ、懸念事項があるとすれば、ファラだろう。
"死ぬことになっている"ファラに何もなければいいが、恐らくはその心配も杞憂に終わるだろう。
「……俺も、死ぬ前に会えてよかったよ。ファラ。」
頬に何か冷たいものが伝った気がした。
帽子を被って目的地へとゆっくり歩き始めた。
こつ、こつという靴の音がカウントダウンの合図のような気がしてならなかった。
Twitterでフォロワーさんとのリプの応酬でできた産物です。
ファラの立場でTwitterでは喋っていたので、今回はシグ目線でのお話。如何だったでしょうか。
この続きが気になる方はTwitterへ。光織さんが漫画にしています笑笑
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。