思い出
幸せな時はすぐに終わりを迎える。
そこは暗く湿った場所だった。いや、湿っているのかもわからない。とにかく何も見えない。何も聞こえない。ただ全てを飲み込む闇だった。
僕はどれだけの時をそこで過ごしたのだろう。初めはがむしゃらに叫び、走り、手を伸ばした。繰り返し、繰り返し、繰り返し。いつからか僕はそれを辞めた。諦めたんだ。どんなに望んでもそこから出ることは叶わないと。
・・・
その時は突然来た。一筋の光が差し込む。久しぶり、と言うには長すぎるほどの光の眩しさに、思わず目が眩んでいく・・・。
「あった!!」
「もう30年も前に埋めたのによく見つかったなぁ。」
「あー、懐かしいなぁ。当時の宝物を入れたんだっけ?」
また、幸せを見つけた。