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ラクリマの群青  作者: 日輪猫
平穏だった日々へ
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No.1 Meritocracy social virtual reality

 


───2061年 8月1日


 仮想世界の開発がより中心的になった2020年を境に急激な発展を遂げ、今や世界中のどこにいる人でも全感覚を別世界に託すことのできるこの世界は今日、革新的な政策を実行した。


「メリトクラシー社会完全化への人類厳選」


  メリトクラシー的社会。要するに身分などは一切関係なく、実力、才能、業績などによって地位が確立される社会の中で暮らす人々を


 ゛厳選しながら減らしていく゛


 ための政策である。


 なぜ減らしていかなければならないのか。

 それには深い訳があるが、予想を遥かに上回る人口爆発が1番の原因である。

 これにより、一つの事業への人手は増えたはいいものの、食料問題や、住居問題などのデメリットが増えすぎたのだ。


 そのため、この政策は約5年ほど前から実行が予定されており、世界中の先進国だけでなく、発展途上の国までもがその政策に協力するほどの1大プロジェクトだった。


 その政策を実行、成功させる為に、戦争が一時休戦になった国もあったという。


 普段ではありえない様な事が起こりうるほど、現在の地球は大変な事になっていたのだ。


 しかし、今の段階ではその政策に選ばれるのはただの一般人ではない。


 各国の政府によって選び尽くされた

 ゛現代社会にとって無価値な人間゛だけである。


 その選び尽くされた無価値な人間。ようするに引きこもりやニート、不良などの人々はそれに選ばれたが最後。

 もう逃げ道などは残されていない。

 たった一つを除けば。



 メリトクラシー社会的仮想現実

(Meritocracy social virtual reality)

 通称MSV


 行き場のなくなった無価値な人間の転送先。

 現代科学を最大限に駆使し、作られた仮想世界。それらは増えすぎた人口を減らすには打ってつけの場所だった。


 選ばれた無価値な人々は政府からの関係者により、麻酔を打たれ、施設へ連れられ、ワールドへ移すためのカプセルへ入れられる。

後は、放置しておけばいつの間にか死んでいる、という楽々な計画だ。

 また、MSVのワールドは一つだけではなく、複数個存在する。その方が管理がしやすい為だ。


 そんな世界から抜け出すにはそのワールドのミッションをクリアし、自分の価値を示すことのみ。


 制限時間はその世界に入ってからの10年間。


 それまでにクリア出来ないのであれば現実の世界を2度と目にすることなく消されていく。

 これは、そんなコンテニュー不可、初見殺し必須の鬼畜な世界で


 生き抜こうとする者達の物語である。



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