33.式神の章
神獣とともにて式神をも生まれたり。種は火、水、木、聖、邪。彼ども、神の作りし写しより生まれ、その姿いと車輪に似せし。
それにて変化せし5つは初めこそ神への服従完全ありぬ。されど、時過ぎれば変化せし者、自我ぞ宿りて彼らの服従不全と移りたる。その力、神の半ばを行きて、他の神、彼らを式神と呼ぶことととしたり。
その頃、並行なる世界の囲いる結界、高き熱に劣りて、破壊を初める。だが、地の神、地に視を奪われ、しはまし気付かず。そして、気付く頃には中へとマグマしたたり、世界樹炎に染まる。さらにて、侵す者中に現れ、世界を荒らす。生物全てを見れば樹より生命を受けしため動かぬなり。さらに、人見れば、食無くなりて絶滅危うくならん。
これ見て、5の式神、神の判断無しにモノリス潜りて並行なる世界へと下りたり。彼ら、火と邪は侵す者凌ぎ、水は染まる炎を脱し、木は樹を戻し、聖はマグマの侵すを凌ぎらぬ。これに乗りて、神も彼の世界へと潜りて、同じことをせし。さすれば、すぐにて並行なる世界は静まりし。
この時より、神は彼の世界火、水、木、聖、邪に任せりぬ。彼ら、それを喜して受諾し、今もそこぞ遠くなりても守りたる。




