3-5 広がる不満
条約が締結してから30年ほどでスカーレット諸島全域の復興が完了し、ゼフィルス帝国連邦とスカーレット神聖帝国による新政が始まった。
ゼフィルス帝国連邦は、宣教師戦争の反省から、グリントは自らがキリスト教を布教し、神聖帝国へと貢いだ。これにより、神聖帝国との国交が成立するが、今まで国教をアストラル教として来た帝王が異教を布教したとしてアストラル教徒たちが不満を覚えた。
一方で、スカーレット神聖帝国では、キリスト信仰を強制し、全ての国民をキリスト教徒とした。これに対して、国民は不満を覚え、スカーレット神聖帝国の最高位である教皇に不満を覚えるとともに、ゼフィルス帝国連邦へ助けを求める強制信仰開放の要求を出し、条約の改正を求めた。だが、グリントは条約の改正は2度目の宣教師戦争の原因となり兼ねないとしてそれを受諾しなかった。
このことで、帝国連邦への不満がスカーレット諸島全域に広がり、神聖帝国では自国の教皇と隣国の帝王の双方に不満を持つ、反双大国を唱える者が現れた。その者を反双大国者が増え、反双大国者陣という少数軍隊が作られ、2つの大国に武力で抵抗した。
また、ゼフィルス帝国連邦では、アストラル教徒のメルトを中心にアストラル教団が結成され、その中には修道兵団といわれる少数軍隊が作らた。修道兵団はアストラル教団未入団者に入団を呼び掛けるとともに、ゼフィルス帝国連邦に対して武力で抵抗した。これにより、アストラル教団はどんどん力をつけていった。




