2-8 流罪罪人の反乱
罪人の会は船を完成させ、『五大勢力志』に記された攻撃方法の準備に全員で取り組み始めた。
その攻撃方法とは、相手の警備が薄い所を狙い、思いもよらぬ不意打ちにより攻撃を仕掛ける奇襲だった。準備とは、作戦の立案と指導者の決定、用具の調達だった。
作戦の立案はドリスが担当した。ドリスは元冒険家で、ゼフィルス大帝国連邦の立入禁止区域に侵入して、流罪を言い渡された。そのだめ、島のことには詳しかった。彼は、アストラル諸島とバッファル諸島を結ぶ海底空洞の先と、アストラルの帝城の堀が近くにあることをしていたので、海底空洞を通ってそこに行き、堀まで掘り進めることを提案した。
罪人の会は、初めは時間がかかる上に、一度に多くの人間を運べず、船の製造が無駄になるとその作戦を拒否した。しかし、他に案がなくやがて、その作戦の実行を認めた。
指導者は罪人の会の結成を提案したフリンが担当した。フリンは作戦提案者のドリスと協力して、指導の方法を検討した。フリンは罪人の会の許しを貰った上で、人々に用具の調達を言い渡した。
それらの用具は約1ヵ月程で人々により集められ、それを持ってアストラル諸島までの約3日間と帝城の堀近くまでの約2日間の計約5日間で空洞の先にたどり着き、作られた用具の1つである魔法掘削機を使って堀に向かって掘り進めていった。
やがて、堀にたどり着くと用具の1つのマテリアルを使って水を液体の状態で固めて、次々と堀に入って浮き上がり、帝城を攻め始めた。
マリネスは初め、この奇襲に苦戦するが、やがて、軍隊を結成し、帝国幻想者にも呼び掛け、奇襲を失敗に終わらせた。
その後、奇襲に参加した流罪罪人たちは処刑されるが、一部の人は処刑されずに、バッファル島へと戻り、罪人の会を再結成した。
この流罪罪人による反乱を、罪人の乱と言う。この乱を受けてマリネスは罪人を怖れ、帝国幻想社の支部をバッファル島に置き、一部の帝国幻想社参加者を移動させた。




