#17 黄昏界創造とそこに生まれた人間たち
やがて、私は宇宙の外で神に匹敵する程の力を手に入れた。それでも、ゼウスたちが作っていた宇宙の結界を破ることは到底出来なかったのだが。
まず、私は地球の奥に眠る、生命の源・世界樹の構造を基に、巨大樹を作り出し、その根っこで宇宙を囲ませた。そのため、世界樹よりも大きい物となる。これを作るのに、数十億年も掛かってしまった。
それから、星を作った。巨大樹のある樹海の星。私はユグドラシルと名付けた。魂を宿した機械を放した砂漠の星。私はアルフヘイムと名付けた。悪魔を放した山岳の星。私はヘルヘイムと名付けた。巨獣たちを放した星。私はユミルと名付けた。小さな獣と人間を放した星。私はウトガルドと名付けた。竜を放した火炎の星。私はムスペルと名付けた。魚人を放した海洋の星。私はニブルヘイムと名付けた。
そして、初めは直接、支配するつもりであったが、気力を失ったので、全ての生き物に知恵を授け、彼らに任せることにした。
今思えば、それが間違いであった。生物たちは知恵を得たばかりに争いごとを起こし始めた。ヘルヘイムの悪魔は最初から私に従っていたので、害は無かった。アルフヘイムの機械生命体や、ユミルの巨獣、ムスペルの竜、ニブルヘイムの魚人などは何とかなるだろうが、既にその知恵を最大限に利用し、人間は圧倒的な科学力を持ってしまっていた。それは、神にも達するレベルの、だ。
そんな中、私を神として祭り、お告げを実現しようとする者もいた。いわゆる、ドュンケル教。私は彼らに強大な魔法の力を与えた。しかし、それも間違いであった。ドュンケル教のたくさんの修道士が裏切り、ドュンケル教に属していない人々と結婚し、子供を産み、弱まりはしたが魔法の力を受け継がせてしまったのだ。
こうして、魔法の力はあっと言う間にウトガルド中に広がった。すると、ただでさえ強大であった科学が、魔法と混ざり合って超高度な技術となってしまったのだ。神の後ろ楯とするドュンケル教側。超高度な技術を持った科学と魔術の混合側。ドュンケルサイドとクロスサイドに分かれ、お互いに手を出しにくい関係となった。
しかし、あることが切っ掛けでこの2つのサイドに争いが生まれた。それは、ドュンケルサイドが私から抽出した、9つの能力であった。
それらには、殺せば継承されると言うシステムが作られた。そう、そのことを知ったクロスサイドはドュンケルサイドに宣戦布告し、9つの能力を巡って、老若男女入り乱れる殺し合いが始まったのである。




