#16 邪神の誕生と追放
★今回登場する怪物★
ドュンケル
黄昏界を創造者であり、最強の邪神。光以外のあらゆるものを一瞬にして、消し去ることができる。しかし、光に対して致命的な弱点があるわけではない。初めは単なる邪気の塊であった。
私の、邪神・ドュンケルの誕生。それは神代、神話の時代。その内の、生物誕生から少し経った頃までに遡る。
初めは、ただの邪気の塊であった。黒い鳥から生まれたその頃の、私に意志などは無かった。もちろん、当時はこの宇宙を、この世界全体を支配しようなどと言う考えはなかった。ただただ純粋に、自らの誕生を喜んでいるだけであった。
それなのに、この世界の神々は私を追放しようとした。ゼウスの権限によって。自分は邪気の塊で、それもかなり強大で、神々が恐れを成すのに無理は無かったのかもしれない。私を放っておけば、世界を脅かしかねないと思うのが普通だったのかもしれない。
しかし、私には意味がわからなかった。強大な邪気の塊は世界を脅かしかねない?そんな偏見は捨ててほしかった。先入観に囚われずに、私が過ちを犯すまでは待っていて欲しかった。
やがて、その思いは「怒り」と呼ばれる明確な感情に変わる。続いて、言語を使うことが出来るようになる。テレパシーという形で。さらに、意志も生まれる。神々に復讐してやろうと言う意志を。
そこで、私はまず魂を半分に分割し、魔神を産み出した。
「お前はアーク。5柱の神々を手中に納め、魔神と名付けて服従させるのだ。」
私は彼に名前を与えると共に、命令を下した。アークは僅かに頷いて、消えていった。
そして、私は地上にあった邪気を全て吸っていった。1つ1つの邪気はごく少量だが、塵も積もれば山となる。最終的には、さらに強大な邪気な塊となった。それに気付いた神々は、私だけを飛び付いてきた。追放すべく、宇宙に穴を開け、広げていくようになった。私は薄ら笑いを浮かべた。
「計画通りだ。」
と言いながら。
その内に、アークは私の命令を果たしていた。彼は天界を襲った。神々は私をずっと見ていたので反応に遅れた。私が行ったのは奇襲。そう、既に高度な知能も手に入れていた。そのためか、奇襲は大成功。最強クラスの炎神・アントニオ。オーディンの従弟に当たる水神・ポセイドン。スサノオの恩師に当たる最強の森神・オールド。本来は闇を切り裂くはずの光神・トリトンや、そいつと表裏一体の闇神・ダークトリトン。その5柱の、いや神はアークと私の2柱までで構わない。私はアークにそいつらを魔神から魔人に変えるようにと、単位を「体」にするように言った。すりと、それに応えてくれる。
さらに、アークはその力で炎龍・ボルケーノギドラに水龍・ウォッシュドラゴン、地龍・ガイアギドラ、何やら企んでいる光龍・ライトニングドラゴン、地獄龍・ヘルドラゴン。アークは十二分に手下を手に入れて、どこかへ消えていた。
その頃、既に私は宇宙の外へ追放されていた。7つ程、魂を地上に残して。幸い、それに気付かれることがなく、私はいつでもあの世界を見れるようになった。
そして、私を宇宙の外にさらなる世界を作り始める。闇に包まれた新たなる世界を。
今回は、現在連載中の「LEGEND MONSTERS Ⅲ(レジェンド・モンスターズ スリー)」の行間のようなストーリーを考えてみました。レジェモン外伝の#21までは邪神・ドュンケルと黄昏界についての話となります。




