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LEGEND MONSTERS(レジェンド・モンスターズ)-The Extra-  作者: プリンアラモード
G.W. Special Story 2018
66/149

リドナー、日本へ行く(中編)

◆今回登場する人物◆

ポール(19)

スカーレット島から着た、ギャングのリーダー。ジョブはファイターで、とあるスパイラルメイジの弟子でもある。

 出発から約7時間15分。日本の首都・東京にある、羽田空港に飛行機は降り立った。飛行時間は日本からバッファル島までは7時間半ぐらいはかかるらしく、バッファル島から日本までより、少し短いようだ。

 それには、どうやら、貿易風と偏西風が関係しているらしい。

 日本からの場合、亜熱帯高圧帯に入ると、次の亜熱帯高圧帯を抜けるまで、東風である貿易風と逆方向に飛行しなければ、バッファル島へはたどり着けない。その分、飛行時間は長くなってしまう。しかし、2つめの亜熱帯高圧帯を抜けると、今度は、西風の偏西風に沿って飛行できる。その分、飛行時間は短くなる。

 一方、バッファル島からの場合は、最初から、偏西風の逆方向に飛行しなければならない。その分、飛行時間は長くなる。ところが、亜熱帯高圧帯に入ると、次の亜熱帯高圧帯を抜けるまで貿易風に沿って飛行できる。その分、飛行時間は短くなる。さらに、2つめの亜熱帯高圧帯を抜けると、偏西風に沿って 飛行できるので、日本からバッファル島までより、少し短くなるのだ。

 僕は、学生時代、苦手だった社会と理科の勉強を思い出す。偏西風は西風だとか、貿易風は東風だとか、飛行時間がどうだとか、大気の循環があーだとか、こーだとか、全然理解できなかった覚えがある。

 本当にあの時は、辛かったな。日本で言うところの総合学科?僕は、日本の下調べは完璧だったので、そんな言葉も知っていた。何でも、アルカディア学園では、選択制の通常授業に加え、自分のジョブの勉強及び訓練を必ずしなければならなかったのだ。つい、1年前まで、テーラはそこに通っていたのか。大変だったんだろうな。僕は、彼女を見ながらそう思った。

 それから、2人で飛行機を降り、自分たちの荷物を取った後、空港を出た。続いて、僕たちは観光をする前に、近くのホテルへ行き、チェックインした。

 そして、「モールディング」で木を加工していくつ箱を作り、剣と杖、ベルト、ナイフなどをそこに入れた。これは、飛行機を降りる前、魔法を見られてはいけない。外で、ナイフや剣を持っていると、怪しさ極まりないので、持ち歩いてはいけないなどと釘を刺されたからだ。日本はかなり治安が良いと聞いている。おそらく、法律がそこそこ厳しいおかげだろう。

 「はぁ...。でも、私、日本じゃお酒飲めないんだよねー。せっかく、飲めるようになったのにさー。何で、20歳以上は禁止なのー?あっちでは、飲めるのに。ちょっと、その法律、改正しなさいよ!」

テーラが日本の政治に愚痴を言う。おい、日本に喧嘩売るのはやめろよ!そう思った僕は、

「別に飲めないってことはないよ。僕が買って、ホテルで飲めば、良いだけだし。」

と、彼女に言った。すると、

「そうね!」

と、笑顔でうなずいてくれた。いや、こんな笑顔されたら、買うしかないんだけど、それって、法律的に大丈夫なの!?

 僕は、そんな思いで、東京を観光した。赤いタワーに上ったり、世界一の電波塔を下から眺めてから、水族館へ行ったり、名門大学に行ってみたりとかなり、東京観光を満喫した。

 「ま、迷った...。」

僕たちは頭を抱える。きっちり、下調べをしたはずなのに、何でだ?僕は考える。必死に考える。そうしようと、した。

「考えても無駄よ。こんな、ややこしい電車網作った、日本が悪いんだから。」

テーラがまた、日本に喧嘩を売って、僕は何も考えることも、何も言うことも出来なくなった。それぐらい、僕は唖然としてしまったのだ。

 「まぁ、考えてもしょうがないか...。」

僕はため息をつく。いや、日本の電車網がややこしいから、言ったのではない。僕たちは、電車網が書かれたパンフレットを見ながら、それっぽい駅で降りては、町の案内板を見、また、電車に乗っては、違う駅に降りてはとやっていた。

 そして、その途中で、柳田中学校と言う名前の学校を通過した。その時、近くの路地裏から何人かの声が聞こえてきたのだ。僕たちは、その路地へ急いだ。

 「お前ら、何なんだよ!」

見ると、学生服を着た男性が、同じく学生服を着た女性2人を守っている。どうやら、彼が彼女たちを、急に絡んできた不良たちから、守っている様子だ。ていうか、どこかで見たことがあるような...。と、

「もう、良いよ、田中。」

彼が守っている女性の内の1人は言う。

「ダメだ!お前たちは俺が守る。」

「ま、守るったって、あんた、震えてるじゃない!」

「クッソ!守るのが、友達の役目じゃねぇのかよ!何で勝手に震えてんだよ、俺!」

彼は、自分の膝を思いっきり叩く。しかし、震えは止まっていなかった。

 「ヒーロー気取りかよ。うぜぇ!」

不良の1人がその男性の鳩尾を蹴る。

「ぐはっ!」

「田中!」

彼は、そこを押さえて地面に倒れ、苦しそうのうめき始めた。僕たちは、それを見て、助けようと決意し、路地裏に入った。

 「お取り込み中、すみませーん!」

僕はそう言って、介入する。次いで、テーラが

「あんたたち、恥ずかしくないの?大勢で女の子、囲んでさ。」

と言った。すると、不良たちは

「アン?」

と声を揃えて、こちらを向いた。

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