#12 密書
◆今回登場する人物◆
猿飛佐吉(22)
忍者・猿飛佐助の末裔。数年前、日本からシャインズ島に移住してきた忍者。たくさんの下忍や中忍を束ねる上忍である。
ルーク(32)
”シュタルク海賊団”の棟梁。普段は強気だが、臆病な点がある。
アバディーン(42)
シャインズ王国国王。猿飛佐吉とは主従関係にある。
マルクス(39)
スカーレット魔法帝国の現帝王。ジョブはスパイラルメイジ。世界唯一の全属性持ち。
シャインズ島のとある町の忍者が、国王から密書をスカーレットへ渡すよう命じられた。その、忍者の名は猿飛佐吉。アストラル諸島よりも、さらに北西にある島国、日本にいた忍者・猿飛佐助の末裔である。
「佐吉よ、スカーレットの帝王にこの書を渡すのだ。」
アバディーン王にそう言われ、佐吉は
「承知いたしました。」
と言って、その書を受け取り、城の窓から飛び上がり近くの電柱の上へ降り立つ。続いて、電線の上を軽々と走り始めた。
そして、とある港町まで電線づたいで進み、そこで部下に借りさせておいた、大きな帆船でその部下とともに出航した。
それから、数日間、危険な海で平和な船旅を続けていた、忍者たちだったがちいにそれは終わってしまった。なんと、海賊の砲撃を受けたのだ。その結果、船は破損。やがて、沈むと判断した彼らは海へ飛び込み、水とんの術で一斉に海賊船へ近づき、そして、忍び込んだ。
「奴らが乗り込んできたぞ!」
と、そのとき、海賊の棟梁がそう叫んだ。すると、海賊は忍者たちに襲いかかった。しかし、彼らは返り討ちにあった。忍術や、高度な抜刀術、そして、吹き矢や短剣、手裏剣による遠距離攻撃の前に手も足も出なかったのだ。その様子を見て、棟梁は逃げ出し、船の中の海賊を全滅させた忍者たちは、その船で際出航した。
その後も、たくさんの海賊と衝突したり、嵐に直面したりなど、危険が絶えなかったが何とか切り抜け、ついに、スカーレット魔法帝国にたどり着いた。そして、また数日ほど陸を歩いて、帝都・スカーレルに到着し、やっとこさ帝王に密書を渡すことが出来た。
「ご苦労だった。」
「ありがたきお言葉。」
た、そんなやり取りのあと、また、城の窓から飛び出し、家の屋根の上を渡りながら、船にたどり着き、また数々の危険を乗り越え、シャインズ島に帰還。それから、行きと同じように電線づたいでシャインズ城に戻り、お礼を受け取った。




