#8 マルムンを倒せ!(後編)
◆今回登場する人物(前編既出は除く)◆
リサ(19)
バッファル島の光属性の魔法使い。後に、リドナーの母となる。
●今回登場するアイテム●
ビギナーズロッド
新人魔法使い用の杖。どんな魔法使いでも使いこなすことが出来る。
その後も、エレンは何度も何度も、島々を行き来しながら、戦い続ける。
「えっ!?あなた、魔法使いじゃないんですか?」
マルムン討伐の旅(?)の途中で出会った女性にそう言われる。
「そうですが...それがどうかしたのですか?」
エレンがそう答えると、彼女は心底驚愕という表情で亡霊について語り始めた。
「亡霊は本来、霊界にいて、見えないはずなんです。でも、亡霊魔法などによって無理矢理、具現化することが出来るんです。そうなると、あっちからは干渉出来ても、こっちからは直接、干渉できないんです。ですから、倒すには霊界にまで届く魔法が必要なんです。」
その人の言葉にエレンは納得する。冷静に考えてみれば、実体のないものを何度切ろうとしたって無駄だ。ならば、魔法が必要だ...って、待てよ?彼はそう思って、彼女に
「でも、僕に素質はあるんですかね?」
と聞いた。すると、
「はい。魔法使いになるには一定以上魔力が必要なんですが、あなたには豊富な魔力があります。それも、かなり...です。ですから、呪文さえ覚えれれば大丈夫です。」
という答えが返ってきた。
それから、エレンはその人(リサという)に魔法のことをたくさん教えてもらい、亡霊を浄化するための呪文を教えてもらった。そして、彼は
「ありがとうございます。」
と彼女に告げると、現在、マルムンがいるバッファル島のテールン地区に向かった。
「安らぎの女神よ、汝を浄めよ!ヴィーナス・ピュリフィケイション!」
やがて、テールン地区でマルムンを見つけた彼は、ソイツにリサ直伝の浄化魔法を使った。そると、ソイツは消え去ってしまった。おそらく、浄化したのだろう。そう思うと、彼の体から力が抜けていった。まさか、こんな簡単だったとは...無駄に斬りまくって損した。彼はそんな気落ちした雰囲気で島の長に会いに行った。
その後、エレンはためらいながらもマシュー様から、当時、空き家だった陽の森横の館をもらった。さらに、彼は魔法の先生であるリサと結婚式を挙げた。
そして、2人の間に1人の男の子が産まれる。彼らは、島の神楽詞で”屈強な子”を意味する「リドン」からリドナーと名付けた。




