34.三龍の章
並行なる世界、式神に任されしより少し後にて。光と闇の間に竜が誕生す。その竜、黄金に耀きたるに王のごどくにおわす。
竜はいよいよ育ち、光の力を得りぬ。その力、最高なる神に勝らねど、その強さは天をも揺るがさん。最高神除きて神々ぞ従いたる。その力、やはりて変わらず王のごとくにおわせり。その時より、彼の竜、竜王と語られん。
そして、魔界にて新たに黒き魂現れん。その魂、閻魔によりて作り出し、邪と魔にわかれし物ほどの邪悪は持ちこまねど、それと同じにして2つに分かれそれぞれにて竜の形となる。
その一方、体に白銀纏いて上にぞ膨らみありける。その姿、乙女をにおわし、黄金の竜王とを比べして、白銀の姫をもにおわせぬ。その一方の竜、いと大きしとなるに、最高神とともにて閻魔の後ろ楯となるにまでになりたり。やがてや、真に竜姫となりて、魔を離れりぬ。
もう他方の竜、初より黒き鎧にぞ覆われ大きくなるに魔を脅かさん。その脅威、天にも及び、しばし別れし光と闇、合わさりて策を考したり。その策、彼の竜を魔に止まらせる物なり。それ執行されるに、口は閉ざされたり。さすれば、地にて罪犯さりし者の行き場有らず。その果て、霊界また冥界に止まりて、そこにて再び罪を犯し初めりぬ。




