第8話 信頼と心配
期末テスト当日。
彼女―深月匁は学校に来なかった。
3日間一度も。
テスト最終日。昼休みに担任に呼び出された。
「純人。お前匁にこのプリント類持ってけ」
「はあ、まあ良いですけど。俺が彼女の家から一番近いんですか?」
「そーじゃねーよ。お前が一番仲良くやってるからだ」
「―そういう所はちゃんと見てるんですね。いつも超やる気無さそうな顔してるのに」
「放っとけ。これでも教師だ」
これでも、ね。見た目は低血圧の同級生だが、この学校では古株らしい。
新任の先生には100%間違われるとこの間ぼやいていたが。
「いつも隣で世話焼いてんだろ。助かってるよ」
「まあ、学級委員長ですしね」
「じゃあ世話焼きついでにもう一つ頼む。―あいつを見捨てるな。味方になってやれ」
声のトーンを一段階下げて、そう言った。
「? はあ、分かりました。でも、別にプリント位家が一番近い奴が持ってっても良いんじゃ…」
俺の質問には答えず、先生は俺にプリントと地図を渡した。
「えっ、先生、この場所って…」
「あいつを頼んだ。親身になれるのは―お前だけだ」
そう言って、先生は俺を追い払った。
放課後、俺は一人でこの場所に向かう。
俺は地図に記されたこの場所を知っている。そして、彼女が抱える問題も、恐らく俺の想像通りだろう。
だって、そこは―
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