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3話

ブックマークしてくれた方ありがとうございます!

ほんのちょっと調子が良かったので早めに投稿します

ん?


砂浜ではない、見覚えがないところだ、今まで来た覚えもまったくない。

いや、…、すこしだけ懐かしい感覚が。

森の中の道のようだ、先は真っ暗な奥へと続いている

どうやら雨の降った後らしい

地面に落ちずに草木の葉に取り残された雫たちがランタンの明かりに乱反射し、輝いている

ん?ランタン?

いつの間にか道のわきに板を並べて作られた小さな脇道ができていた

道の奥に行くにしたがってランタンの小さな明かりが点々と連なっている

その先に何があるのかはわからない

どう考えても真っ暗な森の道を行くよりかはこちらの脇道に行ったほうがいいとリクは考えた

しかも裸足だ、石やらなにやら足に刺さる地面よりかは板の上を歩きたい

ヒタヒタとほんのり湿った踏み心地のよい板道を歩き、雨上がりの草花の煌びやかで幻想的な姿を静かに眺めながら

五分ほど歩いただろうか

目の前に石畳の小さな広場のようなものと

その奥にこじんまりとしたお店?のようなものが現れた

中からは明かりが見える

けして明るい雰囲気ではない外見

どこからか何かオルゴールのような音楽もかすかに聞こえるような気がする

すごく優しいような楽しいような悲しいようなよくわからないメロディ

真鍮のドアノブをつかみゆっくりと開くとチリンチリーンと耳に心地よい鈴の音が鳴った

「らっしゃーい」

ランタンを所々に配置し様々な品物?を照らしている、少し薄暗い部屋の中の奥にカウンターがあり20代半ばくらいだろうか?スラリとした男がいた

ピアスと眼鏡をつけいかにも軽っぽいような外見だ、服装はいかにもビジネスマンと呼ばれそうな感じを受ける

「すみません、ちょっとよくわからないんですが、道に迷った?のかな?ここはえっと…何ていう場所ですか?」

青年はやはり今までのことを思い返してみた結果、ちょっと信じられないことばかりで、夢か幻覚だったのか、

慎重には慎重を期すためにそういう言い方で聞いてしまった

その男は少し笑い

「ようこそ、ロークリギアの管理所へ、いや関所かな、私は今回、あなたが転送されるであろう世界の管理者レンといいます、以後お見知りおきを」

やっぱり夢じゃなかったんだとリクは心の中でつぶやいた

レンが言った中で気になった言葉があったので聞いた

「…、ロークリギア?ロークリギアってなんですか?」

リクが頭にたくさん?を浮かばせているのがレンにはわかった

「あー、いるんですよね、転送の際のエネルギーに煽られて記憶がぽろっと落としちゃう人が、まぁすぐに思い出しますよ、焦らずゆっくり慌てないでくださいねぇー、あ、ちなみにロークリギアっていうのは今回あなたが向かう異世界のことですよ」

「え?僕異世界にいくんですか?え!?は!?意味が分からないんですけど」

「まぁまぁ落ち着いて、記憶が戻るまではちょっとよくわからないことが続くと思いますが戻るまでの辛抱なので、ロークリギアはいいところですよ?異世界ランキング上から数えたほうが近いくらいです」

(嘘だよ最下位だよていうかそもそもランキングなんかあるわけねぇだろ)

レンは心の中で言ったがリクに読心術があるわけもなく

「ほらそのポケットの中に紙のようなものが入っているでしょう?それは切符のようなものです、無くさないようにしてくださいねぇ、まぁここでしか使わないんですけど」

リクはパジャマのポケットに確かに紙のようなものがあるのがわかった

手探ってみてみるとミミズがのたうち回ったような文字が書いている

もしリクの世界と同じ文字であったら相当汚く書いたのだろう

なぜかリクはこのミミズ文字がどこかで見たようなデジャヴを感じた

「そんな警戒しないで下さいよ、あなたがいた世界の管理者とは違います、私は世界そのものをやり直したりするのような破格の権限をもっているわけじゃありません、ただ迎え選択し見守るだけです、それが規則というか、心得ですね怖いことはしませんよ?」

こちらの心を読んでやったというような顔をしている

「まぁ簡単に説明いたしますと管理者といっても様々な形態があり私は高度な自我と知能を手に入れる代わりに、世界に対しての干渉、操作を極力禁止されています、貴方の世界にいた管理者は意識ではなく自律型システムで法則にしたがって世界の安定、秩序、そして世界の方向、貴方の世界の場合は完璧な科学による文明、歴史、常識の創造ですね、実体はなく完全に世界の理に組み込まれているので機械的なことしかできないんですよ」

ぺらぺらとレンと名乗ったその男は滑舌よくしゃべる

「いやぼく管理者って言った人とあったんですけど?機械というよりは老人だったような、その人は管理者じゃないんでしょうか?」

「んー、間違いなく違いますね、こればかりは。あなたの世界はタルシィ2000と呼ばれている管理者です、…ちなみにどういうお姿でした?」

ただの妄想か幻覚か勘違いだろうとは思ったが少しばかり気になった

「フードを被った白髪のおじいさんなんですけど高齢者だとは思えないほど元気良くて窓のふちに座ったりとか、そして一番印象深かったのがあの鋭い眼光、あ、最後はなんか光の粒子になって消えました」

レンはいぶかしんだが一つ心当たりのある人物があり戦慄を覚えた、

(光子の旅人、フェンか、こいつはやっかいだな、つまりこいつは)

「あ、そうですか、情報に少しばかり食い違いもあったかもしれませんね、」

「…、」

(こいつはやばい、何か良くない予感がする、私の世界に入れさせるわけにはいかない)

「すみません、そのさっき言った切符を見せていただいてもよろしいですか?

確認しておきたい項目がありまして、ちょっと手違いがあるかもしれないので、すみません」

すこしばかり訝しんだがそこまでの興味はなく紙を取り出しレンに渡す

(ちょっと細工してどこかに行ってもらいましょうかね)

レンはそんなことを考えながら指先にかすかな光を灯らせリクから渡された紙に触ろうとする

レンの人差指が紙に触れた途端パンッという音とともにすさまじい衝撃と光の粒子をまき散らしながらレンの手を弾くどころか吹き飛ばす

(くそ、予感はしたが、老いぼれジジィめ、{剥離}と{固定}をしやがった)

「!?なんです!?、この紙なんですか!?なんで急に…、」

リクはいきなり起こったことに精神的な衝撃と物理的な衝撃でしりもちをついてしまった、店の中もさんざんな有様だ

おそらく品物だろう、棚に飾ってあった剣や宝石、兜や鎧や杖、何かの生き物の一部であろう鱗や眼球、牙や爪が衝撃でまさにカオスといったほうがいい状況に陥ってる

「あのー、お店の中すごいことになっちゃってますけど」

レンがブツブツなにかつぶやいていて、店の中がとんでもない状態になっていることに気付いていない模様だ

「ん?、あー、」

といってさりげなく左手を振る

まるで時間を巻き戻したかのように棚に品物たちが意志を持ったように自分たちの持ち場に戻っていく、砕けた宝石やら剣の下敷きになって折れてしまった小さな杖たちも細かくあちらこちらに散らばった欠片が集まって形作られていく

ガチャガチャといろんな音が混ざった後は静かな時間が訪れた

(こちらの動きは読まれていたか、そうかこの青年はどうしても行かせたいと、こいつはいよいよもってまずい)

リクは部屋の中の品物が動く様に夢中でレンが一瞬見せた企みともいうべき裏の感情に気付くことはなかった

「では遅くなりました、ではロークリギアにいく手続きをしましょうか」

「え?、紙のやつはどうなったんですか?なんかものすごいこと起きましたけど…、」

「あー、あれですか、大したことはありませんあの紙はあなたの通行切符みたいなものです、ちょっと見てみようと思ったんですが、まぁ、すこし失敗したみたいです、気にしないでください」

レンは少し笑いながらつづけた

「そういえばお名前をお伺いしておりませんでした、もしよろしかったらその…」

「あ、リクです、」

「リクさんですかーいいお名前だ、よろしくです、ちなみに余談ですが、このお店になにか見覚えとかありませんか?」

「んー、どうでしょうか、でも懐かしいような気がします、けど」

「ここはあなたの心象風景によって作られたものです、そこに置いてある品物などはまたすこしちがいますが、まぁいろいろです、大したことはないので気にしないでください」

「あー…、わかりました、えっと、何をすればいいんでしょうか?」

「そこにあるクリスタルを適当に選んでください。GEMと呼称するんですが、簡単にいうとそれであなたがなんたるかが決まります、」

レンが指さす先には扉があった

近づき、開けると

ドーム状の空間に無数の大小形状有色無色のクリスタルが積み重なっていた

それはまさしく光の山でしばらく言葉を失った

「え!?、この中から選ぶんですか!?そのぉ、ちなみに何個選べばいいんです?」

「一個です」

「…ちなみにどれくらいあるんですか?」

「わかりません」

「おすすめとかってあるんです?」

リクはちょっと苦笑い気味にいうがレンは涼しい顔で

「全部おすすめです」

これこそリクは絶句した

まさしく無数、頑張れば数えられるんじゃないか?という考えを持つことさえバカバカしいほどの量


「私はあなたの心はわかりません、心というのはつまり魂、無数にある異世界の中の無数にある魂、その分のクリスタルがありますが、ここにあるのはあなたの心の一部でありすべてです、すべてあなたが選ぶであろうクリスタルです、間違いはなく、すべて当たりです、まぁこれマニュアルの通りに暗記しただけなんですけど」

リクはすこしレンが投げやりな気がしていたがあまり気にもせずにクリスタルがたくさん並んでいるコーナーに向かった

様々な形状、あらゆる色、乱反射の工芸品が所狭しと並んでいた

リクはしばらく言葉を失い、その光景に息をのんでいたが、ひとつのクリスタルに気づくと目が離せなくなった

蒼いクリスタルだった、立体型のひし形でいくつもカットして複雑な乱反射の中心にいくほど蒼くなり、その奥はあまりに濃く、まるで海の底を覗くようで吸い込まれそうだ

周りを欠片が周回して煌びやかだ、だがそれよりも、

「なにか、懐かしい」

ただきれいなのではない、何か思い出しそうな、脳裏がうずくような、不思議な感覚、そしてなぜか不安になってくる

そのクリスタルの中心の青を見つめれば見つめるほど何か入り込む感覚

そうあれは

昔の記憶…

チリチリと後頭部がざわめく

なんだろう…

「それが気に入りましたか?」

クリスタルを見つめたままずっといたらしい

「あ、いえ、いや、…、はい、これがいいです」

「そうですか、それではそれを胸に埋め込みますのでお貸しください、少々不快な感覚に襲われますが我慢して下さい」

レンがそのクリスタルを受け取りリクの胸に押し込む、その瞬間レンは何かを紛れ込ませたが、リクはさっきの違和感が一体何だったのか気になり、

レンのしたことに気付かなかった

ゆっくりと光を放出しながら胸に入っていった

(こいつだけは、こいつだけは何としてでも阻止しなければ)

「それでは終わりましたので転送します、ご健闘を祈りします、では」

「え?、これだけですか?」

「はいそうですよ、なぜです?」

「何かロークリギアについての説明とかはないんですか?、それに胸に埋め込んだGEMとかっていうやつはなんのためなんですか?」

「知る必要はありません、たぶん向こうへ着いたらおのずとわかると思います」

(向こうへ着く前にお前は死ぬからな、説明とかは不要だろう)

「え、いやでも…、」

「大丈夫大丈夫、心配しなくても問題はないです」

「では、転送させていただきます、頑張ってくださいねー、アディオス」

とレンは指を鳴らす

レンとリンの間に小さな黒い点ができた

それは一瞬で膨張し部屋を覆い尽くし、空間を歪ませたかとおもった瞬間一気に収縮し部屋ごと引きずり込んでいき

リンをも取り込みながら小さな点になったかと思うと

フッと消えた

「行ったか…、」

レンは息をゆっくりと吐いた

本来ならば、種族やらを選び、神器や宝具、使い魔や無限のエネルギーを生み出す紋章やありとあらゆる武器の中から選ぶ

種族だって、華族、冴族、鬼族や、紅雲族、ほかにもありとあらゆる種がいる、能力の形態だってGEMを用いた体現者のほかにも

俗にいう魔法と呼ばれるエネルギーの流れを掌握するもの、いろいろある、だが、そんなことをやって何になる?あれを体内に埋め込み

一度覚醒したならば、魂を食いつぶされ、共倒れし、ロークリギアに着く前に5次元か6次元くらいらへんもしくはその狭間に流れ着くことだろう

だが、

(彼が選んだあのGEM、…、あれは…、

 やはりあのくそジジィが選んだことはあるか)

レンがリンの中にGEMと一緒に入れたのは昔ロークリギアを蹂躙した獣、ベヒーモスと呼ばれる黒い怪物どんな致命傷を負わせても瞬く間にその獣が持つ無限ともいえるほどの膨大なエネルギーにより傷を治し、空間をも切り裂く惨黒爪で相手を葬り去る、オオカミのような頭部に生えている前方に向かって突き立った二本のねじれ曲がった巨角

生半可な刃物や攻撃は通さぬ極黒の剛毛に覆われた体

上半身は威圧するような極太の縄のような筋肉で盛り上がり、尾には毛の間に致死性の猛毒の棘が隠れている

何よりも相手を威圧するどころか見たところに重力を発生させのではとおもうほどの強烈なほどの鋭い眼光

今まで数多の獲物を貪ってきたのだろう、残忍な剃刀のような鋭い牙

不気味な不安感を煽るような不協和音のような咆哮

ロークリギアの住人たちはすべての力を結集しこの化け物を生命維持活動の瀬戸際まで追い込むことに成功した

そして

巡り巡ってレンの手に渡った

正直レンは少しずつ衰弱し己の魂をもエネルギーとして取り込み崩壊しながらもう少しで消え去るこの獣を甘く見ていた

所詮目先の獲物しか見えぬ、ただむさぼりくうことしか考えない魔性の生き物

だからわからなかった、すべての誤りはこの時だった

のちにレンは狂おしいほど悔しがった、










読破ありがとうございます

汚い文章ですがそれでもお付き合いいただけるとうれしいです

次は来週金曜日までに出したいと思います

調子が良ければバンバン出します

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