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プロローグ

毎週金曜日に更新します

僕の周りでは昔から不思議なことがよく起こる


不思議なことって言ってもそんな大騒ぎするようなことはではなく

たとえば、ちゃんと本棚にしまったはずのお気に入りの本がいつのまにか落ちてしまったとか?

朝起きると窓が開いていたとかその程度


そのせいで「ちゃんとお片付けしなさいってあれほどいったでしょ!」って母親に叱られたし

まぁ弟のせいにすれば叱られることもなかったんだろうけど、

あいにく僕の他にも子供がほしいとは両親は思わなかったらしい、

現在18歳まで兄弟というものを知らず健やかに育ちました

実際不便はなかったし、三時のおやつは半分個しなくていいし、おもちゃの取り合いとか、母親と一緒に寝るときのポジション争いとか、そういう生存競争のようなみにくいことはせず

優雅にくらしてきましたよ、えぇ。


まぁ、そういういろんな変なことがたくさん何回も起こるからそのうち慣れてきちゃって、最初は怖かったよ、親にも言ったけど両方ともそういうオカルト的なことはこれぽっちも信じない人、子供の戯言、いたずら、言い訳、それくらいにしかとられなかったらしい

「そんなに嘘をつくとみんなリク君のこと嫌いになっちゃうよ!!」

今じゃため息をつきながら本を棚に戻す程度


俗にいうポルターガイストだということはこの歳になれば自然とわかってくることで、近しい友達とかには教えたりして部屋に呼んでその現状を見せたりするんだけど、本が落ちる瞬間とかを目撃するのはなかなか巡り合えなく、

実際この僕も目撃したことは今まで生きてきて片手で数える程度


友達も最初は乗り気でも目撃できないからそのうち飽きてきて、ウソつきだって言われて離れていった友達もいるけどそれでも仲良くしてくれた友達はいた


いろいろ調べたらポルターガイストを起こす人は超能力や異能力を持つことが多いらしいと小学生のときこの前テレビの特番でやってたのを真に受けて

約三か月くらい自分で考えた修行のようなものをしてそういうものはないとわかった

最終的に結論付けたのは夢遊病かなんかだろうと無理やり納得した


その程度で終わらせたというのは自分自身も生まれてからずっとこの不思議な現象が起こり体験し続けたことによる疲れと感性の麻痺なんだと思う、そういう第三者の視点から見ることはできてなお諦めてしまう


親はオカルトチックなことは絶対的に信用しないためサンタもうちには来なかったけど

決して僕に冷たいとか仮面夫婦だったとか変な宗教にはまってるとかでもない

父親は素晴らしいひとで理想の父親を絵にかいたような人、週末はよく旅行に連れて行ってくれたし

虫取りとか火おこしのやり方を教わってバーベキューをしたりとか

比較的裕福な家庭なんだと思う、父親もけっこういいところに勤めているらしくて、

「リク、大きくなったらとうさんの働いているところに就職するんだぞ」ってよく言ってた

すごく楽しい人で、でも怒るときは怖くて

母親もすごく温和な人、包み込むような優しさで育ててくれて、最近はもうけっこういい歳してるはずなんだけど友達によく「リクの母ちゃんってきれいだよなぁー」って顔を赤らめていってるけど、

まぁ言われてみればそうかなぁ?ってくらい、そこまで化粧は好きじゃないし若作りなんて毛ほども考えていない人だ

まぁそういう人たちに囲まれて育ってきたこのあっという間の18年

ほかの人たちよりは恵まれていると思う、

そしてこのまま大人になってお父さんと同じところに就職して

ちゃんと働き給料をもらって、甲斐性ができたら素敵な奥さんを見つけ結婚して子供を育て子供が大きくなったら定年退職し奥さんと一緒に老後を楽しみ天寿を全うする、そうなると思ってた、

子供にしては夢がないって父親に笑われた。

そこまで欲が強いほうじゃないし、野心家でもないから穏やかな人生がいいなぁって昔から思ってた、昔からっていってもおおげさだった、最近思い始めたそんなある日


そうあの日がやってきた18歳の誕生日

世間でいう18歳はエッチなお店にいってエッチな品物を鼻の下を伸ばして堂々と買うことができるようになったり、パのつくお店に行って鉛玉が転がる様を見てよだれを垂らして喜んだり

手汗とハンドルを握って車の免許を取ったり

社会に出て仕事をする、進学をしてもっと知識を身に付ける、そういう人生の分岐点に直面したり

そんなちょっと大人というものを感じる苦く思い出に残る年のはずだった


僕が僕としてこの世に存在する概念が変わる日














毎週金曜日に更新します

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