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詩の箱

猫の背骨

作者: 眞木 雅

なんだか具合が悪くて寝込んでいた

黙っているのも気力が要ることだ

こうして寝ている時も

あちこちに溢れそうな言葉を

ぐっとこらえている


そこへ猫が近寄ってきてひと声鳴いた

痩せた猫が縁側から勝手に上がってきていた

私が首を傾けて猫を見るとまた鳴いた


猫の声だけで私は泣いた

なんだかありがたくて泣いた


痩せた猫一匹背骨を浮き上がらせて

私のそばで鳴いた

ただそれだけしか何もないような夜だった


月は静かにしていたし虫も眠っていた

この世の隅に有る私の部屋で

敷き詰められたしじまを取り払って

猫は何度も鳴いた



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