第13話 別れるときは「さよなら」じゃない、再会を信じて「またね」と言うべし
4カ月ぶりの更新です。遅くなってすみません!それではどうぞ!
「・・・なあ、隼斗。」
「ん、どうした?」
隼斗はだるそうに雷斗に返事をする。
「なんで夜?」
「キタスズメは夜行性だから昼間は睡眠状態なんだよ。」
雷斗の疑問に光が答える。そ、そうか・・・と言う雷斗の顔は明らかに青ざめていた。
「大丈夫?顔青ざめているけど・・・。」
「だ、だ、大丈夫だ、も、問題ない。」
「問題しかないようだな。」
雷斗の変化に気づいた光は心配そうに声をかける。雷斗は返事するも健斗に問題だと指摘される。
「・・・もしかして、お前幽霊とか苦手か?」
隼斗のこの一言に雷斗はビクッと体が震えた。
「ソ、ソンナハズナイジャナイカ・・・。」
「雷斗くん、カタコトになってるよ。」
図星だったようでカタコトで説得する雷斗だが説得0だった。
「おいおい、闇を使う坊ちゃんが幽霊が怖いとかwwww」
「こ、怖くねえよ!!俺が怖いのはゴーストだけだ!!!」
「それを一般的に幽霊と言うんじゃないのか。」
結局は雷斗は幽霊が怖いようだ。
「じゃあ、ここで待ってろよ。すぐ帰ってくるから。」
「ば、馬鹿野郎!!!行くに決まってんだろ!!!!」
森の中に入っていく隼斗たちに雷斗は走って追いかける。でも、しばらく歩くと・・・。
「どうした雷斗?」
「なんか・・・・・後ろに誰かついてきてない?」
「そんな感じはないみたいだけど。」
「そうか・・・。」
雷斗の言葉に一同は後ろを見る。そして、健斗は雷斗の言葉を否定する。雷斗は気のせいだと思い、一同は歩くのを再開した。しかし、雷斗の心の中では・・・。
(みんな気づいてないけど誰か後ろからついてきている。きっと埋めちゃうオバハンだ。俺たちが歩き疲れたところできっと
埋めちゃうオバハン「さあさあ、夜中に遊んでるあかん子はみーんな埋めちゃおうね〜♪」
って・・・)
「もう駄目だ〜!!!!」
「雷斗くん、心配しなくてもそんなオバハンいないよ。あとそのネタは規制スレスレだから多用しないでね。」
「てかお前そんなキャラだっけ?」
雷斗のネガティブ(?)な言動に対して光は励ましてメタ発言をした。隼斗は雷斗のキャラについて疑問を浮かべていた。ここで健斗が立ち止まる。
「おかしい、優と可奈子がいない?」
健斗は辺りを見回しだす。まだ入って5分くらいの地点だが優はそんなに奥に入っていかないという考えからだろう。
「キャー・・・」
「うわああ・・・」
「!!!奥からか!って・・・」
2人のかすかな悲鳴に反応した健斗は奥に行こうとするが肝心の3人がいないことに気がつく。すると少し後ろの方に・・・。
「俺はカブトムシに一票だな。」
「いーや、クワガタが絶対だ。」
「私はクワガタムシに一票かな。」
「「どっちだよ!!!??」」
「お前ら夏休みの小学生か!!!!」
カブトムシとクワガタのケンカを見届けていた3人にクールな健斗も大声でツッコむ。健斗は3人の頭を殴り奥へ走るように促す。
「殴らなくても・・・」
「お前ら引っ張っても反応しなかったからだろ。」
光のつぶやきにボソッとツッコむ。走っていくと持っていた懐中電灯の光が2人の女の姿をとらえる。
「優!可奈子!」
健斗はその2人の名を叫ぶ。2人は健斗の姿を見るなり抱きつく。健斗は2人と再開してホッとするのもつかの間、奥からは足がない少年が出てきた。
「ぎゃああああああ!!!!!ゆ、幽霊・・・。」
「鷹斗・・・。」
雷斗は幽霊を見て気絶して隼斗は見覚えのある姿を見てその名をつぶやいた。
「兄さん・・・。」
「お前なんで・・・。」
5年ぶりに兄弟の言葉を交わす。鷹斗はしっかり隼斗を見ているが隼斗は下を俯いたままだった。
「隼斗、そいつh」
「なんでお前がいるんだああああああああ!!!!!!」
「えゑええええええええ!!!!!!!」
健斗は隼斗が幽霊だと気づいていないと思い、教えようとしたところ隼斗は鷹斗に向かってヤクザキックをかます。健斗は思わず叫んでしまった。鷹斗は幽霊なので当たり前のことながら隼斗のヤクザキックはすり抜けて鷹斗の後ろにある木に直撃する。
「やっぱ幽霊だから当たらねえか。」
「ちょっ、兄さんなんで!?」
「お前この世に魂として残っているような中途半端なことしてんじゃねえぞ。それなら成仏して次の人生送った方がマシだろうがよ。」
「一理あるけどヒドすぎる。あれが5年ぶりに会った兄の言葉とは思えない。」
鷹斗に対する隼斗の言いように唖然とする一同。健斗は同じ兄弟の兄として共感出来なかった。
「なに、結局兄さんからして僕はそんな存在なの?」
「ちげえよ。」
「なにが違う、ねえ・・・何が違うのさ!!!!!」
隼斗の言葉を聞いた鷹斗は自分がいらないと思い込み憤慨する。そして、後ろから青いオーラを出す。
「なっ、ここはバラッドのはず!!?」
「いーや、あれは能力じゃねえ、負のオーラだ。能力は頭でコントロールするがオーラの類は心で操るからバラッドの影響は受けねえ。」
優がオーラについて使えないと疑問に感じるが隼斗がそれに対して答える。オーラについてはまた後ほど説明しよう。
「みんなあの世に送ってやる!!!!」
鷹斗は負のオーラを全開にして隼斗たちに飛んでくる。隼斗たちは走って逃げる。
「おい、どうする?」
「まあ、俺のせいだしなあ。とは言ってもここはバラッドだし・・・いや、俺にはあまり関係ないなあ。光なんかいい案ないK」
健斗は打開策を隼斗に求めるがもちろんのこと隼斗はノープラン。そこで万屋一の頭脳の持ち主の光に聞くが・・・。
「zzZ・・・」
「なんでこいつこの状況で寝てるの!!?」
「いや、さっきから寝てた。」
「そもそもなんで兄ちゃんたち冷静なの!!?幽霊に追いかけられてるんだよ!!?」
健斗の背中で光は寝ていた。隼斗はそれにツッコむが健斗は補足する。焦りを見せない2人を見て優は焦る。ここで可奈子が場違いなことを話し出す。
「そういえば、私の作った(←ココ重要)クッキーあるけど食べる?」
「「いや、いらない。(死ぬ・・・。/死んじゃうよ・・・。)」」
「なんでこんな時に・・・って毒々しいなオイ!!!」
可奈子がクッキーを食べるかと聞くと高島兄弟はハモって返事する。隼斗は疑問に思いつつも食べようとしたがそのまがまがしい雰囲気と色にツッコむ。しかし、それを見て隼斗はハッとする。
「オイ、それよこせ!!!!」
隼斗は半ば強引に可奈子から手作りクッキーを奪うと鷹斗に振り向く。
「クッキーを・・・・・鷹斗の口にシュウウウト!!!!!」
「ええええええええええ!!!!」
隼斗は可奈子手作りクッキーを鷹斗の口の中めがけて投げつける。優はその行動に驚きを見せる。クッキーは見事に鷹斗の口の中に入った。普通幽霊なら効かないはずだが。
「うわあああああああああ!!!!!」
「ええー・・・」
なんと可奈子手作りクッキーは幽霊である鷹斗に効果絶大だった。健斗は驚くも驚き切れなかった。可奈子のあの料理の危険度から言っても納得できる部分もあったからだ。
「ったく、先走りやがって・・・。俺がお前にさっさと成仏しろっつったのはお前がいらねえからじゃねえ。お前が何よりも大事だからだよ。」
「・・・・・。」
「さっさと成仏してさっさと生まれ変わってこい。そして、もう一度俺に会いに来い。俺はお前をじじいになってもカブトムシになっても待ち続ける。だから、さっさと生まれ変わってこい。」
隼斗は自分の気持ちを鷹斗に投げつける。鷹斗はそれを寝転がったまま黙って聞いて目からボロボロと涙を流す。
「・・・・・本当、〈約束〉だよ?俺はアリになってもクワガタムシになっても兄さんに会いに行くよ?」
「ああ、会いに来い。何十年、何百年と待ってる。」
その隼斗の最後の言葉を聞いて安心したのか鷹斗はどんどん薄れていって儚く消えた。そのやりとりを見ていた3人の目には涙が溢れていた。
「ねえ、兄ちゃん。」
「・・・何だ?」
「クワガタムシってなに?」
「・・・知らない。」
「え、そいつ男だったの?いやいや、どう見ても女・・・」
「ふん!」
優を女と見ていた隼斗は優の兄である健斗に殴り飛ばされていた。ちなみに一行は無事に迷宮の森を抜けて万屋に帰ってきたところである。隼斗が殴り飛ばされた時にちょうど雷斗が起きる。
「なんだ、この女は?」
「死ねえ!」
雷斗も見事に隼斗の二の舞で殴り飛ばされていた。雷斗はまた眠りの世界に入った。隼斗は起き上がろうとしたが睡魔に負けて寝てしまった。
「まあまあ、兄ちゃん。ぼくたちを助けてくれたんだし・・・。」
「それにしても許せん。」
優は健斗を宥めるが健斗は怒っていた。その怒りは可奈子の発言によりこの私―ナレーさんにも襲いかかる。
「そういえば、優ちゃんと可奈が出てきたところで「2人の女」って表記してたよね。」
「なんだと(怒)?」
え、ちょっと、可奈子さん?いやいやそんなこと・・・・・あ、してたわ。け、健斗さん?ちょっとそんな形相でこっち来ないで。すぐに訂正すr・・・。そこで私の意識は途絶えた。
☆ちょこっと用語解説コーナー☆
・バラッド
特殊な電磁波により能力を操る脳の部分を麻痺させ、能力が使えなくなる土地のこと。
・オーラ
心から発生する特殊な力のこと。オーラを見れば使用者の心が分かると言われている。雷斗の闇の使役みたいに幅広く使うことが出来る。能力と同様にオーラを使える人とそうでない人がいる。オーラは心で操るためバラッドの影響は受けない。
次回は万屋のライバル的存在「ストライクアウト」の話。




