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第12話 兄弟って普段いたら邪魔だけどいなくなったら寂しくなる

今回は隼斗が万屋をやるきっかけもさりげなく書かれています。

5年前、混沌島が出来たばかりの頃、隼斗たちは住む家を探してさまよい歩いていた。


「あ〜、腹減ったなあ・・・。なあ鷹斗、何かないか?」


「兄さん、さっき食べたばっかりじゃないか。」


隼斗の問いに弟である鷹斗は冷ややかな視線で兄である隼斗を見て言った。


「成長期は沢山食べねえと駄目なんだよ。あとそんな冷たい目で見るな。」


隼斗は鷹斗に冷ややかな視線を止めるように言った。ここで少し彼らのことを話そう。隼斗は二人兄弟で小さい頃に両親を失い、一旦生き別れるが、無事に再会する。そして、弟である鷹斗が混沌島に招待され、兄の隼斗はそれについてきた形だ。鷹斗は隼斗と違って能力保持者だった。


「しっかし、住むとこがろくにねえのに招待するなよ。」


隼斗の言うことは一理ある。出来たばかりの混沌島は何もなく、家やマンションすら建っていない。だから、寝れる所を探しているというわけだ。


「兄さん、あそこに森があるよ。」


鷹斗が指差す方向には確かに同じような木々が生い茂った森があった。


「お、森か。まだ何もいないだろうし静かに寝れるじゃねえか。」


隼斗が名も無き森へと進んでいく。


「!!!!・・・兄さん、ちょっと・・・・・」


鷹斗は制止するが隼斗は森に入ってしまった。鷹斗も仕方がなく森へと入っていく。しかし、この時すでに鷹斗はある未来を見据えていた。












「・・・・・何処だ此処は?」


「だから待ってって言ったのに・・・。」


隼斗はこの森の奥にどんどん進んでいった挙げ句に迷子になるというお約束の展開をしていた。


「まあ、コンパスがあるから大丈夫・・・ってコンパスぶっ壊れてる!!」


隼斗がコンパスを見るとコンパスの針はグルグル北、東、南、西といった順に回っていた。


「此処ではコンパスが使えないみたいだね。」


鷹斗は隼斗の持つコンパスの様子を見て言った。隼斗はどうしようとあたふたしていた。


「落ち着いて兄さん、こういう時に慌てたら駄目だよ。」


「落ち着こうも何もこの木々のせいで太陽も見えないんじゃあ方向が分かんねえじゃん!」


隼斗の言うとおり森の木々は丈が高くそこから伸びる葉っぱで太陽の光も遮断し森全体を暗闇で覆っていた。今頼りになるのは光源となっている鷹斗の持つ懐中電灯のみである。


「兄さん、森に入ってきた時のことを思い出して。」


「入ってきた時・・・確か明るかったよな?・・・・・あ!」


鷹斗の言葉で隼斗はあることに気づく。


「そう、森に入ってきた時は懐中電灯使わずとも明るかったんだ。つまり、出入り口の方の木々は此処まで木々が成長してなかったんだ。だから、明かりが漏れ出している所が入り口付近になるんだ。」


鷹斗は自分の推測を話す。つまり、奥になればなるほど木々が大きくなっていて木についている葉の量も多くなっている。その量は太陽の光も入って来ないほどになる。しかし、2人が入ってきた入り口は太陽の光が差し込んで奥より明るい。つまり、葉の量が少なく木々が小さくなっている方へ歩いていけば入り口に着くのじゃないかという推測だ。


「そうか、そうだな。そういえば鷹斗、能力を使えば少しは情報が入ってくるんじゃないのか?」


隼斗はその推測に納得し、鷹斗に能力は使う提案をした。


「兄さん御免。この森に入ってから能力が使えないんだ。もしかしたら此処はバラッドかもしれない。」


鷹斗は能力が使えないことを隼斗に話す。バラッドとは能力者が能力を使えなくなる土地のこと。特殊な電磁波が脳に流れ込んで能力を使う時に働く脳の部分を麻痺させるからである。


「バラッドか・・・。鷹斗、そりゃあ仕方ねえよ。じゃあ、木々の小さい方へ歩いていこうぜ!」


隼斗はそう言い歩き出す。鷹斗はフッと笑ってから


「兄さん、逆だよ。」


隼斗に言うのだった。












しばらく歩くと森全体が明るくなってきた。


「本当だな、鷹斗の言うとおりだ。こんな気味の悪い森とはおさらばだぜ!」


隼斗はそう言っ明るくなっていく方へ走っていく。鷹斗の制止も聞かずに・・・。そして、隼斗は木がなくなり森を抜けたと思った。しかし、出た所には地面がなく、早く動かしていた足も空回りしていた。そこで隼斗はやっと気づく。俺は崖へと飛び出したんだと。隼斗は死ぬ覚悟をして静かに目を閉じた。隼斗の身体が重力に従って落ちる前、誰かが腕を掴み隼斗を森の地面に放り投げた。隼斗は何が起きたか分からず混乱していた。俺は崖から落ちたはずなのになぜ?と考えていると手に何かが触れた。触れたものはどうやら手紙みたいだ。隼斗は手紙を読んでみる。





兄さんへ


兄さんがこの手紙を読んでいる時は僕は既にこの世にいない。何故なら、この手紙は僕が兄さんを助けた後に読んでいるはずだから。この森を出るには崖をつたって歩いて行けば出口が見えるはず。落ちないように気をつけて。





この部分の手紙を読んで隼斗は全てが分かった。自分の代わりに崖から落ちたのは弟だと。そう思うと隼斗の目からは涙がこぼれ落ちる。それは、自分の不甲斐なさに支配される。しかし、手紙には続きがあった。





僕は死んだけど兄さんが悔やむことはない。僕は兄さんが何時も言っていた「自分の行動に悔いを残すな」という言葉を遵守しただけだから。兄さんがこれから生きることを信じ、最後に一言。「精一杯頑張ってね。」」





その文を読むと隼斗は立ち上がり、歩き出した。俺は生きよう、死んだ弟の分まで。だから俺が鷹斗の意志を受け継ぐ。そのことを心に誓い、崖をつたって歩くと向こうに繋がっている一本道を見つけ、森から出た。森を出てからは弟が好きだった人助けをするため、万屋「火鳥ヒトリ」を創設した。












「・・・・・だから万屋を・・・。」


雷斗が小さく呟く。周りの空気は無駄に気まずく、誰も話そうとはしなかった。続く嫌な沈黙、それを破ったのは話していた隼斗だった。


「おら、何ボーとしている?早く準備しろよ。キタスズメは俺が捕まえてくるから。」


そう言う隼斗は虫かごと虫あみを持っていた。ハタから見れば虫取り少年であった。


「いや、お前キタスズメ捕まえる気ある?」


健斗が静かにツッコむ。


光「じゃあ、これでスタンバイね。」


そう言う光はプロが持つようなカメラを持っていた。


「撮影?撮影しにいくのか?」


健斗がまたしても静かにツッコむ。結局、雷斗がキタスズメを捕まえてきたのだった。その間の3人はトリオでコントみたいなやりとりをしていた。雷斗の鉄拳が飛び交うのだった。


次回は隼斗たちが森に入り、弟と幼なじみを探す。しかし、そこにいたのは・・・。

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