第11話 世の中が全てハッピーエンドで終わればいいと思う今日この時
リクエストキャラが1人出てきます。最後ちょっとシリアス。
「あ〜、だりぃ・・・米食いてぇ。」
話の冒頭からダラダラしている隼斗。依頼が来なく暇していたのだった。
「そんな某バスケ漫画の最強のエースみたいなこと言ってんなよ。お前自称最弱だろ?」
ある漫画のキャラを出しツッコむのは雷斗。3DSをしている。
「自称じゃねえよ。いいか、この混沌島では無能力者=最弱っつう公式が完成してるんだよ。」
「お前に限っては無能力者=最強みたいな公式だろうが。」
隼斗は混沌島でお決まりと言える公式を上げて無能力者の立場を示すが雷斗にすぐ否定されてしまう。
「ところで、光は一週間前からその紙ずっと見てるけどどうしたんだ?」
雷斗は話の話題を変えて光に聞いた。
「依頼の手紙。」
「はよ言わんか!!!この感じ、第9話にもあったぞ!!!」
光の発言に隼斗はぐで〜とした様子から机をバンッと叩き起き上がり叫ぶ。光から手紙を奪い取って読む。
「てか今時手紙って・・・」
雷斗は手紙を小馬鹿にしたような発言をする。
「雷斗、手紙を馬鹿にするんじゃない。手紙にも良いところはあるんだぞ。」
隼斗は雷斗に指摘し、何処からか紙芝居を取り出した。
「は〜い、これはこれは昔のまた昔の話。」
(何だ?何か始まったぞ?)
雷斗は心でツッコミつつも紙芝居を見る。絵が無駄に上手いことがやけに分かった。
「あるところに白さんと黒さんがいました。」
(登場人物の名前テキトーだな。)
隼斗の紙芝居には黒い人と白い人が描かれていた。絵は上手いのに名前が残念である。
「白さんは黒さんに手紙を送ろうと黒さんの家まで歩いて行きました。この時白さんはケータイと言う存在を忘れていました。」
(冒頭に昔のまた昔の話って言ってなかったか?早速時代無視かよ。)
「しかし、白さんは迷子になってしまいました。無理もありません。黒さんの家は山奥にあり、地元の人でも迷子になりやすい所にありました。」
(そんな所わざわざ手紙届けようとすんなよ。メールの使いどころじゃねえか。)
「それから数日後、白さんはまだ山奥で迷子になっていました。」
(迷い過ぎだろ。)
隼斗のする紙芝居に心でツッコミを入れていく雷斗。光はキャラメルポップコーンをほおばりながら紙芝居を見ていた。
「白さんは水もなく食料もなくもうだめだと思ったところ、ある奇抜な方法を思い浮かんだのです。」
隼斗がそう言うと紙芝居を閉じた。そして、
「続きはWEBで!」
「おおおおおおおおおいいい!!!!!フリーダムかてめえは!!!」
遂に心の中で留まり切らず、大声でツッコんでしまう。
「其処までやったんなら最後までやれよ!!!」
「ええと、結局は白さんは空腹に耐えきれず、黒さん宛ての手紙を非常食として食べるが最終的に餓死します。」
「一気にしゃべったな!!!そして最後はバッドエンドかよ!!!」
隼斗が紙芝居のオチまで一気に話す。それにまた雷斗はツッコミを入れるというお決まりパターンである。
「紙には栄養ないからね。食料持ってなかったのが痛かったね。」
「それ以前の問題点山ほどあんだろうが!!!」
光が栄養について話すが雷斗の言うとおり問題はそこではない。
「甘いぞ雷斗、世の中はな、ハッピーエンドが全部じゃねえんだ。バッドエンドもあるんだよ。この紙芝居はその現実の厳しさを教えてんだよ。」
「手紙のメリットじゃねえのかよ!!!あんたが現実の厳しさを知れよ!!!言わせてもらうけどその紙芝居かなり質が低いぞ!!!」
隼斗が自作の紙芝居について話す。どうやら主題は手紙のメリットじゃないらしい。雷斗が叫ぶのも無理はないだろう。
「質が低い?どこがだ?絵はこんなに上手いのに・・・」
「自分で言うなよ!!!質が低いのは話の内容とお前の脳みそだ!!!」
テレレ・テレレ・テレレ・・・
「何だこの音?マクドナ〇ドの入店音じゃん。」
雷斗はいきなりの聞き覚えのある音に疑問を感じる。少なくともここには場違いの音だった。
「これはインターホンだ。誰か来たようだな。」
「インターホンかよ!!!ややこしいことすんなよ!!!」
玄関に向かう隼斗に雷斗は叫ぶ。客が来ているというのに雷斗は全く声の大きさをセーブする気がないらしい。
「うい、どちら様?」
「万屋はここか?随分と古典的なこった。」
玄関に迎え出た隼斗に黒色の短髪の男は率直な感想を言う。身長は隼斗より少し小さいくらいだろう。
「ほ〜う、生意気な青二才なこった。」
隼斗はそう言うと懐からバズーカを取り出し構える。あ、どうやって懐にしまってたんだとかいう質問はしないで。気にしたら負けだから。
「こんな所でぶっ放すんじゃねえよ!!!万屋壊す気か!!!」
雷斗は隼斗の後ろからハリセンで頭を叩く。完全に不意をつかれた隼斗はまともに喰らい、頭を抑えてうなだれていた。
「ほら、入れよ。手紙送ってきた依頼人だろ。」
雷斗は黒色の短髪の男―依頼人を万屋の中に入るように促す。
「待て!俺が許可していない!!」
そんな隼斗の言葉をスルーして中に入っていく2人。
「スルーすんなやあああああああああああ!!!!!」
隼斗がそうシャウトした。
「俺は依頼人の高島健斗だ。」
「はじめまして、先ほどの多少なる無礼は許して頂きたい。私は飛鳥レイトンだ。」
「なんだこの似非紳士は?」
隼斗が英国紳士ぶって自己紹介をすると依頼人である健斗が 冷ややかな目を隼斗に向けて言う。
「・・・生意気なやつだn」
「だからすぐにバズーカ撃とうとすんな!!!」
万屋にスパァンという雷斗のハリセンの音が響く。
「今日はどうしたの?何か困ったことでもあるんでしょ?」
光は健斗にお菓子をほおばりながら聞く。
「ああ。じゃあ、本題に入るぞ。依頼は俺の弟と幼なじみを一緒に探してほしい。」
健斗が今回の依頼を言うと隼斗が珍しく真面目な顔で聞く。
「兄弟ね・・・。で、場所は何処だ?」隼斗の何時もと違う雰囲気に雷斗と光は驚く。隼斗は何時もはふざけて真面目とは程遠くTHE・人間のクズと言っても過言でない人間なのだ。
「いや、過言だろ。」
隼斗はまた地の文にツッコミを入れると再び健斗の方を向いた。
「場所はおそらく迷宮の森だ。」
「迷宮の森か・・・。また厄介な所だな。」
健斗に依頼場所を聞くと隼斗は舌打ちをする。
「迷宮の森ってなんだ?」
「迷宮の森は混沌島一の迷子スポットのことだよ。その森に入った者は二度と出て来れなく餓死するって言われてる。別名「天然の棺桶」。」
雷斗の素朴な疑問を光は丁寧に質問する。光の知識はこういう時に役立つ。
「準備が必要だな。まず、キタスズメを捕獲するか。」
隼斗が迷宮の森を攻略する上で必要な生き物を提示した。
「なんでキタスズメが必要なんだ?コンパスでも・・・」
「コンパスは迷宮の森に入った途端ぶっ壊れる。迷宮の森の怖いところは木々一本一本に磁場が出ているってところだ。そして、森の周りは崖になっていて1つだけ出入り口となっている所がある。その出入り口がちょうど奥から北の所にある。方角を知る上でも必要だ。」
「へえ、やけに詳しいな。」
隼斗が迷宮の森の概念を話すと健斗が驚く。彼はポーカーフェイスのためあまり顔には表情が出ないので分かりづらいが。
「そりゃそうだ。迷宮の森は俺が大きすぎる犠牲を払って脱出したことがあるからな。」
自分が言った言葉からその時の記憶が隼斗の脳裏に浮かんでくる。その時の話は今から6年前の事、混沌島ができて間もない頃だった。
次回は隼斗の過去のさわりの部分。ちょっとした過去編です。




