生きるために
あまり終わりかたが良くないかもしれないです。軽い気持ちで読んで頂けると、うれしいです。
僕にとって、学校とは、勉強をするところでも、友達と遊んだりする場所ではなかった。
僕にとっての学校とは、ただの逃げ場所にすぎなかった。
僕は幸せとは言えない家庭に生まれた。僕が小さい頃、両親が離婚して、僕は母親に
「あんたなんか生まなければ良かった」
と言われてしまい、僕は心に傷を負った。
これ以上傷つくことを恐れた僕は、逃げるように学校へ行った。
僕は、学校へ行っても、クラスメイトとすぐに喧嘩をして、うまくいっていなかった。
そんなとき、ヒソヒソと僕の悪口が耳に入ってきた。
「なんかあいつ、たいして取り柄もないくせに、調子に乗ってない?」
機嫌を損ねた僕は帰ろうとして、廊下に出た。すると真紀というクラスメイトが
「まだ授業あるのに、帰っちゃ駄目だよ。」
「ふん!」
そう言って僕はそのまま帰った。馴れ馴れしいやつだと思った。
次の日から僕は学校へも行かなくなった。もうなにもしたくなかった。 一週間くらいしてからだろうか、真紀が僕の家を訪ねて来た。
「なんだよ?」
「なんで学校来ないの?駄目だよちゃんとこなきゃ」
「うるさいな。関係ないだろ」
そう言って、真紀を追い返した。
けれど、少しだけ嬉しかった。まだ自分を心配してくれる人がいる。
真紀は、毎日俺の家に来た。僕は怒ったふりをして、怒鳴った。
「なんなんだよ!毎日毎日来るなよ!なんでそんなに俺に付き纏うんだよ?」
すると真紀はうつむいて泣き出してしまった。
僕は悪いことをしたと思い、真紀に謝った。
「ごめん・・・」
すると真紀は、ぽつりぽつりと話し始めた。
「私、あなたに学校来てほしいの。あなたがいないと淋しいから・・・」
「え?」
真紀は続けて言った。
「実はね、私あなたのことがずっと好きだったの」
僕はただ硬直した。
その夜、僕は複雑な心境だった。
確かに、真紀は可愛くて、男子に人気があるけれど、僕はどうしても付き合う気になれなかった。
「明日、断ろう。」
そう心に決めた。
そして次の日、真紀はやはり僕の家を訪ねて来た。僕は重い口を開いた。
「あの・・・」
そう言いかけると、真紀が突然質問してきた。
「良かったら、なんで学校来ないのか教えてくれない?」
僕はうろたえたが、ほとんど真紀に気を許していた僕は、全てを語った。
真紀は自分のことのように哀しんでくれた。
「私はいつでもあなたの味方だからね・・・」
そう言って真紀は帰ってしまった。
僕は決心した。
過去を振り返らずに、前を向いて生きようと。そして僕は久しぶりに学校へ向かった。 久しぶりの学校だった。
みんなは白い目で僕を見る。
逃げたくなったが、僕は逃げなかった。真紀の気持ちに答えるためにも。
その日から僕は生まれ変わったように勉学に、スポーツに汗を流した。
気が付くと僕は学年のトップ争いのメンバーに入っていた。
ここまで来れたのは、真紀のおかげだと、お礼を言おうと真紀の元へ走った。
「やった!オレ、やったよ!」
「ど、どうしたの?」
僕は人目を気にせずに、はしゃぎまわった。
真紀は恥ずかしそうだったが、状況を察したらしく
「おめでとう、おめでとう。」
と祝ってくれた。
ここに来て初めて自分の気持ちに気がついた。
(真紀が好きだ・・・。)僕は勢いに任せて、公衆の面前で言ってしまった。
「真紀、オレと付き合おう」
クラスメイトは狂ったようにはやしたてる。
「もちろん」
真紀がすぐに答えた。いよいよクラスは盛り上がる。僕たちはクラスを後にした。
僕は帰り道の夕焼けを見て、自分がしっかりと存在していることを確かめた。