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第三話 ルーナ、軍学校に立つ!


試験の結果が張り出された掲示板の前は、異様な熱気に包まれていた。


首席:ルーナ・ノーヴァ


二番目以降はいずれも、王国に名だたる武門の家系だ。

だが問題なのは、その上に君臨する、『ルーナ・ノーヴァ』という名である。

誰も、この名を聞いたことがない、と囁かれていた。


まぁ新しい苗字だから、そんなの当たり前なのであるが…



「誰だ、これは女か…?」

「どこの出身だ…そもそも平民なのか?」

「平民が、貴族を差し置いて、首席だと…? ありえん!」


嫉妬…困惑…疑惑… 様々な感情が渦巻く中、私、ルーナは、その掲示板を遠巻きに眺め、小さくため息をついた。


これが、おじいさまが懸念していたことだったのですね…



もしここにシュタインフェルトという名をつけてしまったら、入学すらも危うかったというわけか…


私は学長室に呼び出され問いただされたが、教官たちの顔に、驚きとあからさまな嫌悪の色が浮かんだのが見て取れた。

どうやら、私、ルーナの戦いは、思ったよりも早く始まりそうだ。


そんなわけで、入学が決定したあとに、「本名」を学務に届けなおすことにした。



名前にミスがあると伝え、書類を学務に提出していたが、事務員はあきらかに戸惑っていた。


ルーナ・ノーヴァ


が推薦状に記載されていた名前だが、


ルーナ・シュタインフェルト・ノーヴァ


と私は書き換えさせたのだった。



「では、本当に本名はこちらで間違いがないという事ですね?」


と学務の職員に詰問され、ルーナは確かな自信をもって答えた。


「はい、アスベリヤ地方が領主、シュタインフェルト家のルーナ・シュタインフェルト・ノーヴァは、私のことです」


と…


今の笑顔、完璧だったかしら…


おそらくは、おじいさまは、裏工作を使って、名前を消したに違いなかったが、そんなやり方では私は全然輝かない…



ここに、異世界から召喚された英雄シュタインフェルト家出身の「ルーナ・シュタインフェルト・ノーヴァ」が、フロストヴァルド王国の王立士官学校に電撃的に主席入学を果たしたのであった…



全寮制のこの学校で、緑の髪の私は、少しは目立つかもしれないが、そんなことはもうキニシナイ…


だって私はもう既に十分に輝いているのだから、何も心配する必要がないのだ。

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