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第二十話 泥沼
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先頭を駆ける重装騎兵…
その後方を並進する弓騎兵…
完璧な蹂躙の陣形…
その全てが、平原の中央に入りきったその瞬間だった。
ピッ。
先頭の騎兵が地面に、警告の赤い光を感知する。
騎兵たちは移動妨害魔法である『泥沼』を探知していた。
「ハッ! 教科書とは違うんだよ教科書とは!」
騎兵たちは嘲笑を浮かべながら、その場所を華麗な馬術と『エアステップ』で飛び越えていく… 泥沼化魔法など、対策ができれば全く脅威ではない… 敗者のみっともない「悪あがき」に過ぎないのだ。
しかし、その赤い点は、次第に数が増えていった…
★
「なんだ…!」
「おい! 足元が…!」
赤い。
赤い、赤い、赤い。
全てが赤い…
気づいた時には、もう遅かった。
彼らが走っているこの平原すべてが赤い光で埋め尽くされていた。
もはや「回避する場所」など、どこにも存在しなかった。
「逃げ場が…」
「ない…」
◇
陣の中のルーナが静かに、その拳をそっと握りしめた。
「沈みなさい!!!」
ゴボォッ!!!!
平原そのものが騎馬の軍勢を一瞬で飲み込んだ。
◇
ルーナは、この《《平原全体》》を泥沼に変えたのだった。




