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天の瞳

作者: あか
掲載日:2025/03/31

 地球上で暮らす私たちの肉眼でみえる星の数の合計は、およそ8600個ほどであるといわれている。ただし、めがいい人がみれば、8600個みえる。でも、私は、めがわるい。

 「好き嫌いが激しいと、これは嫌い、これも嫌いとせっかくの出会いを遠ざけてしまう。」これは、灰谷健次郎さんの「天の瞳」に出てきた言葉だ。

 「この星、1番光っているから、好き!」と言い、私は、めにみえているその星をずっとみていた。それ以外の星は、黒い張り紙の中で、光っているただの点にすぎなかった。それと同じように、あの言葉に出会うまで、私は人をみていた。

 私は、これまで、人を「好き」と「嫌い」で分けていた。そのせいで、相手がしてくれたやさしさやその人のいいところが、隠れてみえなくなってしまった。さらに、自分が苦しかったときに、めの色を落として、寄り添ってくれた人、自分が調子に乗っていたときに、注意してくれた人、他愛もない会話をして、笑わせてくれた人、そんな1つ1つの出会いが重なって、今の自分がいることに気がつき、はっとした。

 星のトレンドマークしかみていなかった自分が、たった1つの言葉で、星座や神話を知ろうと思った。「ただの点」だと思っていたものにも、めを向けたい。私の夢は、小説家だ。目立たない星と星を結んで、美しい星座表をつくりたい。

 世界の人口は、およそ8200000000人。そのうち、出会う人の数は、たったの30000人、といわれているけれども、たった1つ、1つの出会いを大切にして、これからの人生を歩んでいきたい。γ星が1番、輝いてみえた。

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