宇宙は麺類 ― 宇宙麺類論:パスタで紐解く宇宙の謎 ―
宇宙論とか好きな人向けかも知れません。
しいな ここみ様主催『麺類短編料理企画』参加料理です。
<プロローグ:宇宙の誕生> ― 宇宙の始まりは巨大な鍋の中だった ―
みなさん、宇宙の始まりについて考えたことはありますか? 科学者たちは、約138億年前に「ビッグバン」という現象が起こり、そこから宇宙が誕生したと考えています。ビッグバンでは、高温・高圧な宇宙が急激に膨張を始めたと言われています。
しかし、この壮大な出来事には、もっと美味しい解釈があるのです。
宇宙の始まりは、実は巨大な鍋の中だったのです。ビッグバンは、巨大なコンロのスイッチが入った瞬間でした。急激な初期膨張は、沸騰し始めた湯の中で麺が踊り始めた様子そのものなのです。
そして、最も重要な瞬間が訪れました。「宇宙の茹で上がり」です。
この「宇宙の茹で上がり」とは、宇宙を構成する素粒子が、ちょうど食べごろの「アル・デンテ」の状態に達した瞬間のことです。この瞬間を境に、それまでバラバラだった素粒子たちが、組み合わさって星や銀河を形作り始めたのです。
<素麺粒子論> ― 素粒子が織りなす宇宙のレシピ ―
現代物理学の最先端理論に「ひも理論」というものがあります。これは全ての物質や力が超微小な「ひも」の振動でできていると考える理論です。この理論をさらに洗練させると「素麺粒子論」が完成するのです。
1. スパゲティ:電子
電子は、原子の周りを回る小さな粒子です。スパゲティの細長くてまっすぐな形によって、抵抗なく電子は自由に動き回ります。
2. フェットチーネ:陽子と中性子
陽子と中性子は原子核を構成する粒子です。フェットチーネは幅広の平たいパスタであり、平らなパスタ生地を何重にも折りたたんでから細長く切って作られます。この折りたたまれた構造は、陽子と中性子の内部構造そのものです。そして、フェットチーネを縦に切ると陽子、横に切ると中性子となるのです。
3. ファルファッレ:光子
光子は光の粒子です。蝶ネクタイの形をしたファルファッレは、その形状が光の波動性と粒子性の二重性を表現しています。まさに、ファルファッレが舞うように、光子は宇宙を駆け巡るのです。
4. ペンネ:クォーク
クォークは、陽子や中性子を構成するさらに小さな粒子です。中が空洞になっている筒状のペンネは、このクォークを表しています。クォークには6種類の「フレーバー」があるのですが、これはパスタソースの種類の多さによるものです。
これらの素粒子が様々に組み合わさることで、私たちの知る宇宙が形作られているのです。例えば、水素原子は、フェットチーネの陽子の周りをスパゲティの電子が回っています。より複雑な原子になれば、フェットチーネの束(原子核)の周りを、たくさんのスパゲティ(電子)が回る、まさにパスタ料理のような姿になるのです。
<ブラックホールとラーメン丼> ― 宇宙で最も濃厚な物質の正体 ―
宇宙最大の謎の一つ、ブラックホール。これは重力が非常に強く、光さえも脱出できない天体です。しかし、実はこれはラーメンの丼なのです。それ以上近づくと物質が脱出できなくなる距離を科学者はシュバルツシルト半径と名付けましたが、これは丼の半径なのです。
想像してみてください。深くて丸い、完璧な形のラーメン丼を。丼に入れられたスープは、ブラックホールに引き寄せられる物質そのものです。重要なのは、一度丼の中に入れられたスープは、決して自力で外に出ることができないということです。これは、ブラックホールの重力が強すぎて、一度捕らえられた物質が脱出できないことを表しています。
また、有名なスティーブン・ホーキング博士によると、すべてを吸い込むブラックホールからも、わずかにエネルギーが放射されています。これはホーキング放射と名付けられましたが、これも実はラーメン丼の熱々のスープから立ち上る湯気なのです。丼全体からゆっくりと立ち上る湯気は、ブラックホールがゆっくりと蒸発していく過程を表しています。
<エピローグ:宇宙麺類論の未来> ― 夢の二つ星 ―
宇宙麺類論は、科学の新たな地平を切り開く革命的理論です。科学の歴史を振り返ると、常識を覆す奇抜なアイデアが、しばしば大きなブレークスルーをもたらしてきました。かつて地動説は笑われました。相対性理論も、最初は多くの物理学者に受け入れられませんでした。しかし今、宇宙麺類論はそれらに続く、新たなパラダイムシフトを引き起こそうとしているのです。
今後、世界中の物理学者たちが、実験室ではなくキッチンで研究に没頭することになるでしょう。そして、宇宙の真理と究極の味を追求する中で、ノーベル賞とミシュランの星を同時に獲得する科学者が現れる日も、そう遠くないかもしれません。
「宇宙の茹で上がり」は本当は「宇宙の晴れ上がり」で、ビッグバン後38万年で宇宙が透明になった現象です。ひも理論、折りたたまれた構造、クォークに6種類のフレーバー、シュバルツシルト半径、ホーキング放射、ブラックホールの蒸発などは、実在する理論や用語です。説明がメタファーを使ったおふざけになっております。