プロローグ
これは今から数十年後の平行世界...
ープロローグー
「おーい。そっちどうだー?」
「まだなんも見えないー」
荒廃した世界を歩き続け早二日。
2人はキャンプを目指し歩き続ける。
「お、あんなとこに兎がいる。」
兎を見つけたのは藍崎美咲。彼女は目と耳がいい。
「おーけー。ちょっと待ってな。」
愛銃のボルトアクションライフルを構え、狙う。引き金を絞ると同時。兎が弾けた。
「さっすが愛乃ー」
ボルトアクションライフルで兎を打ち抜いたのは鮎澤愛乃。彼女は射撃の名手。学生時代に全国大会に行ったことがある。
そんな二人は世界が荒廃する前からの知り合いだ。
「久々に肉食べるなぁ」
「そだねぇ」
肉をはぎ取りながら会話する。
「愛乃ー火起こしといてー」
肉をはぎ取り終わり、肉を洗いながら美咲が言う。
「はいはーい」
返事をし、火を起こす準備を始める。
「うーん、マッチが少なくなってきたなぁ。それにこの辺にはあんまり木の枝がないし...」
美咲が愚痴をこぼしたその時、美咲の耳には愛乃以外の声が聞こえた。
「...あ、..あん...とこ...に人..」
距離があるからか正確には聞き取れなかったが、おそらく人の声だ。
「愛乃。」
「わかってる」
2人は声の主が近づいてくるのを感じ、銃を構えた。
「おーい!そこの方ー!」
どうやら、敵意はないようだ。
愛乃たちは銃を下ろした。
「どなたですか?」
美咲が尋ねる。
「近くのキャンプのものですが、資源を集め終わって、キャンプに帰る途中であなた方を見つけて声を掛けました。」
「なるほど。」
美咲が相槌を打つ。
「あ、自己紹介が遅れました。私、相田と申します。」
相田と名乗る人はその後、こう告げた。
「よければ、一緒にキャンプまで行きますか?」
「「え!いいんですか!?」」
思わずハモってしまった。