仮０１

オッサンの冒険

東京の都心近くに住む４３歳の男が居た。

彼は小太りな体形で、バツイチ。

子供は奥さん側に取られて年に数回会える程度。

全世界を駆け巡る疫病のせいで、なかなか会えないのだ。

趣味というものは無く、ただただ生活をしていた。

だが、彼は満足していた。

小さな世界でも、満足たる何かがあったのだろうか。

普通ならば、もっと活動的になったり、趣味を謳歌したりするのだろうが、何故か満ち足りていた。

この物語は、そんなちっぽけな男の話である。