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合体アプリ  作者: 八重桜インコ愛好家
9/11

『で!? さっそく、その透明ドローンをとばすわけ!?』

「まぁ、待て。その前にやることがある」


 はしゃぐユーニをなだめ、オレはドローンのリモコンを手に持つ。


『うん?』


 かわいらしく首をかしげるユーニ。オレは合体アプリに入力する。


入力1『ドローンのコントローラー』

入力2『スマ――』


『ちょおっと待ったぁ!?』


 ユーニの叫び声が部屋に響く。思わず指で耳をふさいだ。


――ちっ! 勘づかれたか……。


『なにあんた、わたしん家を合体させようとしてるわけ!? ぶっ殺すわよ!?』

「いや、一応それ、オレのスマホなんだが……」


 合体アプリを消せないから実質ユーニの家と化してしまってはいるが……。


『ダメ!! これはダメよ!! てか、こわいもん知らずねあんた。いい度胸してるわ……』


 急激に膨れ上がるユーニの殺気。背中が冷や汗でベトベトする。


――ここ数日で学んだ。コレ、あかんやつ!


「わ、悪かった! 悪かったよ! でも、ドローンをスマホで操作できたら便利じゃん!?」


 謝りつつ実利で訴えてみる。


『むぅ~~~……っ!!』

「そ、それに、ドローンで撮った画像、スマホに送れるから色々相乗効果があってだな……。お前も手軽に楽しめるぞ?」


 なんとかゴリ押せないだろうか? ユーニはうんうんうなっていたが、やがて顔を上げる。


『ちょっと待ってなさい。話をしてくるから』

「誰と?」

『教えない。わたしん家を合体させようとするやつには教えない』


 ユーニ、激おこだ。


 ユーニは画面奥に引っ込むと、やがてどこかと会話を始める。


『おじさん? ……ぅん。……そう。……合体アプリには手をつけずに……そう……新しいアプリで……ぅん。でも、こっちから操作できるようには……ぅん。――そうね。ヤツはいずれわたしが……』


……よくわからない会話だったが、その最後にスゴい悪寒を感じてしまう。


 ユーニが戻ってくる。先程よりはいくぶん機嫌が回復している。


『いいわよ』

「お、おぅ。……じゃ」


 入力を済ませ、確定をタップする。


 すると、いつも通り光が発生し、リモコンとスマホを包む。


 やがて光が消えると、手の中にスマホだけが残った。


――合体結果『スマホ改』


「ひねりもクソもねぇ……」

『ふん……!』


 ユーニは息災だった。だが、機嫌は悪い。腕を組んでそっぽを向いている。


 そして、スマホには新しいアプリ『ドローン』があった。どうやら、無事成功したようだ。


――ぶっ殺されなくてよかった!!

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