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合体アプリ  作者: 八重桜インコ愛好家
6/11

「結構面白いな、コレ」

『でしょ!? やっとあんたにもコレの良さがわかってきたようね!!』


 合体アプリをボソッとほめると妖精女が過剰に反応する。お前が作ったわけでも……アレ? どうなんだ? 聞いておこう。


「そいや、お前ってナニ? 自律思考型AI?」

『うん? なにそれ? 難しい言葉、知ってるのね』


 妖精女は頭にクエスチョンマークをのせている。本当に知らなさそうだ。


「誰かにプログラムされたデータかって聞いてるんだよ」

『殺すわよ?』


――だからいきなり殺気を放つのはやめて!!


「す、すまん。えと……お前、名前は?」

『ようやく聞いてきたわね! わたしはユーニ! 異界から来た旅人よ!!』

「はいはい、ワロスワロス」

『殺す』

「うが!?」


 し、心臓が痛い……!


「急に殺しにかかるのはやめてくれ!?」

『あんたがバカにしたからでしょーが』

「だって、あからさまな嘘だし。アラフォーなめんな」

『一度親父狩りにあった方がいいんじゃないかしら、こいつ……』


 ほらね? 親父狩りなんて言葉、異界人が知ってるのはおかしいだろ!?


 と言ってやりたいが、また心臓にダメージは受けたくない。


「なんか証明できるもんは?」

『まさか、脱げっての? 変態!!』

「ちゃうわ!!」


 妖精フェチってどんなだ!


『合体アプリじゃダメ? この世界にこんなん無かったでしょ?』

「そりゃまぁ、確かに……」

『わたしが作ったのよ? ほら! あがめなさい!! たたえなさい!!』


 地球の文明レベルを越えてるのはまず間違いないだろう。異界から来たのかはともかく、異常な存在であるのは間違いない。


『今はそれで納得しときなさいな。減るわけでもなし』

「オレのメンタルが減る」

『はいはい、ワロスワロス』


――くっ! 返された! なんか悔しい!!


『ぷぷぷ! どぉ~? やり返された気分はどうですかぁ~?♪』


 エーゲ海にしずめてやりたい。なんとなく。


『ま、あんま細かいことは気にせず励みなさい? ハゲるわよ? あ、もう手遅れ――』


 イライラして思わずスマホをスリープモードにしてしまった。そして、ただちに襲い来る心臓痛。


 震える手で仕方なくオンに。


「あおっといてそれは鬼畜過ぎだろ!?」

『まったく。あんたもこりないわね。――まぁ、ちょっと言い過ぎたわ。わたし達はもうパートナーだし、仲良くしましょ♪』

「わ、わかったよ……」


 現金な話だが、“パートナー”という響きに、どこか嬉しさを感じてしまっている自分がいた。


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