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合体アプリ  作者: 八重桜インコ愛好家
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合体アプリ

 オレはしがないサラリーマン(40)。


――オレの名か? そうだな、適当によんでくれ。あ? 考えるのが面倒くさい? なら、たけしだ。異論は認める。


 オレは人生に絶望している。なぜって? つまらないし、日本はいつまで経っても賃金は上がらないけど物価は上がりまくるし、生きにくいじゃん。


――こほん。


 んなこたどうだっていい、まずはこれを見てくれ。


『そこのさえないあなた! 運がいいですね~。あなたに、『2つのものをくっつける』アプリをあげます!!』


 オレのスマホにメッセージが来た。あれだ。電話番号あてに送るやつ。基本的に詐欺師がつかうやつだよ。……偏見か?


 もちろん、こんなの信じちゃいなかったさ。でもさ、いつの間にか見知らぬアプリがインストールされてたんだよ。


――“合体アプリ”


 まんまだろ? 笑うよな。笑えよ! こんなよた話をしてるアラフォーのオレをさぁ!?


――ちなみにこれ、ウイルスのセキュリティにひっかからなかったわ。なんなん、マジで。


 とりあえずアレだ。アプリを長押しして“アンインストール”を押せるようにならないか試したんだ。


……起動したね、むしろ。


 そう、起動しちまったんだよ……。



『合体アプリ~!!』

 

 起動したアプリで音声が出たね。知ってる。マジ役に立たない情報しか与えてこねぇな。


 なんか、画面内に妖精みたいな女がいる。こいつか。しゃべってるのは。


 とりあえず、アプリを消そうとしたんだ。いつものように。


『今消したら、あんた死ぬよ?』


 いきなりアプリにおどされたわ……。可愛い声して声優誰だよ? 


――ズキンッ!!


「ぬぁ!?」


 無視して消そうとしたら、不意に心臓が痛くなってきた。


『今回は脅し。次、勝手にやったら殺すから』


 脅しゆうたよこいつ……。声音がこわいし。仕方なく、話を聞くことに。


『まぁまぁ、待ちなって。結構面白いよ、たぶん』

「たぶんかよ……まぁ、いいや。とりあえず、どうすりゃいい?」

『素直でよろしい!! とりあえず、タップ。ほら、はよしろ』


 言われた通りに進める。


――なんか、2つの箱が出た。入力用?


『そこにくっつけたいものを入力して、ほら早く』

「いや、意味わかんねぇよ……。どんなのをくっつけられんだ?」

『これだからトーシロは……。じゃあ、あんたの部屋に転がってるもんでいいわ。はよはよ』


 とりあえず、言われた通り適当にやることに。


 食パンと生卵があった。――そいや、飯の途中だったか。


 とりあえず、この2つに。


――入力1『パン』

――入力2『たまご』


 で、“確定”をタップ。すると――



――ピッカァアアアアッ!!


 あまたの子供を病院送りにしたピ○チュウもビックリ。


 光ったね。光ったよ。――で。


『フレンチトーストのでっきあがりぃ!!』

「雑すぎんだろ!?」


 思わず全力でツッコんじまった! 恥ずかしい!! でも、たぶん材料足りてないしツッコむしかないだろ!?


 アプリには、パンパカパーン!! という表現がしっくりくるような背景で『フレンチトースト』の文字があらわれている。


『まぁまぁ。でもこれでわかったでしょ? 結構、面白いでしょ!?』

「てか、どうやってんだよ……。いいから返せよ、パンとたまご」

『フレンチトースト、嫌い?』

「気味悪すぎんだろ、こんなん食えるか」

『なっさけな!! チキンね!! ――いえ、鶏に失礼だわ、それじゃ。ごみ糞ナメクジよ』

「このアマ……! わぁったよ!!」


――パクッ……。……。……。


「うま」

『でっしょお!? マジなめんなって感じ』


 旨かった。ガチで。


 ドヤ顔の妖精女がうざったらしい。話題を変えよう。


「で、結局お前は何がしたいん?」

『ただの暇潰し』

「は?」

『もう難聴ですかぁ~? 早くないですかぁ~? まぁ? おっさんだししゃーないかぁ♪』


 コンクリにうめたろかワレ。


『このアプリをどう使うも自由。今日はこんなとこかしらね? じゃ、また明日。あ、アプリを落とそうとしたら激痛が走るから気をつけてね。じゃあね~♪』


 それだけ言い捨てると妖精女は画面奥に飛んでいってしまった。



――ここから、オレの人生は刺激にみちたものへと激変する。


 

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