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嘘つき預言者は敵国の黒仮面将軍に執着される  作者: 花月
2.『vice versa』アウロニア帝国編
170/260

83 神々の戯れ 【第二部 完】

お待たせしました。

近親相姦・BL/R15になります。嫌な方お気つけ下さい。


いくつもの透明な陽炎の影が揺れている部屋に――嬌声と睦言が響いている。


「…はあっ、兄上…。あ…そこ、はっ…」

「…メサダ…可愛いぞ…」


少年神は四つん這いだったがその快楽から我慢できずに思わずうつ伏せになった。

滴り落ちる汗や体液は全て部屋の熱さから瞬時に蒸発した。


床には空が鏡のように映り込み、その空に昇るいくつもの太陽も床に映し出されている。

そこで繋がり合う二人の神の姿の影は決して映し出されない。


彫像のように艶やかな褐色の美しい筋肉を持つ者が、華奢な少年の腰をがっちりと掴み上げて打ち付ける姿が浮かび上がっている。


彼は煌く豪華なストレートの金髪を揺らしながら、腰を掴んでいた手を少年神の足の間へするりとまわした。


「…ひっ…ああっ!…」

その手の動きで少年神の身体が一気にビクリとまた跳ねる。

女の様な嬌声を上げ続ける弟を――コダ神は満足気に見下ろした。


*******


「もう既に最初の戦いで姉上には負けている」


ぐったりと身体を投げだす少年神の隣に、褐色の美しい体躯と顔を持つ青年神はゴロリと横になった。


「…分かっております。次は負けません。その思惑通りニキアスを帝都(ウビンソリス)から追い出せたではありませんか」

「それはそうだが…大分条件が違うな」


メサダは硝子玉の様な瞳で隣に横たわる兄を見上げた。

「条件とは…マヤ王女が()()()()()()()()ニキアスへと()()()()()()()事ですか?」

「そうだ。レダ神は自分の預言者を供物としてニキアスに捧げさせた。その為に我らが考えていた『亡国の皇子』の道筋(ストーリー)とは異なる展開になってきてはいる…」


メサダ神は忌々し気に呟いた。

「ええ…我らがギデオンが一番ちからを持つ人間だったのが、ニキアスも同じ様なちからを持つ様になってしまった…」


コダ神は微かに頷くと面白そうに呟いた。

「…流石姉上(レダ)というべきか()()は私達よりも一歩上手だった。

あの時のマヤ王女の処女性を――自身を捧げる行為は『レダ神(姉上)』への神事に近い。それが間接的にレダ神とニキアスとを繋げてしまった。

中途半端なドゥーガ()神の加護を持っていた時よりも更に性質が悪い。

マヤ王女がいる限り…姉上(レダ)はニキアスへと介入がしやすくなる。より人形として扱い易くなるという訳だ」


「でも...兄上。神々の人間への直接の介入は許されていませんよ」

「今更何を…我らとて幾つも破り、既にやっている事ではないか」


ゴロリと横を向いたコダ神はメサダ神を見て鼻を鳴らした。


「まあ…あまりあからさまにするのは流石に父上の怒りを買うがな」

「けれどお陰でギデオンまで気持ちに揺れが生じて…オクタヴィアに手を出しませんよ。全てが忌々しい――あのレダの預言者め」


また憎々し気にマヤ王女への呪詛を吐く弟を見て兄はフッと笑った。


「本当はマヤ王女を始末出来れば一番手っ取り早いのだがな」

「それは…」

「お前のちからを持ってしても出来ないか」

「……はい、今は不可能です。ごめんなさい…兄上」

「いいや…どちらにしろ無理なのは分かっている」


コダ神の眼下にはザリア大陸が広がっている。

そしてその中、アウロニア帝国領内の中の砂粒の様に小さく見える皇帝ガウディ=レオスの宮殿を見下ろした。


「ふふ…あの宮殿は地下神殿の真上に建ててある。

あそこに篭られていてはまず難しいだろうな。()()の加護で守られている」

「...そうです。()()()()では僕も姉上の力も届かないと言っていいでしょう」

「現在真に厄介なのは…あの男だ。ヴェガの預言者もあっさりと降りたのに、ヴェガに近しいあの男。姉上も悔しくて悔しくて歯噛みしているだろうよ」


そう言うと、コダ神はまた弟神の頭を引き寄せて唇を緩やかに重ねた。


「可愛いメサダ…早くお前と私でこの大陸(ザリア)を支配したい…」

「はい…分かっております。僕もです…」


長い舌でメサダ神の口腔を蹂躙すると、弟は直ぐに喘いで反応を始めた。


コダ神は長い指を弟の足の間のまだぬるりとした粘膜に深く差し入れると、快楽の起こる場所を何度もリズミカルに刺激していく。


「う…っ…んっ…ん、そこ…」

弟神は仰け反って、そのまま小刻みに痙攣をし始めた。


「可愛いメサダよ、本当に分かっているか?」

「…ん、ああっ!!…兄上っ…分かっています!…あぁっ…」

コダ神は弟神の痴態を薄笑いを浮かべて見ると、そのぷくりと立ち上がった乳首を指で強く引っ搔いてからぎゅっと強く摘まんだ。


「うぁ…本当ですっ…わ、分かっておりますっ…あっ…必ず、は、あ、姉上の代わりに兄上が…ああっ!」

次の瞬間――少年神はその快楽にたまらず達した。

その撒き散らしたものは瞬く間に消失していった。


「ふふ、そうだ…いや姉上だけではない。全てを喰らって…わたしがレダに、いや、それ以上の存在に成り代わる」


そしてそのまま弟神の足をグイと上へと持ち上げると、コダ神は物欲しそうに粘膜がピクピクと動く場所へと――自らの腰を強く叩き付け、激しく穿った。


   

 (*第二部完です…ありがとうございました♪︎)

お待たせしました。m(__)m


これで第二部完となります。

第三部は準備出来次第になります。

第三部『亡国の皇子』が始まる迄もう少々お待ちください。


読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 第ニ部完結おめでとうございます。 神の思惑というか干渉がどこにどう関係しているのか、かなり謎ですね。『亡国の皇子』は小説のタイトルじゃなかったのか。第三部で様々な謎がどう明かされていくのか…
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