あなたも知ってるポップコーン神話
まだ世界に星も光もない始まりの時代、一つの鍋があった。
鍋は軽く薄く金属でできていた。
鍋の中には油が敷かれ塩が一撮み盛られていた。
鍋に火が灯り、熱気が帯びた。
琥珀色の種が鍋へと降り注ぐ。
鍋に蓋がされ、暗闇が訪れる。
そして、鍋が動き始めた。
大きく揺れ動く鍋の中で種達が幾度となく転がった。
鍋の中は宛ら地獄のようでもあった。
時間が経ち混沌と化した鍋の中から何かの弾ける力が生まれた。
弾ける力は音になり、次々と音が生まれ産声となった。
産声は鍋の中を駆け巡り、とうとう蓋をこじ開け飛び出してしまった。
それは白く弾けた琥珀色の種だった。
種は星となり、蓋から飛び出した星は流星となった。
これが俗に言われるポップコーン神話である。
トゥーモコロシ。