始まり。
気まぐれ小説です。
更新は不定期。
気まぐれで更新します。
日本。平和な国だと世界中に知られた国である。しかし、その平和もそう長くは続きはしない。その原因は、一つの事件にあった。
怪死体が発見されたのだ。
詳しく説明をすると、その事件は海辺の街で起きた。被害者は、十代から二十代だと思われる女性。「思われる」?
その理由は、死体の状態にある。
...警察は公開していないが、女性の死体は、ほぼ全身の皮...どこまでを皮と定義すべきかよく分からないが...が剥ぎ取られていたのだ。いや、剥ぎ取るというよりも、まるで服を脱ぐかのように綺麗になくなっていたのだ。
さて、この事件。ここで終わればまだ良かったのかも知れない。
その数ヶ月後、また事件が起きた。今度も被害者は似たような条件の女性だった。
さらに、同じ街で三人が行方不明になったが、そのうちの二人は死体すら発見されていない。
警察は、今も全力で捜査を続けている。
あの事件があってから、この街は様変わりした。警備員の数は増加し、監視カメラも増えた。お陰で、犯罪率は下がった。
しかし、あの事件の被害者が全てこの街から出ているのは、不思議で恐怖だ。
特に私のような女子高生にとっては。
学校までは、なるべく人通りの多い道を選ぶようにと毎日のようにニュースや家族、学校側が言ってくる。
人前では決して言えないが、平凡すぎる私を狙ってくるなんて到底思えない。これを言ってしまうと、こっ酷く叱られてしまう。
なので、言わないようにしている。
今日は...今日もいつも通りの一日だった。学校に行き、いつも通りに授業を受け、友達と話した。
ただ、いつもと違ったのは放課後だった。
私が帰り道に使っているのは、海沿いの見晴らしの良い道だ。そこには、いつも警備員の人が必ずいた。
しかし...今日はその警備員がいなかった。よく見渡せば、他の通行人もいない。
不思議な光景だった。そこにいる生物は自分だけ...
否。自分だけではない。さっきまでいなかった身長の高い何かが目の前にいた。
次の瞬間、声を出す暇もなく...表現のできない痛み、現象が起きた。
ソレは、地面に倒れた私を見て満足そうにした。そして、ゆっくりと手を伸ばしてきた。
だが、その手が私に触れることは決して無かった。
何故なら、ソレの腕が飛んで行ったからだ。ソレは、肘から先が綺麗に切られていた。
「ったく...こないだのとは別のやつか...」
男の声だった。それも、自分と同じくらいの歳の男が出す声だった。
「さてと...出来るだけ...取り返すか...」
地面に倒れた私には、何が起きているのか全く分からなかったが、男は助けに来てくれたということは流石にわかった。
そう思考が働いた瞬間、声が聞こえた。
「おらっ!!逃げてんじゃねぇ!!こっちに来やがれ!盗ったもの返せ!」
男が暴れていた。それから数秒後...
「逃げやがった...」
男はそう言い、ゆっくりこっちにやってきた。
「よし...運ぶか...おぉい!!手伝ってくれ!」
そう男が叫ぶ。
呼ばれてやってきたのは、足元しか見えなかったが...包帯に包まれた多分...女...?だった。
「...運びますね...」
そう言うと、女は私を軽々と持ち上げ運んでいく。
その時、男の顔がチラッと見えた。しかし...男が手に持っているものを見て、顔なんてどうでもよくなってしまった。
人間の手のような皮を持っていた。