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主人公どころの話じゃない  作者: えるれいん
8/9

7話 初デート

更新遅くなってしまいました。

すんませんです。

『某忠犬銅像前』


私は風巻さんと待ち合わせをしていた。

時間は2日ほど溯る。


─────────────────────────


風巻さんとの何度目かのお昼休み。

彼女は私にある話を持ち出した。


「葵ちゃん!明後日は祝日だけど予定あるかな?」


「明後日って言うと春分の日か…いや、特に」


私は聞かれた日のスケジュールをスマホで確認しその日は何も無いことを告げる。

するとパァっと明るい顔になった風巻さんは

身を乗り出し私に近づき


「ならデートに行こう!」


「うぇ!?、デート!?」


「そう!私達って付き合ってるでしょ?なのにまだ1度も一緒に出かけたことってなかったからさ。せっかくの祝日だしどうかな!って。

…もちろん、嫌ならやめるけど」


活き活きとした表情で話していたのに最後の一言で急に萎れた表情をする風巻さん。


いや、そんな悲しそうな顔せんでも


「いいよ、行こう。待ち合わせと時間どうしようか」


私のの返事に彼女は再度活き活きとした明るい顔に戻り


「じゃあ駅前デートだ!」


そう笑ったのだった。



─────────────────────────




のだが、


これはまぁ予想外というか、まぁありがちな展開ではあるがラブコメの世界でしかありえないだろうという状況が目の前で起きている。


「君、一人?そんなとこ突っ立ってないで俺らと遊ばない?」


「いえ、待ち合わせしてるんで大丈夫です」


「彼氏?だったらキャンセルとかしてさカラオケとか行こうよ。人数いた方が楽しいって」


「間に合ってるんで大丈夫です」



待ち合わせ時間に来てないもんだからそのへんほっつき歩こうかと思ったら居たよ。


あまり目立たない路地で2人からナンパされてる。当の本人はあからさまに嫌そうな顔している。

さて、彼氏役として見過ごす訳には行かないが

問題がある。

私は女性なわけで、これがラブコメ主人公なら

「やぁ!ハニー、遅れたね!さぁ行こうか」スタタタ、とか

「うちのに手をだすんじゃねえ」とボッコボコに、出来るんだろうが。


あいにく私は無力な女子校生、キャットファイトならまだしも相手が男なら勝てない所か

相手と望まないダンスと洒落込むことになりかねないし逆に私含めて遊びに行こうとか言われかねない。いや、流石に私はアウトオブ眼中か。


あ、そうだ。昔見たアニメのあれ使うか。


私はそっと風巻さん達のいる路地の陰に隠れて

得意じゃない大声で


「お巡りさぁーん!!二人の男がぁ!女の子に乱暴してまぁぁす!!!!」


「「はぁ!?」」


「…ん?」


うわすごい慌ててるよあのふたり。

風巻さんは…そんなに驚いてないな。


「あーくそめんどくせぇ、いこうぜ!」


「いいとこだったのによっ」


ふたりの男は辺りを見回して舌打ちしながら走り去っていく。


私は慌てふためきながら逃げる背中をニヤニヤと見送りながら風巻さんの元へ向かう。


「待ち合わせの場所にしてはちょっとズレてる気がするんだけど」


「あ!やっぱり葵ちゃんだった!」


「なんだ気づいてたんだ」


「当たり前だよ!葵ちゃんの声は聞き取りやすいもん。…それより、ふふっ何今の『おまわりさーん!』って…ぷふっ」


「あーあれ?昔見たアニメでこんな感じのやり取りがあったから。上手くいってよかったよ」


「それ見た事あるかもしれない」


国民的アニメでは無いがそれでもあの話は最終話で泣いた人もいただろうな。


「でもどうせならもっとカッコよく追い払って欲しかったかな。ポイント低いよアレ」


「そこは目を瞑って欲しいかな」


「まぁ、デートが潰れるよりずっといいよね。よし!気を取り直して行こー!」


ニコニコと楽しそうな顔をして、

そう言って彼女は歩き出した。


「そういえばさ」


「んー?」


「ナンパされてた時、割と動じてなかったみたいだけど慣れてたりとかそんな感じ?」


私の質問に風巻さんは「そうだねー」と少し考え込み


「自分で言うのも変だけど10人はいってたはず」


「わぁダブルスコアすっごい」


「全然嬉しくなーい」


ぶー、と口を3の字にして風巻さんは渋い顔をする。そういう可愛らしい仕草が男を寄せるのではと思う。


「まぁでも今は素晴らしい彼氏様がいらっしゃるので、いいボディーガード様がねー?」


「期待はしないでよ…で、今日は何するの?」


腕時計の短い針は10時になろうとしている。


朝食をとるには少し遅いだろう。

風巻さんは方に下げていたカバンからパンフレットを取り出し


「これ!」


「映画?ベタだねぇ」


「ベタなくらいがいいの!」


「でもこれアクション映画じゃん。

恋愛映画とかもっとこう女の子っぽい奴だと思ってた」


渡されたパンフレットには釘バットを持ったアメリカ人がクルーザーに乗って相手の船にタックルをかますというなんともB級感のある写真が載っている。


「それも嫌いじゃないんだけどね、葵ちゃんって恋愛系よりこういうやつの方が好きそうだから。私も嫌いじゃないし」


「たしかにそっちの方が好きだけど、なんでそう思ったの?」


「私の勘はよく当たるんだよ!それじゃレッツゴーだね!」


元気よく歩き出した彼女の隣に並びながら私達は映画館へ入った。




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