2話 突撃隣のラブレター
このラブコメは女の子が主人公のラブコメです。
え?男が集ってくる?作者は男ですよ?んなことしないさぁ!ハーレム??を作るのさ!
2年生2日目
イヤホンでマイナーなバンドを聞きながら靴箱を開ける。上履きを引っ張り出すと同時に1枚の手紙が落ちる。
拾い上げて裏表を見ても名前は書いておらず差出人は不明。
「またか...はぁ」
そっと手紙をリュックに入れて教室へ向かった。
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教室に入ると全員の視線がこちらに向き、すぐさま会話を始める。女子の視線が少し痛かったな。
自分の席の近くに来るとほかの男友達と話していた燕治がこちらに気づきやってきた。
「よっ葵」
「燕治、タイムリーだね」
「タイムリー?どうかしたのか」
「アレがまた来てたよ。新学期早々やるねぇ」
そう言ってリュックのポケットをトンと叩いてアピールする。燕治はそれを見て困ったかのように笑う
「そっか...いつも悪いなぁ」
「これからもどうぞ謝ってくださいねー」
そう、この手紙。もちろん私に来た訳では無い。
今目の前にいる男、桐山燕治に向けられたものだ。なら何故私の靴箱に入っていたのか。それは
「私への当てつけなんかしても意味無いのになぁ」
「どー言うことだ?」
「なんでもない。続きは昼休みでいい?」
「あぁ、問題ない」
会話を終わらせさっさと席につく。
私への当てつけ、という意味だがその理由にはもちろん燕治が絡んでいる。
私と燕治は小学1年からの幼馴染で
そこからどういう訳か中学、高校まで同じクラス。小さい頃からモテた燕治は色々な女の子からそれはもう熱烈アピールされていた。
一方で私は恋仲でもない燕治と遊んだり話したりと親友レベルで距離が近いため女子達からいいイメージを貰っていないので女友達がほぼほぼいない。ついでに言えば男子の友人もほぼほぼいない。...私何かしただろうか。
話を戻そう。燕治とはそんな男子校の親友レベルなためほかの女子が時折燕治宛のラブレターを本人の靴箱ではなく、私の靴箱にあえて入れてくるのだ。
『燕治はわたしがもらってやるぞ』という宣戦布告を込めて。ついでに私に渡させるという流れも入れて。
いや、宣戦布告も何もあんなの要らないしくれてやろうとしか思わない。そも、私のじゃないし。
ため息をつくと同時にHRのチャイムが鳴った。
いつもの事だ。今は放っておこう。てか燕治に全てほうり投げよう