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大黒天  作者: よしみ
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継ぐもの



「おれが家を継ぐ」




そんな意気がったことを言ったのは、ほんの数日前である。

我が家は小学校の近くにあることもあり、朝から人通りが多く、子供の立ち寄り所にもなってある。元来、子供の嫌いな俺にとっては芳しいことではないが、気には止めない。




家は120年続く看板屋、大黒。幼い頃から父が注文を受けた看板を試行錯誤を繰り返し作り上げる姿を何度も見てきた。といっても、最近はパソコンを使い、印刷でするなんてのもあるわけで、需要は低くなる一方である。



俺自身、絵を描いたり、文字を書くことは嫌いではない無いので家を継ぐことに対して問題はない。



唯一の問題といえば、姉の浩子である。


彼女は容姿端麗であるのが災いして多くの男に口説かれる。弟である俺でさえが美しいと思うのであるから、そこそこなものだ。



しかし、表面的なものは良かったとしても、内面がからっきし。別に悪い人ではない。口も悪くない。ただ、頭が悪いのだ。だから、父は自分の技術を全て叩き込み、家業を継がせようとした。



その矢先、頭の悪い姉は逃亡したのである。何度かあった話で、どこにいったかというとお決まりの6駅ほど離れた祖母の家である。潜伏先がすぐばれてしまうなんて、家出とは到底言えないので、ここでは逃亡としておこう。




前置きはこのあたりにして、今から話すのは俺の人生の一部である。

現時点で俺は21歳。今は芸術大に通っている。

父が体調を崩したので、アルバイト先が最近潰れた俺はチャンスと思い、小遣い稼ぎに家を手伝っているのだ。


とまぁこんなところだが、母は元気であるので、友達と旅行に行っている。まぁ、不思議な母である。


いつも父といるとはいえ、体調を崩した時は一緒にいてやってほしいものだ。


つづく

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