予期せぬ再開
新作も二日に一回くらいはあげたいなー(本編あげてないとか言わないで
そよそよと、風が頬を撫でる。草木が風に揺れる音や、鳥のような鳴き声で目を開ける。
初めに視界に入ってきたのは、どこまでも続いているような青い空だった。どうやら、私は野原のようなところに寝転がっていたようだ。周りの様子を見渡そうと、身体を起こす……
そこには、大自然が広がっていた。見渡す限りの草原に、大きな湖。現実だと、到底ありえないような光景が広がっていた。
「うわぁ……ここどこだろう」
とりあえず、身の回りを確かめようと立ち上がる。湖に、自分の姿を反射させ見てみる。私の格好は、普段着ているような私服でも学校の制服でもなく、とんがり帽子に黒いローブという魔女のような格好だった。顔や髪の色などは死ぬ前と変わっていないようで、濃紺色の髪がポニーテールに縛ってあり、目はアメジストのような紫色だった。
「ほんとに異世界に来たんだなぁ……」
と、改めて実感する。正直、不安がない訳では無い。しかし、今後の生活への期待と喜びの方が不安に勝っていた。
「さて……なんかのどかでいいところだし、もう一回昼寝しますか」
多少大きな木を探し、その木のしたに入る。直射日光が無いおかげか、先程より涼しく過ごしやすい。木にもたれるように腰をおろすと、私の意識は再び夢の世界へ沈んでいった。
いったい、どれくらいの時間が過ぎただろうか。私は、頭の下に不思議な感触を覚え目が覚めた。手で触って確かめてみると、少々の弾力と硬さがある。
私が不思議そうにしていると、いきなり視界いっぱいに人の顔が現れた。
「きゃっ!」
ゴンッ!
「ふぎゃっ!?」
突然のことにびっくりした私は、頭を上げてしまった。当然、その人とぶつかってしまうわけで。
「いてて……」
振り向いてみると、そこには身体を丸めてうずくまっている人がいた。そして、数秒後に私は今の状況を理解した。
──どうやら、私は寝ているところを膝枕をされていたようだ。
理解した途端、謎の気恥しさで顔が火照ってきたのが分かる。今の自分は、顔がゆでダコのように赤いんだろうな……
そんなことを考えていると、うずくまっていた人影がゆっくりと身体を起こした。
「いててて……起きた途端、顎を狙ってくるなんてびっくりしたよ」
そんな軽口が彼女の口から発せられる。その声は、どこかで聞いたことがあるようで……と、彼女をよくよく見てみるとあの時の女神さまそっくりだった。
「あ、あなたは……女神さま?」
「違う違う、ローリスって呼んでよ。あの時もそういったじゃないか」
どうやら、あっているようだ。たしかに、そんなようなことを言っていた気がする。でも、あの時はこんなに口調が砕けてたっけ……?
「で、でもなんでローリスがこんなところに?」
「え?ほら、ちゃんと言ったじゃん。またあとでって」
やっぱり、あの時言われた言葉は聞き間違いじゃなかったのか……でも、それだけじゃ彼女が私についてきた理由が分からない。
「んふふー、なんでついてきたか分からないって思ってるでしょ?」
「な、なんで私の思ってることを……」
と、そこまで言って思いつく。それは、感覚的にそう思っただけだったが、一番正解に近いとも思った。
「ふふふ、そうだよ。私は人の心が読める。だって女神だもん、そのくらい出来てもいいよね?」
テンプレか、とツッコミそうになってしまうのを直前で飲み込む。
「それで、なんで私についてきたか教えてくれない?」
「あぁ、そうだったそうだった……うん、やっぱり変わらない」
次の瞬間、彼女の口から出てきた言葉は私の想像の斜め上を行き過ぎていた。
「私と結婚してください、ルナ」
時間が止まったかのような静寂が訪れる。まぁ、誰だって同性からしかも女神さまから告白されたってなると、言葉を失うはずだ。たぶん。
「ごめん、ローリス。ちょっと言ってる意味がわからないかな……」
「え?もー、しょうがないなー。もう一回しか言わないからよく聞いててね?私はルナ、あなたのことが好き。だから結婚して」
……聞き間違いじゃなかった。正直、どうしていいか分からない。だって、相手女神だし。見た目ロリだし。元の世界だったら犯罪者一直線だ。
「あ、あのね私ローリスとは……」
と、言いかけたところでローリスの言葉に遮られてしまう。
「ほら、そうときまったら早く行こ?」
「え?どこに……」
「どこって、新婚旅行だよー。とりあえず、異世界一周旅行ってことで」
「少しは人の話聞いてよ!」
ローリスに手を引かれながら、のどかな平原を走っていった。
まぁ、タイトルどおりですよね
ここからどーなっていくか、僕にもわかりません!